時代と焔の守り手は龍の剣 第十四話

(・・・しかしまぁ、俺も随分とキツく当たれたもんだ。以前だったら言葉を選んでたとは思うが、やはりこれは・・・あのジェイドが自分から罰を望んできたことか・・・)
そんな中ピオニーは表情に出しはしないものの、普段の自身のらしくなさはジェイドが発信したものからだと苦く噛み締める・・・






・・・発端は和平を成功させてくれるとジェイドとイオンを信じてここグランコクマから見送り、しばらく経って報告の手紙がカイツールから届いてきたことからだった。

初めは腕もあって気心も知れた信頼する友人からの報告だからうまくいっている、と独特の皮肉も添えて来たのだろうと思ってピオニーはその手紙を気楽な気持ちを持って自ら中身を確認していった・・・だがその中身はピオニーにとってあまりにも予想外であり、衝撃過ぎる中身であった。

・・・まずはと報告にカクノシンと言う男に会った事、そこで自身の取った行動がどれだけ馬鹿だったのかを気付かされたと中身まで事細かに書かれた上で全てが終わった後に自身の罰を望むとのことだった。まずその中身にピオニーは驚愕した。いつも敬語でありつつも不敵で不遜な態度を取っていたジェイドが自らの非を認めあまつさえ罪を自ら求めてきた事に。

・・・だがその後に続いた文章にピオニーはだからか、と納得せざるを得なくなってもいた。その中身はジェイドがかつて封印したはずのレプリカ技術がダアトにて、それも今はディストと名乗っているが自分の幼馴染みであるサフィールが研究していてそれでなおかつ裏で使用しているとの大まかの流れだった。

その中身はピオニーにとってジェイドが心変わりをしたことを差し引いても、看過出来ない中身であった。イオンならまだしも他のダアトの人間が信用ならないのは知っていたが、そこまで裏で動いていたのかと思うくらいに。

ただそれでも一概に全てを信じられなかったし、信じるわけにはいかないとピオニーは思った。ここまで突飛なことを盲目的に見ればそれこそ痛い目を見かねないと思ったのだ。だからこそ手紙の文末にあった第七譜石の存在を後に送るとの言葉に、もしそれが本物であればピオニーは全てを信じた上でマルクトの為にもと比古清十郎の望むように協力をしようと決めた。

・・・そして第七譜石を送られてきた時にピオニーは重臣達を集めて決めたのだ、預言に反抗して自分達を生かすためになりふり構わないと。






(・・・ジェイドは自身の罪を裁いてもらうのを覚悟の上で行動している、それを俺が水をさすのも妙な話な上に俺自身も甘いままではいられんからな。マルクトを守るため、世界を変えるためならなんでもやってやる・・・!)
・・・強い想いをジェイドからも、比古清十郎からも手紙越しとは言え感じたピオニー。それを無駄にしたくないと思ったのもあったが、自身も甘えを残したままでジェイド達の想いを遂げさせてやれるとは思えなかった。だからこそピオニーも覚悟を決めたのだ、国を守るためには手段を選ばない冷血漢にでもなってやろうと。
「・・・まぁ話はこれくらいでいいだろう、貴殿に体調を崩した状態でいらん雑談に付き合ってもらうわけにもいかんからな」
しかしそれでもそんな内面を表面にはけして出しはせず、イオンに気を遣った声を向けるピオニー。
「・・・いえ、もう少しだけお話を聞かせてください。まだ聞きたいことがあるんです・・・」
「・・・貴殿がそう言うなら付き合おう」
だがまだ聞きたいことがあると青い顔で言ってくる姿に、ピオニーは少々意外そうな表情になりながらも表情を元に戻しイオンに話すように勧める。










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