時代と焔の守り手は龍の剣 第十六話

「だが当の本人にはどう伝える?明日になればヤツもろとも俺達とベルケンドに向かわねばならんだろう。そうなれば説明の時間もなく、ルークはなし崩しに崩されかねんぞ」
「・・・そう言えばそうですね・・・」
そこに比古清十郎からまだルークに不安があると言われ、ジェイドは少し考え込む。
「・・・本来ならもう少し時間が欲しい所ですが、あまり余裕もありませんからね・・・やむを得ません、ベルケンドにルークと共にいるセカンに事情をしたためた手紙を送り話をしておくようにしましょう。本来でしたら我々が直々に話をしたい所ですが、あまりナタリア殿下の為に無用に時間をかけられないですからね」
「・・・それが妥当か。とは言えセカンも俺ほどではないと言っても、多少甘い所があるからな。よく詳しい経緯をしたためた上でルークを説得するようにしろと俺が言っていたとも付け加えておけ」
「・・・貴方の言葉でしたら間違いなく聞くでしょうね」
・・・そこから出した結論は苦肉の策と言うほどではないが、セカンに力を尽くすための手紙を出すという物。そんな案にセカンに対しての命令を含ませる比古清十郎に、ジェイドは苦笑いを浮かべる。
「ならここを出るまではベルケンドに行くってあの馬鹿殿下には伝えない方がいいんじゃない?うっかり言っちゃいそうだしさ」
「それは当然だな。あの阿呆が下手な事を言わせたら、ベルケンドのセカン達にインゴベルト辺りが刺客を差し向けかねんからな」
「わかっていますよ、言うわけありません」
そこにシンクが罵倒混じりの提案を普通にするが、一切つっこむ事なく二人は提案を飲み込む・・・もうナタリアに対し何の期待もしていない分、この反応は当然だった。















国と国の争いには発展を阻止した



偽物の姫という存在は利益をもたらしもしたが、不利益ももたらしえる



故に突き付ける、真偽も関係無く愚かであることに対する罰を






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