時代と焔の守り手は龍の剣 第十五話
「ですが剣術であれ預言であれ、運用次第で容易に罪のない人の人生を狂わせる事になります。その預言ですらまともに人を救おうと、役に立たせない人すらいます」
「え・・・?」
「これは私が会った女の人から聞いた話ですが、その人は預言に詠まれた相手と結婚をしたそうです。その相手と結婚すれば幸せになれると預言士にその人は聞いたのだそうですが・・・その人は結果的にかなり不幸になる形で離婚をその人としたと言いました」
「はっ?どういうことだよ、それ?」
「後に聞いた話によればその結婚相手は元々からしてろくでもない人物だったらしく、始めは預言だから周りの評価を気にせず大丈夫と安心していたその人でしたがいざ結婚生活が幕を開ければほぼ毎日理不尽に暴力を振るわれる日々・・・同性だからということでその体にある傷を見た事がありますが、それはあまりにも酷い物でした・・・」
「・・・っ!」
その上で預言の事、それも被害者と言える人物の逸話を話すセカン。だがその時の事を思い出し悲痛そうにうつむく様子に、ルークもあてられ痛そうに顔を歪める。
「・・・その人は当然のように離婚したそうですが、その後当然のように預言を詠んだ預言士の元に話をしに行ったそうです・・・その時預言士に言われたのは『これは幸せになるために与えられた試練、このユリアから課せられた試練をクリアした貴女には幸せが待っています』という、本当の預言の中身は離婚まで詠まれていたというのを明かした上で何の悪ぶれもなくそう言った内容だったとのことです」
「!・・・なんだよ、それ・・・」
「所詮、預言を重要視する預言を詠むだけの立場の人間は何も考えてないんですよ。その人の事も全体から見たらほんの一部にしかなりません。事実、私はそういった本当に詠まれていた預言の中身を伝えられず不幸になった人を何人も知ってます」
「・・・そういやアクゼリュスの時もそうだったよな、モースはそんな感じで預言の為に・・・」
「そうです。聖職者なんて感じでやってますが、やってることは見る人から見れば人権を無視した殺戮行為にしかなりません・・・そしてそんな私も、師匠も見る人から見ればただの殺人者です。預言に従わない、ね」
「・・・っ!」
そしてその後の結果を語りつつ自分達とモースは結果論としてやってることは一緒なんだと寂しそうに笑いながら言い、ルークは何かを言いたそうに苦々しく悲し気な顔になった。
「・・・けど私も師匠も、今更この道を変えようなんて思いませんし変えたらその時点で世界が終わりかねません。だから戦うんです、例え人を殺すようなことになろうとも。それに話して分かるような人達なら初めからダアトはこんなことはしないでしょうしね」
「う・・・」
そしてそんな自分の気持ちを明かすと同時にダアトの方は話を聞く気はないだろうとセカンに言われ、ルークは言葉に詰まる。二つどちらも正論だとわかるために。
「・・・だからルークさんはそれでいいんです。私達の道に来る必要はないんです、だって貴方はこれから先を生きる人なんですから」
「!!」
その上で晴れやかな笑顔を作って何気なく励ましたつもりのセカンの一言に、ルークは最大限の衝撃を受けたまらずその横顔を見ようとして・・・止めた。何故ならそれは捉え方によっては、これ以降生きる気がない物。そんなものを改めて面と向かって確かめる勇気はルークにはなかったからだ。
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「え・・・?」
「これは私が会った女の人から聞いた話ですが、その人は預言に詠まれた相手と結婚をしたそうです。その相手と結婚すれば幸せになれると預言士にその人は聞いたのだそうですが・・・その人は結果的にかなり不幸になる形で離婚をその人としたと言いました」
「はっ?どういうことだよ、それ?」
「後に聞いた話によればその結婚相手は元々からしてろくでもない人物だったらしく、始めは預言だから周りの評価を気にせず大丈夫と安心していたその人でしたがいざ結婚生活が幕を開ければほぼ毎日理不尽に暴力を振るわれる日々・・・同性だからということでその体にある傷を見た事がありますが、それはあまりにも酷い物でした・・・」
「・・・っ!」
その上で預言の事、それも被害者と言える人物の逸話を話すセカン。だがその時の事を思い出し悲痛そうにうつむく様子に、ルークもあてられ痛そうに顔を歪める。
「・・・その人は当然のように離婚したそうですが、その後当然のように預言を詠んだ預言士の元に話をしに行ったそうです・・・その時預言士に言われたのは『これは幸せになるために与えられた試練、このユリアから課せられた試練をクリアした貴女には幸せが待っています』という、本当の預言の中身は離婚まで詠まれていたというのを明かした上で何の悪ぶれもなくそう言った内容だったとのことです」
「!・・・なんだよ、それ・・・」
「所詮、預言を重要視する預言を詠むだけの立場の人間は何も考えてないんですよ。その人の事も全体から見たらほんの一部にしかなりません。事実、私はそういった本当に詠まれていた預言の中身を伝えられず不幸になった人を何人も知ってます」
「・・・そういやアクゼリュスの時もそうだったよな、モースはそんな感じで預言の為に・・・」
「そうです。聖職者なんて感じでやってますが、やってることは見る人から見れば人権を無視した殺戮行為にしかなりません・・・そしてそんな私も、師匠も見る人から見ればただの殺人者です。預言に従わない、ね」
「・・・っ!」
そしてその後の結果を語りつつ自分達とモースは結果論としてやってることは一緒なんだと寂しそうに笑いながら言い、ルークは何かを言いたそうに苦々しく悲し気な顔になった。
「・・・けど私も師匠も、今更この道を変えようなんて思いませんし変えたらその時点で世界が終わりかねません。だから戦うんです、例え人を殺すようなことになろうとも。それに話して分かるような人達なら初めからダアトはこんなことはしないでしょうしね」
「う・・・」
そしてそんな自分の気持ちを明かすと同時にダアトの方は話を聞く気はないだろうとセカンに言われ、ルークは言葉に詰まる。二つどちらも正論だとわかるために。
「・・・だからルークさんはそれでいいんです。私達の道に来る必要はないんです、だって貴方はこれから先を生きる人なんですから」
「!!」
その上で晴れやかな笑顔を作って何気なく励ましたつもりのセカンの一言に、ルークは最大限の衝撃を受けたまらずその横顔を見ようとして・・・止めた。何故ならそれは捉え方によっては、これ以降生きる気がない物。そんなものを改めて面と向かって確かめる勇気はルークにはなかったからだ。
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