時代と焔の守り手は龍の剣 第二話
・・・それから数時間後、セカンはルーク達とともに宿入りして雑談を交わしていた。最初はルークだけだったが、ティアも一人のけ者は嫌だったのかちょくちょく会話に加わりだしていた。そして夕方になって、セカンはその話を切り上げローズおばさんの家に行った。
「・・・チーグルが食料を盗んでいて、それが自身が住家を焼きだしたライガの為ねぇ・・・」
「はい・・・」
家に二人きりの中、チーグルの話を聞き終わりローズおばさんは悩んだ様子で眉を寄せる。
「あまりライガを刺激するのもまずいですし、この問題を大事にするのもまずいと思います。お金は払いますので、私が帰るまでに解決しなかったら私の代わりにチーグルに食料を渡してはくれませんか?」
「確かにライガはねぇ・・・まぁセカンちゃんの頼みでもあるし、わかったわ。私がチーグルに食料を渡してあげる」
「ありがとうございます」
そんなローズおばさんに切にセカンは頼み込み、おばさんは悩みながらも結論を出し笑顔で首を縦に振る。その結論にセカンは頭を深々と下げる。
「いいのよ、そんな。でもちょっといい?」
「なんですか?」
だがそこから何かを予感させる前置きに、セカンは頭を上げる。
「チーグルは悪い事だってわかってるけど、食料を盗んだのよね?それでセカンちゃん以外はチーグルに会ってないから、セカンちゃんがエンゲーブから離れたらチーグルは食料をもらいに来なくなるんじゃないの?」
「あっ・・・」
おばさんからそう言われ、セカンは失念していたと声を上げる。
・・・そう、チーグルが今の所信頼しているのはセカンのみに他ならない。もし何の伝言もチーグル側にしていなかったら、チーグルがローズおばさんを警戒して食料を取りに来ない可能性がある。
「・・・わかりました。今日はちょうどチーグルが食料を取りに来る日ですから、その時間が来たらまたこちらに伺いますのでついて来てもらっていいですか?チーグル側におばさんの事を話したいと思いますので」
「そうしてもらうと助かるわ」
ローズおばさんもエンゲーブの代表なだけあって、そういった細やかな心遣いも心得ている。初対面の顔合わせを望むおばさんにセカンは丁度いいと今日の夜に行ければ是非と言い、おばさんはニッコリ返す。
「おっ、戻ってきた」
話をつけたため宿に戻ったセカン。その姿を確認したルークはベッドに座りながら声を上げる。
「一体何の話だったんだ?」
「ちょっとお話をしに行ってました。おばさんは師匠の知り合いですから、師匠の近況報告を兼ねて」
「ふーん。でもお前って話聞くと一人でここに来たんだろ?魔物がいっぱいなのに、よくここに来れたよな。刀二つあるけど、二つとも使って戦ってきたのか?」
「あ、はい・・・」
次々とルークから質問され、セカンは少し戸惑いながらも順序だてて答える。
「確かに一人で来ましたけど、一応私も剣を使えますからここに来るくらいならなんとかなります。刀が二つあることについてですけど、私は刀は一つしか戦いには使いません。もう一本は予備に持って行くよう言われた物です」
一つの刀の事を言いながらセカンは逆刃刀の方をさすりつつ、持って行く事を言い渡された場面を思い浮かべ苦笑する。
「ん?何笑ってんだ?」
「あっ、い、いえ」
その光景を首を傾げながら見るルークに、セカンは慌てて首を振る。
「・・・そっくりね、貴女達」
「「え?」」
そのやり取りをルークの対面上のベッドで座りながら黙って見ていたティアが呟き、同時に二人はティアに振り返る。
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「・・・チーグルが食料を盗んでいて、それが自身が住家を焼きだしたライガの為ねぇ・・・」
「はい・・・」
家に二人きりの中、チーグルの話を聞き終わりローズおばさんは悩んだ様子で眉を寄せる。
「あまりライガを刺激するのもまずいですし、この問題を大事にするのもまずいと思います。お金は払いますので、私が帰るまでに解決しなかったら私の代わりにチーグルに食料を渡してはくれませんか?」
「確かにライガはねぇ・・・まぁセカンちゃんの頼みでもあるし、わかったわ。私がチーグルに食料を渡してあげる」
「ありがとうございます」
そんなローズおばさんに切にセカンは頼み込み、おばさんは悩みながらも結論を出し笑顔で首を縦に振る。その結論にセカンは頭を深々と下げる。
「いいのよ、そんな。でもちょっといい?」
「なんですか?」
だがそこから何かを予感させる前置きに、セカンは頭を上げる。
「チーグルは悪い事だってわかってるけど、食料を盗んだのよね?それでセカンちゃん以外はチーグルに会ってないから、セカンちゃんがエンゲーブから離れたらチーグルは食料をもらいに来なくなるんじゃないの?」
「あっ・・・」
おばさんからそう言われ、セカンは失念していたと声を上げる。
・・・そう、チーグルが今の所信頼しているのはセカンのみに他ならない。もし何の伝言もチーグル側にしていなかったら、チーグルがローズおばさんを警戒して食料を取りに来ない可能性がある。
「・・・わかりました。今日はちょうどチーグルが食料を取りに来る日ですから、その時間が来たらまたこちらに伺いますのでついて来てもらっていいですか?チーグル側におばさんの事を話したいと思いますので」
「そうしてもらうと助かるわ」
ローズおばさんもエンゲーブの代表なだけあって、そういった細やかな心遣いも心得ている。初対面の顔合わせを望むおばさんにセカンは丁度いいと今日の夜に行ければ是非と言い、おばさんはニッコリ返す。
「おっ、戻ってきた」
話をつけたため宿に戻ったセカン。その姿を確認したルークはベッドに座りながら声を上げる。
「一体何の話だったんだ?」
「ちょっとお話をしに行ってました。おばさんは師匠の知り合いですから、師匠の近況報告を兼ねて」
「ふーん。でもお前って話聞くと一人でここに来たんだろ?魔物がいっぱいなのに、よくここに来れたよな。刀二つあるけど、二つとも使って戦ってきたのか?」
「あ、はい・・・」
次々とルークから質問され、セカンは少し戸惑いながらも順序だてて答える。
「確かに一人で来ましたけど、一応私も剣を使えますからここに来るくらいならなんとかなります。刀が二つあることについてですけど、私は刀は一つしか戦いには使いません。もう一本は予備に持って行くよう言われた物です」
一つの刀の事を言いながらセカンは逆刃刀の方をさすりつつ、持って行く事を言い渡された場面を思い浮かべ苦笑する。
「ん?何笑ってんだ?」
「あっ、い、いえ」
その光景を首を傾げながら見るルークに、セカンは慌てて首を振る。
「・・・そっくりね、貴女達」
「「え?」」
そのやり取りをルークの対面上のベッドで座りながら黙って見ていたティアが呟き、同時に二人はティアに振り返る。
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