時代と焔の守り手は龍の剣 第十一話
「そしてはっきりと貴方はどこにも味方をするような姿勢を取ってはいない。マルクトは言うに及ばず、キムラスカも亡命にカイツールの軍港の襲撃の件があり、ダアトは謡将の行動に従っていたことで背信を示し、その謡将すらも今貴方は裏切るつもりと言った・・・これだけ自分勝手に行動しておいて、貴方を心から擁護するというような奇特な組織があると思いますか?」
「・・・っ!」
「言っておきますが貴方が思っているより、この世界は甘くありませんよ・・・貴方が何を持ってそのように飛躍した考えを持ったか、私には想像がつきません。ですがもう貴方は反抗期の子供というにはあまりにも不釣り合いに人様に迷惑をかけすぎ、信頼を得るには些かムリと言える程に道を踏み外し過ぎた。今更正道に戻ると言ってももう許されない位置に貴方は来ているんですよ、もう周り全てを敵に回した事でね」
「!!」
・・・そして言いたい事の残り全てを集約したジェイドの冷たく容赦ない指摘であり事実に、アッシュは何一つ返せない。
・・・アッシュからすれば自分の意志で動いた、そう迷いなく言いきる事だろう。だがジェイドから言わせればただ自分の思うがまま勝手に動きすぎた上、寄るべき大樹とも言える組織に国を決めることなくないがしろにし過ぎていた。
もしまだアッシュの行動に主張があり正当性があれば何らかの形でどこかの国や組織に身を寄せる事も出来ただろうが、このような形で明るみに出ている以上はジェイドに、引いてはマルクトもアッシュを逃す気などない。
「だから私はマルクトの上層部が貴方を『鮮血のアッシュ』としてこのまま内密に処分するべきだと思ったのですよ。『ルーク・フォン・ファブレ』として貴方を扱うよりはその方が対外的な示しもつかせやすい上に下手ないさかいも起こりにくくなりますし、それにその事でチクチクと嫌味を言い続ければマルクトに逆恨みでキムラスカにマルクトが返しかねない。変にかばっても攻めてもろくなことになりませんからね、貴方の行動を見ている限りでは」
「っ!・・・なら!お前はこの屑が『ルーク・フォン・ファブレ』であってもいいと言うのか!?」
「えぇ、貴方とは比べるまでもありません」
「なっ!?んだ、と・・・!?」
そこからけして『鮮血のアッシュ』として逃がさないと理論立てるジェイドにアッシュは軽蔑を向ける先は自らではなくルークだろうと指を向け焦って矛先を向けるが、一刀両断で迷いなく返されアッシュは絶句する。
「・・・ジェイド、お前本気でそれ言ってるのか・・・!?」
「そうですよ、ルーク。ただ誤解がないように言っておきますが、貴方に残された選択肢がまだアッシュより良いものがあり貴方がアッシュより聞き分けがいいと思いこう言っているのです」
「選択肢・・・?」
その返しに今度はルークが信じられないと問いかけるが、ジェイドは肯定しつつも意味深に返しルークは眉を寄せる。
「はい。貴方も謡将からお話を聞いた通りお分かりでしょう、このままただバチカルに戻ったとて安心して生活出来る訳がないと」
「っ!・・・あぁ・・・」
そんなルークにまた前置き、それもルークが理解している事を前提に置いた上での残酷なジェイドの前置きにルークは重く頷く・・・今馬鹿正直にバチカルに戻ったとて精々モースに利用され、結果はどうあれまた死なされる運命。そう思いながら。
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「・・・っ!」
「言っておきますが貴方が思っているより、この世界は甘くありませんよ・・・貴方が何を持ってそのように飛躍した考えを持ったか、私には想像がつきません。ですがもう貴方は反抗期の子供というにはあまりにも不釣り合いに人様に迷惑をかけすぎ、信頼を得るには些かムリと言える程に道を踏み外し過ぎた。今更正道に戻ると言ってももう許されない位置に貴方は来ているんですよ、もう周り全てを敵に回した事でね」
「!!」
・・・そして言いたい事の残り全てを集約したジェイドの冷たく容赦ない指摘であり事実に、アッシュは何一つ返せない。
・・・アッシュからすれば自分の意志で動いた、そう迷いなく言いきる事だろう。だがジェイドから言わせればただ自分の思うがまま勝手に動きすぎた上、寄るべき大樹とも言える組織に国を決めることなくないがしろにし過ぎていた。
もしまだアッシュの行動に主張があり正当性があれば何らかの形でどこかの国や組織に身を寄せる事も出来ただろうが、このような形で明るみに出ている以上はジェイドに、引いてはマルクトもアッシュを逃す気などない。
「だから私はマルクトの上層部が貴方を『鮮血のアッシュ』としてこのまま内密に処分するべきだと思ったのですよ。『ルーク・フォン・ファブレ』として貴方を扱うよりはその方が対外的な示しもつかせやすい上に下手ないさかいも起こりにくくなりますし、それにその事でチクチクと嫌味を言い続ければマルクトに逆恨みでキムラスカにマルクトが返しかねない。変にかばっても攻めてもろくなことになりませんからね、貴方の行動を見ている限りでは」
「っ!・・・なら!お前はこの屑が『ルーク・フォン・ファブレ』であってもいいと言うのか!?」
「えぇ、貴方とは比べるまでもありません」
「なっ!?んだ、と・・・!?」
そこからけして『鮮血のアッシュ』として逃がさないと理論立てるジェイドにアッシュは軽蔑を向ける先は自らではなくルークだろうと指を向け焦って矛先を向けるが、一刀両断で迷いなく返されアッシュは絶句する。
「・・・ジェイド、お前本気でそれ言ってるのか・・・!?」
「そうですよ、ルーク。ただ誤解がないように言っておきますが、貴方に残された選択肢がまだアッシュより良いものがあり貴方がアッシュより聞き分けがいいと思いこう言っているのです」
「選択肢・・・?」
その返しに今度はルークが信じられないと問いかけるが、ジェイドは肯定しつつも意味深に返しルークは眉を寄せる。
「はい。貴方も謡将からお話を聞いた通りお分かりでしょう、このままただバチカルに戻ったとて安心して生活出来る訳がないと」
「っ!・・・あぁ・・・」
そんなルークにまた前置き、それもルークが理解している事を前提に置いた上での残酷なジェイドの前置きにルークは重く頷く・・・今馬鹿正直にバチカルに戻ったとて精々モースに利用され、結果はどうあれまた死なされる運命。そう思いながら。
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