時代と焔の守り手は龍の剣 第十六話
「帰って参りましたわね、バチカルに!」
・・・船が港につき、バチカルの地に降り立ったナタリアは意気揚々と嬉しそうに声を上げる。
「さぁ、早く城に参りましょう!アクゼリュスの救援は無事になったのです、お父様にその事をお伝えせねば!」
「・・・あーあ、勝手に先行っちゃって。追わなくていいの?というより勝手に城を抜け出しといて何のおとがめもなしと信じて疑わないあの図太さは、ある意味すごいとしか言えないよもう・・・」
「・・・いくらなんでも天空客車を先に進ませてまで、先走りなどしないでしょう。先に行かせておいて構いませんよ。それと一々気にするのはやめた方がいいですよ、彼女はおとがめがあるとかないとかそんな考え一片すら頭にないでしょうしね」
「・・・だろうな」
そのままに返事も聞かずさっさと先に行くナタリアの姿に、シンクもジェイドも比古清十郎も呆れ顔で見つめていた。
「それより首尾はどうだ?」
「えぇ、大丈夫です。流石に敵地に等しい場所に行くんですから、それなりの対応をするのは当然です」
「ならいい、行くぞ」
「えぇ」
そこからいち早く気を取り直したのは比古清十郎で意味深な問いかけをするが、ジェイドの曖昧にも聞こえる答えに納得して先に行くことを促し三人は足を動かす・・・
・・・そして天空客車を乗り継ぎ最上層にある城の前に来たジェイド達。
「!・・・これは、ナタリア様!」
「ただいま戻りました。お父様は今どちらに?」
「今は謁見の間におられます」
「そうですか。では通してください、アクゼリュス救援を成した事もお父様に報告しなければなりませんので」
「はっ、では・・・」
そこでナタリアが一声かければ兵士も無下には出来ずに答えつつ、城の門を開ける。
・・・こんな時こそナタリアの王女として育ってきた経緯と矜持が活きてくる。何も知らないだろう兵士達はナタリアを止めることも出来ないししないため、城の中の謁見の間に続く扉にいた兵士もナタリアの声ですんなりと謁見の間の扉を開けた。
「・・・お父様!」
「っ!・・・ナ、ナタリア・・・っ!?」
その扉の先に足早に進み嬉しそうにその存在を見つけて呼べば、玉座に座るインゴベルトとその横にいたファブレ公爵はナタリアを見た後後ろにいたジェイドの存在を確認して驚愕の表情を浮かべた。その他には場にいるのは入口や壁際で職務を全うしている数名程度の兵士くらいだ。
「どうされましたか、陛下?」
「う・・・何故そなたとナタリアが共にバチカルに・・・!?」
「いえ、アクゼリュスの件が一段落しましたのでこのバチカルに報告に上がろうと思ったのですが、ケセドニアにナタリア殿下がいらっしゃることを思い出しましたので共に参りましょうとお誘い致しました」
「っ・・・!」
そこにジェイドがナタリアが余計な言葉を挟めないように自分に話題を振るよう誘導の問いかけをすれば、案の定インゴベルトは精一杯威厳を保とうとしながら返すが、一見清廉潔白そうに聞こえはするがその実裏を知るものからすればナタリアを盾に取ろうとしてると思える返答で更に返され、言葉を詰まらせる。
(さぁ、どう出ますか?この状況で)
・・・こうやって予告無しにこの場に来たのはナタリアを含め、インゴベルト達が自分達用に罠を張れないようにした上でどういった行動を取るか見定める為でもある。あくまで預言に準ずるかどうかもだが、ナタリアをどう使うかもだ。
だからこそジェイドは更に追い込みをかける、焦りという名の本音を引き出す為に。
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・・・船が港につき、バチカルの地に降り立ったナタリアは意気揚々と嬉しそうに声を上げる。
「さぁ、早く城に参りましょう!アクゼリュスの救援は無事になったのです、お父様にその事をお伝えせねば!」
「・・・あーあ、勝手に先行っちゃって。追わなくていいの?というより勝手に城を抜け出しといて何のおとがめもなしと信じて疑わないあの図太さは、ある意味すごいとしか言えないよもう・・・」
「・・・いくらなんでも天空客車を先に進ませてまで、先走りなどしないでしょう。先に行かせておいて構いませんよ。それと一々気にするのはやめた方がいいですよ、彼女はおとがめがあるとかないとかそんな考え一片すら頭にないでしょうしね」
「・・・だろうな」
そのままに返事も聞かずさっさと先に行くナタリアの姿に、シンクもジェイドも比古清十郎も呆れ顔で見つめていた。
「それより首尾はどうだ?」
「えぇ、大丈夫です。流石に敵地に等しい場所に行くんですから、それなりの対応をするのは当然です」
「ならいい、行くぞ」
「えぇ」
そこからいち早く気を取り直したのは比古清十郎で意味深な問いかけをするが、ジェイドの曖昧にも聞こえる答えに納得して先に行くことを促し三人は足を動かす・・・
・・・そして天空客車を乗り継ぎ最上層にある城の前に来たジェイド達。
「!・・・これは、ナタリア様!」
「ただいま戻りました。お父様は今どちらに?」
「今は謁見の間におられます」
「そうですか。では通してください、アクゼリュス救援を成した事もお父様に報告しなければなりませんので」
「はっ、では・・・」
そこでナタリアが一声かければ兵士も無下には出来ずに答えつつ、城の門を開ける。
・・・こんな時こそナタリアの王女として育ってきた経緯と矜持が活きてくる。何も知らないだろう兵士達はナタリアを止めることも出来ないししないため、城の中の謁見の間に続く扉にいた兵士もナタリアの声ですんなりと謁見の間の扉を開けた。
「・・・お父様!」
「っ!・・・ナ、ナタリア・・・っ!?」
その扉の先に足早に進み嬉しそうにその存在を見つけて呼べば、玉座に座るインゴベルトとその横にいたファブレ公爵はナタリアを見た後後ろにいたジェイドの存在を確認して驚愕の表情を浮かべた。その他には場にいるのは入口や壁際で職務を全うしている数名程度の兵士くらいだ。
「どうされましたか、陛下?」
「う・・・何故そなたとナタリアが共にバチカルに・・・!?」
「いえ、アクゼリュスの件が一段落しましたのでこのバチカルに報告に上がろうと思ったのですが、ケセドニアにナタリア殿下がいらっしゃることを思い出しましたので共に参りましょうとお誘い致しました」
「っ・・・!」
そこにジェイドがナタリアが余計な言葉を挟めないように自分に話題を振るよう誘導の問いかけをすれば、案の定インゴベルトは精一杯威厳を保とうとしながら返すが、一見清廉潔白そうに聞こえはするがその実裏を知るものからすればナタリアを盾に取ろうとしてると思える返答で更に返され、言葉を詰まらせる。
(さぁ、どう出ますか?この状況で)
・・・こうやって予告無しにこの場に来たのはナタリアを含め、インゴベルト達が自分達用に罠を張れないようにした上でどういった行動を取るか見定める為でもある。あくまで預言に準ずるかどうかもだが、ナタリアをどう使うかもだ。
だからこそジェイドは更に追い込みをかける、焦りという名の本音を引き出す為に。
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