時代と焔の守り手は龍の剣 第十四話
ピオニーは全て話してしまったが、ティアはもう本当に詰んでいるのだ。兵士としての人生だけでなく、人としての命脈も。
・・・そもそもの話を振り返りティアはモースから第七譜石を探し出す為の命を受けていた、とのことだったがその時点からしておかしいとの事にティアは気付くべきだった。何せ第七譜石という代物は二千年近くもの間世間にその姿を現さなかった代物で、様々な組織が大量の人員を投入されたにも関わらずだ。そんな代物をいきなりポッとたった一人の兵士ごときに命じたとて簡単に見つかるような道理などあるわけがない、とのことに。そこでティアは気付くとまでいかずとも不審に思うべきだったのだ、‘自分一人にこんな命を出したのはどういう理由なのか’と。
ただ・・・その理由も少し深く、疑いの目を持ってみれば検討がつくことだった。それも・・・極めて悪い方に。
考えてみれば妙な話だろう、一人であてもないものを探す・・・これは探し物が見つかればそれに越したことはないが、探し物が見つからないならどうなるのか?・・・ここで連絡を取るなりなんなりしてモースから戻ってこいなどと言われればまだ業務役割を果たした、と言えるだろう。だが想像してほしい、ここでモースから第七譜石を見つけるまで帰るな、連絡などいらない・・・そう命令されたら、それは事実上の解雇宣告と言えるのではないか?
ただそれは穿った見方では、と言う人物もいるだろう。だがティアに限っては間違いなくそうではない、と断言出来る。ティアは例え罪人として贖罪の為にアクゼリュスに行けと言ったとしても素直に頷かなかっただろうが、それがもし第七譜石を見つける為に尽力しろと言われたなら・・・ティアは一も二もなく頷くはずだ、大詠師モースに頼られているとでも勘違いしてそのままに。
・・・ティアの性格を知っているモースならそうするだろう。いや、その他にも使えない兵士を第七譜石を探せとの名目でダアト及び神託の盾から体よく追い払われた可能性すらある。むしろ常套手段としていた可能性の方が高い。都合が悪い事を誤魔化すにはダアトの名目的に最高と言えるもののために。
・・・もしティアが慎重さに加えて身の程を弁えていたなら、神託の盾兵士としてつつがなく活動してヴァンもうまく止められた可能性がある。だがもうそんな仮定には意味がない、ティアにはそんなこと言っても無駄だろうし改心しても意味がない立場にいるのだから・・・
「・・・・・・1つ、教えて・・・いえ、これはお願いになります・・・せめて、そんなことにならないようにする気はないのですか・・・?」
「ないな」
「っ・・・!」
・・・少し間が空き、イオンは切な想いを込めティアを助ける気はないかと問い掛けるがピオニーは即答で切って捨てる。
「確かにマルクトでティアとやらを保護することも可能だが、それはあくまでも神託の盾の在籍の完全抹消・・・つまりダアトにおいての死亡が条件になる、勿論名義上だがな。だがティアとやらを信ずるに値すると判断出来ん。故あれば兄を所構わず襲い、自分基準で物事を判断し周りの声を聞かないようなヤツをな。それに大詠師を我々が殺した、ということを聞いて従順に従うとでも思うか?」
「・・・いえ・・・」
「まだ何か信用出来ない理由を聞きたいと言うなら話すぞ」
「・・・いえ、結構です・・・」
その上で条件を満たしても信用なんか出来るはずがないと訳付きで言えば、イオンはマルクトでの保護をいやが上にでも諦めさせられ自分からその話題の続きを撤回する。
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・・・そもそもの話を振り返りティアはモースから第七譜石を探し出す為の命を受けていた、とのことだったがその時点からしておかしいとの事にティアは気付くべきだった。何せ第七譜石という代物は二千年近くもの間世間にその姿を現さなかった代物で、様々な組織が大量の人員を投入されたにも関わらずだ。そんな代物をいきなりポッとたった一人の兵士ごときに命じたとて簡単に見つかるような道理などあるわけがない、とのことに。そこでティアは気付くとまでいかずとも不審に思うべきだったのだ、‘自分一人にこんな命を出したのはどういう理由なのか’と。
ただ・・・その理由も少し深く、疑いの目を持ってみれば検討がつくことだった。それも・・・極めて悪い方に。
考えてみれば妙な話だろう、一人であてもないものを探す・・・これは探し物が見つかればそれに越したことはないが、探し物が見つからないならどうなるのか?・・・ここで連絡を取るなりなんなりしてモースから戻ってこいなどと言われればまだ業務役割を果たした、と言えるだろう。だが想像してほしい、ここでモースから第七譜石を見つけるまで帰るな、連絡などいらない・・・そう命令されたら、それは事実上の解雇宣告と言えるのではないか?
ただそれは穿った見方では、と言う人物もいるだろう。だがティアに限っては間違いなくそうではない、と断言出来る。ティアは例え罪人として贖罪の為にアクゼリュスに行けと言ったとしても素直に頷かなかっただろうが、それがもし第七譜石を見つける為に尽力しろと言われたなら・・・ティアは一も二もなく頷くはずだ、大詠師モースに頼られているとでも勘違いしてそのままに。
・・・ティアの性格を知っているモースならそうするだろう。いや、その他にも使えない兵士を第七譜石を探せとの名目でダアト及び神託の盾から体よく追い払われた可能性すらある。むしろ常套手段としていた可能性の方が高い。都合が悪い事を誤魔化すにはダアトの名目的に最高と言えるもののために。
・・・もしティアが慎重さに加えて身の程を弁えていたなら、神託の盾兵士としてつつがなく活動してヴァンもうまく止められた可能性がある。だがもうそんな仮定には意味がない、ティアにはそんなこと言っても無駄だろうし改心しても意味がない立場にいるのだから・・・
「・・・・・・1つ、教えて・・・いえ、これはお願いになります・・・せめて、そんなことにならないようにする気はないのですか・・・?」
「ないな」
「っ・・・!」
・・・少し間が空き、イオンは切な想いを込めティアを助ける気はないかと問い掛けるがピオニーは即答で切って捨てる。
「確かにマルクトでティアとやらを保護することも可能だが、それはあくまでも神託の盾の在籍の完全抹消・・・つまりダアトにおいての死亡が条件になる、勿論名義上だがな。だがティアとやらを信ずるに値すると判断出来ん。故あれば兄を所構わず襲い、自分基準で物事を判断し周りの声を聞かないようなヤツをな。それに大詠師を我々が殺した、ということを聞いて従順に従うとでも思うか?」
「・・・いえ・・・」
「まだ何か信用出来ない理由を聞きたいと言うなら話すぞ」
「・・・いえ、結構です・・・」
その上で条件を満たしても信用なんか出来るはずがないと訳付きで言えば、イオンはマルクトでの保護をいやが上にでも諦めさせられ自分からその話題の続きを撤回する。
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