時代と焔の守り手は龍の剣 第十二話
「こちらとしては降伏という扱いで今はいいですが、降伏した者は亡命などを希望しない限りは原則相手側にその身柄をお返しするものです。ただそうなればこれから我々の行う事の事後処理の関係上、アリエッタとイオン様の接触は避けられない物となります。その時のイオン様の行動次第ではまたダアトに乱が起きかねません」
「ダアトに乱?それは一体どのような・・・」
「まぁ可能性を2つあげるなら1つは今のイオン様がレプリカと周りにバレること、もう1つはイオン様が殺されてしまう事です」
「・・・レプリカだってバレるのはともかく、イオンが殺される・・・どういうことなの、それ?」
アリエッタの扱いからイオンにダアトの今後が重要になる。その事でダアトにとって劣悪な環境になりかねない推測を語るジェイドだが、イマイチピンと来てないシンクは首を傾げ訳の説明を求める。
「・・・その時ダアト内部の人事がどうなるかはわかりませんが、順当に行けば前任者であるアリエッタが再びイオン様付きの導師守護役になる可能性が高いかと思われます。実績がありますからね」
そこでジェイドは詳しい推測混じりの説明を始めるが、自然とアニスの存在を導師守護役として扱わないだろうという中身を上げた事に二人はその不自然さに気付けなかった。
「まぁあくまでも可能性なので絶対とは言いませんが、それでもアリエッタとイオン様が接触する可能性は今より多くなる可能性の方が高いかと思われます。ただアリエッタは被験者のイオン様という存在はもういないということを知らず、イオン様と以前のように接触しようとするでしょう・・・想像してください、何故昔のように接してくれないと涙を浮かべ自分を見つめるアリエッタとずっと一緒にいてイオン様はどのような行動を取ると思いますか?」
「・・・成程、だからアンタは乱が起きると言ったんだね」
「そんな状況になれば導師は観念して自分の事を話す可能性が高いですね。平謝りして真実を話さず言葉を濁すという可能性もありますが、どちらにしてもアリエッタにはその事実をすぐに受け入れるには無理があります。そこから動揺したアリエッタに誰かが接触すれば、なし崩しに状況が動く可能性は高いと私も思います」
その上でそこからの状況を推測をした上での可能性の示唆にシンクも納得して頷き、ディストも具体的に起きえる可能性を自身でまとめて口にする。
「だから私は貴方達に聞きたい。これより我々は行動を起こしますが、かといって全て終わらせた後のダアトが混乱に満ちるような状況は面倒という事もあり避けたいのです。その上でどうするのがいいと二人はかんがえていますか?」
「「・・・」」
そのディストの推測が自身の見解と相違ないと認めつつも、そうならないためにはどうするべきかと問うジェイドに険しい様子を浮かべ考える。
・・・アリエッタがイオンに対して敬愛の念を持っているのは周知の事実だが、それはあくまで被験者のイオンが作った関係からの物である。それを今の被験者の代わりにと創られたイオンにその通りの関係そのままに築くなど、所詮は同じ見た目とは言え他人であるイオンには不可能な話である。そしてその違いがある以上、このまま放っておけば重大な問題が起きえる可能性は無視出来る物ではない。
もしアリエッタが先程の2つのどちらかの対応どちらでも取られたなら、他人を騙せる腹芸が出来る程に精神年齢が高くはない彼女に動揺を隠せる術はない。そこからアリエッタ経由でも直接本人にでも、『導師イオン』の事を探られ真実を知られでもしたら・・・良くて今の導師がレプリカという事実に担ぎ上げるかどうかの論争からダアト内部を別つ乱を引き起こし、悪ければレプリカという事実にイオンは本物ではないからと殺されてしまう可能性すらある。
・・・そうなれば折角事を丸く収めてもまた世界を巻き込む大問題が起きかねない、それを避ける為にもというジェイドの話の中身は二人を真剣にさせていた。
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「ダアトに乱?それは一体どのような・・・」
「まぁ可能性を2つあげるなら1つは今のイオン様がレプリカと周りにバレること、もう1つはイオン様が殺されてしまう事です」
「・・・レプリカだってバレるのはともかく、イオンが殺される・・・どういうことなの、それ?」
アリエッタの扱いからイオンにダアトの今後が重要になる。その事でダアトにとって劣悪な環境になりかねない推測を語るジェイドだが、イマイチピンと来てないシンクは首を傾げ訳の説明を求める。
「・・・その時ダアト内部の人事がどうなるかはわかりませんが、順当に行けば前任者であるアリエッタが再びイオン様付きの導師守護役になる可能性が高いかと思われます。実績がありますからね」
そこでジェイドは詳しい推測混じりの説明を始めるが、自然とアニスの存在を導師守護役として扱わないだろうという中身を上げた事に二人はその不自然さに気付けなかった。
「まぁあくまでも可能性なので絶対とは言いませんが、それでもアリエッタとイオン様が接触する可能性は今より多くなる可能性の方が高いかと思われます。ただアリエッタは被験者のイオン様という存在はもういないということを知らず、イオン様と以前のように接触しようとするでしょう・・・想像してください、何故昔のように接してくれないと涙を浮かべ自分を見つめるアリエッタとずっと一緒にいてイオン様はどのような行動を取ると思いますか?」
「・・・成程、だからアンタは乱が起きると言ったんだね」
「そんな状況になれば導師は観念して自分の事を話す可能性が高いですね。平謝りして真実を話さず言葉を濁すという可能性もありますが、どちらにしてもアリエッタにはその事実をすぐに受け入れるには無理があります。そこから動揺したアリエッタに誰かが接触すれば、なし崩しに状況が動く可能性は高いと私も思います」
その上でそこからの状況を推測をした上での可能性の示唆にシンクも納得して頷き、ディストも具体的に起きえる可能性を自身でまとめて口にする。
「だから私は貴方達に聞きたい。これより我々は行動を起こしますが、かといって全て終わらせた後のダアトが混乱に満ちるような状況は面倒という事もあり避けたいのです。その上でどうするのがいいと二人はかんがえていますか?」
「「・・・」」
そのディストの推測が自身の見解と相違ないと認めつつも、そうならないためにはどうするべきかと問うジェイドに険しい様子を浮かべ考える。
・・・アリエッタがイオンに対して敬愛の念を持っているのは周知の事実だが、それはあくまで被験者のイオンが作った関係からの物である。それを今の被験者の代わりにと創られたイオンにその通りの関係そのままに築くなど、所詮は同じ見た目とは言え他人であるイオンには不可能な話である。そしてその違いがある以上、このまま放っておけば重大な問題が起きえる可能性は無視出来る物ではない。
もしアリエッタが先程の2つのどちらかの対応どちらでも取られたなら、他人を騙せる腹芸が出来る程に精神年齢が高くはない彼女に動揺を隠せる術はない。そこからアリエッタ経由でも直接本人にでも、『導師イオン』の事を探られ真実を知られでもしたら・・・良くて今の導師がレプリカという事実に担ぎ上げるかどうかの論争からダアト内部を別つ乱を引き起こし、悪ければレプリカという事実にイオンは本物ではないからと殺されてしまう可能性すらある。
・・・そうなれば折角事を丸く収めてもまた世界を巻き込む大問題が起きかねない、それを避ける為にもというジェイドの話の中身は二人を真剣にさせていた。
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