時代と焔の守り手は龍の剣 第十一話

「・・・あの処置でよろしかったですか?」
「上等だ。少なくともアッシュを『ルーク・フォン・ファブレ』に戻すよりは遥かにいい」
そしてその部屋を出て後、ジェイドは成果を確かめるよう比古清十郎に問いかける。その問いに比古清十郎なりに高評価と言える答えを返す。
「流石に彼ではマルクトからしてタルタロスの事を含めた今までの事を水に流して目をつぶる気にはなれませんからね、そう言っていただき何よりです」
対するジェイドも掛け値無しの本音でアッシュに情けをかけたくないと言わんよう、逆に比古清十郎の答えに感謝する・・・余程ジェイドもアッシュに対し信頼を置けないものがあると感じていたようである。
「ただ一つお聞きしますが、私に付き合っていただくこととはなんでしょうか?一通りティア達にも話は通しましたし、もう別にやれることもないはずですが・・・」
「何、ちょっとした協力者の剪定だ」
「?」
そこでそれは置いておきと、また何故こうやって二人にさせられたのかとジェイドが問うと、比古清十郎は意味深な言葉で返す。
「ヴァンに導師・・・ダアト側の人質の手札としては強い事は強いが、決定打がまだ欲しいと思ってな。だからアッシュ以外の六神将から使える六神将を証言役として引っ張り出したいが、その条件を容易に満たせるのはディストくらいしか思いつかんのでな。それで昔の知り合いというお前にも付き合ってもらおうと思ったわけだ。まぁ他にも使える六神将がいるならそれで構わんがな」
「・・・成程、まずはとディストに接触を図る訳ですね。わかりました、それならお付き合いしますので牢に行きましょう」
「あぁ」
最初は何かとわからなかったジェイドだったが有用な手札を手に入れたいと昔の知り合いでもあることからディストに渡りをつけろと言われ、ジェイドは自身がレプリカ技術を封印しきれなかった事とディストをちゃんと説得しなかった事への後悔があり即座に頷き牢のある場所へと比古清十郎を先導し歩き出す・・・















・・・もはや本物の焔は焔たりえなくなった



その名の如く焔が燃えきった後の灰のように扱われる事となった



しかし燃え方という生き方を誤った焔は燃え続ける事など許されない、周りに飛び火して被害を与える焔など害悪と同意であり消されるのが命運となる・・・









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