時代と焔の守り手は龍の剣 第十四話
「・・・はっきり言うぞ、導師。ティアとやらはもう詰んでいる、それはもう確定したことだ」
「詰んで、る・・・?」
「そうだ。ジェイドも言っていただろうが、ヴァン一行の起こした行動を上層部に伝えずに独りよがりに行動し結果一人でそれを止めることすら叶わなかった。これが早い内に一人で全てヴァン達の企みを潰した上でダアトに引き渡したと言うなら英雄扱いになるだろうが、事態は引き起こされた上で尚秘密を守ろうとした。これはダアトを信頼していない、あるいは侮辱したと見られる行動だ。いくら貴殿が養護しようとも他の詠師陣はまず納得もせんし、ティアとやらを信用せんぞ。これではいくら本人がダアトや神託の盾に戻りたいと言ってもまず許されん、まず牢獄行きがいいとこだ」
「!?そんな・・・!」
「現実逃避など出来んぞ、導師。これはあくまでダアトの中だけに限定した話だ、キムラスカが関われば一層複雑になる上逃げ場などなくなる」
「っ・・・!」
・・・イオンはティアの事で弱りきっている、だが情けなどイオンにもだがティアにもかける意味など全くない。ティアの立場は全て終わっていると話し、尚且つまだ救いようがないと続けていくピオニーにイオンは聞きたくないと悲痛に顔を歪める。
「こちらも聞いてはいるがティアとやらはファブレに大層粗相をしたと言うらしいが、それを大詠師が半ば強引に罪の減刑をさせるために親善大使一行に連れていかせたという話らしいからな。そう考えればてぐすね引いて待っていてもおかしくはないぞ、罪人としてこちらに送られてくるのをな」
「それは・・・」
「そうなれば当然庇う義理も無くなったダアトはためらいなくティアとやらを送り出すだろう、それでもう終わりだ。生きてキムラスカから出ることなどなくなるだろうな」
「そ、そんな・・・そんなこと、僕は・・・」
「許さない、とでも言うつもりか?そもそもアクゼリュス行きというのは大詠師からすれば遠回しに隠した死刑宣告だ。そしてその裏を返せばそのメンバーの選出は大詠師からしてみれば死んでもらわなければならない、もしくは死んでも構わないと言った2つの分け方になる。大詠師からして前者は預言に詠まれたルークにキムラスカの相手国の軍人のジェイド、後者は特に殺す理由もなかったが生かす理由もなかったガイと罰を与えるよりもいっそ殺した方が楽だからというティアの二つに分けられていると俺は見ている・・・が、ここで問題がある。アクゼリュスが崩壊せずに大詠師が死んだ今その混乱によりうやむやになっているが、結局ティアとやらは罪を償い殉死する機会を失っているんだ。そこで他の3人に関して言うなら前者の二人は落ち度は特になくルークはこちらが保護しジェイドはマルクトの所属だから問題はなく、ガイはガルディオスの生き残りという事を知らないから死んでも死ななくてもどっちでもさして問題はない。だがティアに関しては何も変わってはいない、罪が消えた訳ではないのはわかるな?・・・結果アクゼリュスの件が立ち消えしたことで贖罪の機会はうやむやになった、だがキムラスカからすればティアに別の形で罪を償ってもらえればそれで構わないんだ。別に死んできてもらうのも自らが殺すのもどちらでもいいんだからな。事実それだけの事をしているんだからダアトの上層部も今更止めなければならない理由もない。貴殿一人許さないと言った所でティアとやらの罪は消えん。わかるか?いくら他者が声高に叫んだ所でティアとやらはもう救えん位置にいるんだ。なんなら全てが終わった後ティアとやらを養護してみろ、俺の言うことが間違っていないということがわかるだろう」
「っ!・・・そこまで、言うんですか・・・」
全く口を止めず少しだけ声を出すイオンに畳み掛けるよう、それでいてティアがどれだけ救えない立場にいるのか・・・自信を持って最後に語りきったピオニーにイオンはどれだけまずい立場なのかをようやく理解させられたようで、とうとう諦めてしまいうなだれてしまった。
.
