時代と焔の守り手は龍の剣 第十二話

「でしたらディストにシンクとアリエッタの3人は私達に付いてきてください。貴方達は協力者という事になりますので監視付きではありますが、この牢から出したいと思います。ただアリエッタに関しては降伏という扱いになりますので二人とは違い機密を守る為、ある程度入れる場所は制限させていただきますが・・・それでいいですか、アリエッタ?」
「はい、わかりました、です」
そこから口にしたのは三人をここから出すとの事でアリエッタはその中から条件が違うので、二人とは離れさせるという物。その中身にアリエッタはちゃんとした理由付きなので特に反発するでもなく、すんなり頷く。
(・・・本領発揮、と言ったところか)
そんな姿を見て比古清十郎はその裏にあるものを感じ取る。



・・・ここで三人とラルゴを引き離すのはどうにかラルゴが三人を説得する可能性を潰す事にある。シンクとディストに関しては可能性は相当薄いが、アリエッタは可能性は無いことはない。そうなれば魔物を使役するアリエッタが番狂わせを起こす可能性も有り得なくはないので、その危険性を潰す事にある。

また更に言うなら三人を連れていきアリエッタを離すのには表面上話した理由もあるが、イオンから適度に距離を取らせる為だと比古清十郎は考えていた・・・アリエッタがイオンをレプリカとは知ってないとジェイドの釘刺しから確信しており、その事から下手にジェイドはアリエッタを刺激させないようにするためにあのような事を言ったのだと。

だからジェイドはそのある程度の中にイオンのいるところは含ませてはおらず、イオンに接触させる気はないのだと。



・・・そんな配慮に満ちながらも核心を突かせることなく事を進める姿こそ本領があると比古清十郎は思いつつ、アリエッタとディストの牢が開けられる様子を見ていた。
「さぁ行きましょうか」
そしてラルゴのみ牢に残されたその状況の中、ジェイドの声で一同はその場を離れていく。その姿をラルゴは見えなくなるまで憎々しそうに睨み付けていた・・・












・・・そしてジェイド達はアリエッタを別の部屋、それもちゃんとイオンの居場所とは少し離れた部屋に見張りの兵士と共に置いてブリッジへと向かった。



「さて・・・晴れて貴方達は我々に協力していただけることになりました」
「「・・・」」
ブリッジの中、フリングス少将も加わり改めて三人横並びになりシンクとディストの二人にジェイドは話を始める。
「まずはこれからの流れを説明、と言いたいところですが1つ確認しておきたいことがあります。貴方達はアリエッタにイオン様がレプリカであるという事実を隠していますね?」
「・・・よく言うよ、その事を確信してたくせに・・・まぁその通りだよ、今更黙っておくほどの事じゃないしね。でもそれがどうしたの?」
「事実確認です、貴方達がどのような事をしてきたのかというね。それに加えて彼女に関しての扱いをどうするかを決めるためでもあります」
「アリエッタの扱い、ですか?」
まずはと先程のやり取りの事を確実にする質問を口にするとシンクは皮肉ぽく肯定しながらも、今更なんだと返す。そんな声にキチリと答えるが、今度はディストがその扱いに関して疑問の声を上げる。










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