・・・そして明かされていくヴァンの計画・・・比古清十郎達もその計画の全貌を聞いて流石に唖然とした、その中身に。

・・・その中身は大雑把に言えばアクゼリュスが消え去った後他の外殻大地が崩れ落ち行くのを尻目にかつてのホドを再び浮かび上がらせ、預言に染まった人々を見殺しにした上でレプリカの人々を新たに作ったレプリカのホドに住まわせ新たな世界を作るのだという物・・・



「・・・というのが最終的な目標です。まぁその目論見も妹にバレた上で妹は暴挙に出て、マルクトには捕まるハメになりましたけどね」
「・・・っ・・・！！」
・・・そんな話を聞いてしまえば預言至上の人間であり、ヴァンの身内でもある市長が何かを感じない訳がない。全て聞き終わった市長の表情には怒りと戸惑いが入り交じった物と化し、冷や汗と見える汗が顔に浮かぶ。察するに色々ありすぎてどうとも言えずにいるのだろう。
「そしてそのヴァンが捕らえられた過程の結果、私達二人もマルクトの手によって一緒に捕らわれた訳です」
「っ！・・・で、では何故お二方はこうやってカーティス大佐と共にこちらに・・・？」
「それはこちらから取引を持ち掛けたからです」
そのままに自分達の事を語るシンクにきっかけを欲していたのか市長はすぐさま訳を聞いてくるが、その問いにはジェイドが引き継ぐように答える。
「我々としましても彼らがどのような事からそのような行動に至ったかを聞いた訳ですが・・・いやぁ、驚きましたよ。まさかそんな背景がダアトにあり、その背景がヴァン謡将の計画の元になっていたとはね」
「ひ・・・っ！」
しかしその顔は穏やかな声と違い、まるで射殺さんばかりに市長を睨み付けて離さない・・・明らかによく思ってないと顔で語るジェイドに市長は精一杯にひきつった顔で声を小さく抑える。
「・・・とは言えこちらとしてもダアトとあまり険悪な関係になるのは望ましいとは思いませんし、知って良かった事もありますからね・・・故に我々は警告に来たのですよ、このユリアシティにね」
「け、警告・・・？」
明らかにものものしい空気で出された警告、その言葉に市長は顔色を伺い声を上げる。
「えぇ、このままでは遅かれ早かれセフィロトのパッセージリングが危うくなるのはお話を二人から聞いてよく分かりましたからね。故に我々もパッセージリングを守る為に行動するつもりですが、妨害をされては元も子もありません・・・貴殿方からね」
「っ！！」
「ですのでこれは言わせていただきます」



「貴殿方が我々を邪魔するというのであれば、それこそ容赦はしません・・・マルクトの戦力を持って、このユリアシティを滅ぼします」



「っ！？」
・・・自分達の邪魔をすれば滅ぼす。明確な意志を持った確かな警告を敵意と共にぶつけられ、市長の顔に恐怖を伴った驚愕が浮かび上がった。
「我々がここに来てお伝えしたかったのはその警告及び、先程のヴァン謡将の事です。ご理解いただけましたか？」
「そ・・・それは何故そのようにするのですか・・・？」
「理解出来ないのですか？・・・いいでしょう、教えて差し上げます」
そんな市長はジェイドに恐る恐ると言った様子で何故と言うが、ジェイドはあえて挑発するよう馬鹿にした口調で始める・・・後々に繋げる為の呼び水の儀式を。










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