「詰んで、る・・・?」
「そうだ。ジェイドも言っていただろうが、ヴァン一行の起こした行動を上層部に伝えずに独りよがりに行動し結果一人でそれを止めることすら叶わなかった。これが早い内に一人で全てヴァン達の企みを潰した上でダアトに引き渡したと言うなら英雄扱いになるだろうが、事態は引き起こされた上で尚秘密を守ろうとした。これはダアトを信頼していない、あるいは侮辱したと見られる行動だ。いくら貴殿が養護しようとも他の詠師陣はまず納得もせんし、ティアとやらを信用せんぞ。これではいくら本人がダアトや神託の盾に戻りたいと言ってもまず許されん、まず牢獄行きがいいとこだ」
「!?そんな・・・!」
「現実逃避など出来んぞ、導師。これはあくまでダアトの中だけに限定した話だ、キムラスカが関われば一層複雑になる上逃げ場などなくなる」
「っ・・・!」
・・・イオンはティアの事で弱りきっている、だが情けなどイオンにもだがティアにもかける意味など全くない。ティアの立場は全て終わっていると話し、尚且つまだ救いようがないと続けていくピオニーにイオンは聞きたくないと悲痛に顔を歪める。
「こちらも聞いてはいるがティアとやらはファブレに大層粗相をしたと言うらしいが、それを大詠師が半ば強引に罪の減刑をさせるために親善大使一行に連れていかせたという話らしいからな。そう考えればてぐすね引いて待っていてもおかしくはないぞ、罪人としてこちらに送られてくるのをな」
「それは・・・」
「そうなれば当然庇う義理も無くなったダアトはためらいなくティアとやらを送り出すだろう、それでもう終わりだ。生きてキムラスカから出ることなどなくなるだろうな」
「そ、そんな・・・そんなこと、僕は・・・」
「許さない、とでも言うつもりか?そもそもアクゼリュス行きというのは大詠師からすれば遠回しに隠した死刑宣告だ。そしてその裏を返せばそのメンバーの選出は大詠師からしてみれば死んでもらわなければならない、もしくは死んでも構わないと言った2つの分け方になる。大詠師からして前者は預言に詠まれたルークにキムラスカの相手国の軍人のジェイド、後者は特に殺す理由もなかったが生かす理由もなかったガイと罰を与えるよりもいっそ殺した方が楽だからというティアの二つに分けられていると俺は見ている・・・が、ここで問題がある。アクゼリュスが崩壊せずに大詠師が死んだ今その混乱によりうやむやになっているが、結局ティアとやらは罪を償い殉死する機会を失っているんだ。そこで他の3人に関して言うなら前者の二人は落ち度は特になくルークはこちらが保護しジェイドはマルクトの所属だから問題はなく、ガイはガルディオスの生き残りという事を知らないから死んでも死ななくてもどっちでもさして問題はない。だがティアに関しては何も変わってはいない、罪が消えた訳ではないのはわかるな?・・・結果アクゼリュスの件が立ち消えしたことで贖罪の機会はうやむやになった、だがキムラスカからすればティアに別の形で罪を償ってもらえればそれで構わないんだ。別に死んできてもらうのも自らが殺すのもどちらでもいいんだからな。事実それだけの事をしているんだからダアトの上層部も今更止めなければならない理由もない。貴殿一人許さないと言った所でティアとやらの罪は消えん。わかるか?いくら他者が声高に叫んだ所でティアとやらはもう救えん位置にいるんだ。なんなら全てが終わった後ティアとやらを養護してみろ、俺の言うことが間違っていないということがわかるだろう」
「っ!・・・そこまで、言うんですか・・・」
全く口を止めず少しだけ声を出すイオンに畳み掛けるよう、それでいてティアがどれだけ救えない立場にいるのか・・・自信を持って最後に語りきったピオニーにイオンはどれだけまずい立場なのかをようやく理解させられたようで、とうとう諦めてしまいうなだれてしまった。
.