時代と焔の守り手は龍の剣 第十五話

・・・ルークがこのように危ないながらも強い意地を見せているのには、少し前タルタロスでの事が関係している・・・















「・・・ルーク、起きていますか?」
「・・・なんだよ、カクノシンまで揃って・・・」
・・・タルタロスのルークにあてがわれた部屋、そこにジェイドを先頭に続々と入室していく中でルークはそのメンバーの揃い方に椅子から立ち上がりいぶかしんだよう眉を歪める。
「少し話があります、心して聞いてください」
「な、なんだよ・・・」
「・・・ほんの数日前ケセドニアに向かったでしょう、あの時にですが我々はモースを殺しました」
「・・・はぁっ!?いきなり何を言ってんだよ、お前!?」
そんなルークに真剣に話を切り出すジェイドに重さを感じルークは若干身を引きかけるが、少しの間を空け構わず明かされたモース殺しの事実にタルタロスの中で何も知らされず過ごしていたルークは引いた体を思わず前に出しジェイドに嘘だろうと詰め寄る。
「言っておきますが冗談ではありません、これはれっきとした事実です。そしてこの事を今貴方に明かしたのには理由がありますが、それが軽い物ではない・・・というのはわかりますか?」
「・・・あぁ、なんとなくわかる。こんなこと冗談でだって言っちゃいけないし、モースを殺したなんて俺に意味なくすげぇ嘘言う理由なんて今のお前にはない感じがするしな・・・」
「・・・そうですか」
だが熱く詰め寄るその姿にジェイドは一切動揺することなく静かに自分が言った事の重大さを理解してるかと問うと、ルークは肯定を返しながらも‘今の’と‘前の’ジェイドとの違いを本質から感じていると言えば、ジェイドはあえて何も言わずただ一言返す。
「・・・それはともかく、モースを殺した以上貴方の立場という物も遠くない内にどういうものかを擁立しなければなりません。一応キムラスカには貴方はマルクトが保護している、と伝えてますからね。だから本来なら全て終わった後にキムラスカに貴方を戻すのが正しい処置なのですが、モースが死んだ後のキムラスカを一応安心な状態に出来る限りマルクトがするとは言え貴方の身が危険に陥るという可能性はどんなに下げてもなくなることはありえません。物理的にも精神的にもね・・・だから今後の方針を決めるためにも貴方にはこの辺りで選んでほしいんです、キムラスカに戻るかマルクトに亡命するかをね」
「それは・・・確かに俺も、考えてた。前にどうするか言われてたからな・・・けどどっちを選んだにしてもで聞くけど、どっちでもアッシュってどうなるんだ・・・?」
「アッシュですか?」
そんな様子からさっと話を戻しどうするかを決断を求める中身の伴った声にルークも覚悟をしていたと下を向きながら言いつつも気にかかっていただろうアッシュの事を出せば、ジェイドはその名に何の感慨も見せずに反応する。
「彼はグランコクマから出しません。ましてやキムラスカの王になるなどという事態になればむしろこちらから戦争を仕掛けてもいいと思えるくらいです」
「・・・そこまでの事をしてるからそうなる、んだよな。あいつは」
「えぇ、だから牢から出る事すら彼は許されない立場に今います。それとアッシュの話題が出たから今のうちに言っておきますが、どちらを選んだにせよ貴方がレプリカであることとアッシュの起こした行動と本物の‘ルーク・フォン・ファブレ’という事実はけして口外しないでください。そうなればまたいらぬ騒動が起こりかねませんから」
「・・・そうか。じゃあもし俺がキムラスカに戻るって選んだら、はっきりと俺はアッシュのいた居場所を奪い取る事になんだな・・・」
「・・・そういうことになります」
「・・・」
そこからアッシュに対しての仕打ち及びルークの行動への釘差しの言葉を事務的に口にすれば、自分がキムラスカに戻った場合を想いルークの口調が自然と暗く重いものになる。ジェイドはルークに重く頷きその後ろにいたセカンは想いを少なからず掬い取ったのか、苦しそうな表情で手を胸に当てる。











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