時代と焔の守り手は龍の剣 第十三話
「そして問題はそれだけではない、マルクトよりの文にはこうも書いてあった。『ルーク殿を利用しアクゼリュスを消滅させる事が預言通りであるなら、こちらで保護しているルーク殿をむざむざアクゼリュスまで再び行かせる義理はない。もしどうしてもルーク殿をアクゼリュスに行かせたいというのであればマルクトを滅ぼしてからにしろ、今やルーク殿の命はマルクトにとってこのピオニー・ウパラ・マルクトと同価値にある』と」
「そ、それは・・・」
「そう、マルクトは預言通りに行かせないために不退転の覚悟を示したのだ。それも預言通りにさせないために暗にこの手紙で例えマルクトが負けたとしても、預言通りには行かせないと最後まで抵抗すると示した形でな・・・」
「っ・・・!」
だが公爵から更に続けられた手紙の中身、そしてインゴベルトがその意味を正しく見解した物を苦々しく口にした物を聞きモースの表情が絶望に近い状態で固まった。
・・・あくまで預言に詠まれているのは炭坑の都市が聖なる焔の光が消滅させた後でキムラスカがマルクトを攻めれば、後々繁栄がくるというもの。だが順序を逆にしてしまえばそれは預言通りではなくなる、それはモースの望む所ではない。かといって話からすればもうルークはマルクト、それも首都グランコクマで皇帝のピオニーと同レベルで警護されている事になっている・・・そのような事態で易々と預言を実行出来ると思える程、モースはこの事態が容易ではない状態なのだと感じていた。
「・・・ど、どうすれば・・・!?」
だからこそしどろもどろとモースは辺りを定めて見ることすら出来ず、打開策が出ないかと呟く。
「・・・大詠師」
「・・・はっ!?なっ、なんでしょうか!?」
「焦る気持ちは分からんでもない・・・だがそなたにとっての問題はまた別にあるのだ」
「!?」
そんなモースに公爵は更に問題があると言い出し、更なる恐怖にまたビクッと体を揺らす。だがモースは気付けていない、公爵の声には微かな険がこもっていたことを。
「ヴァン達を含めた神託の盾が捕まったのは今聞いただろう?だが導師もマルクトにいるのだ、捕虜としてな」
「ど、導師が!?何故・・・!?」
「理由としては預言保守派の企みを知らなかった事について尋問するためだとの事だが、あくまでそれは表向きの話・・・この手紙にはこう書いてあった」
「今の導師は大詠師の指示の元に作られたレプリカだ、とな」
「!?」
・・・そしてその声のまま手紙にイオンが捕虜になっている事実、その上レプリカだと知っていると書かれた事実を明かした公爵にまたモースの表情に一層の驚愕が刻まれ脂汗がドバッと増えた。
「なんで・・・!」
「言わずともわかるだろう、この手紙だ。中身としてはヴァンと六神将のディストに命じてそうしたのだと言う話を聞き出し、導師自身にも言質を取ったとのことだそうだ」
「モースよ、証拠を揃えられた今だから問うが・・・真か?」
「っ・・・・・・はい、それは確かでございます。ですがそれは2年前に本物のイオン様が体調を悪くされましたので、イオン様が死なれた後で当時のダアトを混乱させないための処置としてやったことでありまして・・・別に他意はございません・・・」
「「・・・」」
信じたくないと逃避をしかけるモースに二人は正直に言うよう圧力をかければ、ようやく観念したよう当時の話をする・・・が、その言葉には自分には責がないのだという主張がさりげに入っている。その事に二人は眉間にシワを一気に寄せた。
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「そ、それは・・・」
「そう、マルクトは預言通りに行かせないために不退転の覚悟を示したのだ。それも預言通りにさせないために暗にこの手紙で例えマルクトが負けたとしても、預言通りには行かせないと最後まで抵抗すると示した形でな・・・」
「っ・・・!」
だが公爵から更に続けられた手紙の中身、そしてインゴベルトがその意味を正しく見解した物を苦々しく口にした物を聞きモースの表情が絶望に近い状態で固まった。
・・・あくまで預言に詠まれているのは炭坑の都市が聖なる焔の光が消滅させた後でキムラスカがマルクトを攻めれば、後々繁栄がくるというもの。だが順序を逆にしてしまえばそれは預言通りではなくなる、それはモースの望む所ではない。かといって話からすればもうルークはマルクト、それも首都グランコクマで皇帝のピオニーと同レベルで警護されている事になっている・・・そのような事態で易々と預言を実行出来ると思える程、モースはこの事態が容易ではない状態なのだと感じていた。
「・・・ど、どうすれば・・・!?」
だからこそしどろもどろとモースは辺りを定めて見ることすら出来ず、打開策が出ないかと呟く。
「・・・大詠師」
「・・・はっ!?なっ、なんでしょうか!?」
「焦る気持ちは分からんでもない・・・だがそなたにとっての問題はまた別にあるのだ」
「!?」
そんなモースに公爵は更に問題があると言い出し、更なる恐怖にまたビクッと体を揺らす。だがモースは気付けていない、公爵の声には微かな険がこもっていたことを。
「ヴァン達を含めた神託の盾が捕まったのは今聞いただろう?だが導師もマルクトにいるのだ、捕虜としてな」
「ど、導師が!?何故・・・!?」
「理由としては預言保守派の企みを知らなかった事について尋問するためだとの事だが、あくまでそれは表向きの話・・・この手紙にはこう書いてあった」
「今の導師は大詠師の指示の元に作られたレプリカだ、とな」
「!?」
・・・そしてその声のまま手紙にイオンが捕虜になっている事実、その上レプリカだと知っていると書かれた事実を明かした公爵にまたモースの表情に一層の驚愕が刻まれ脂汗がドバッと増えた。
「なんで・・・!」
「言わずともわかるだろう、この手紙だ。中身としてはヴァンと六神将のディストに命じてそうしたのだと言う話を聞き出し、導師自身にも言質を取ったとのことだそうだ」
「モースよ、証拠を揃えられた今だから問うが・・・真か?」
「っ・・・・・・はい、それは確かでございます。ですがそれは2年前に本物のイオン様が体調を悪くされましたので、イオン様が死なれた後で当時のダアトを混乱させないための処置としてやったことでありまして・・・別に他意はございません・・・」
「「・・・」」
信じたくないと逃避をしかけるモースに二人は正直に言うよう圧力をかければ、ようやく観念したよう当時の話をする・・・が、その言葉には自分には責がないのだという主張がさりげに入っている。その事に二人は眉間にシワを一気に寄せた。
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