「・・・言いたい事は言い終わったか？」
「・・・あぁ、後は・・・アッシュがどんな考えで俺を敵として見てたか、それを聞く番だ。そうじゃないと俺も、どうしていいかわかんねぇ・・・」
ルークの姿に言いたい事は終わったかと比古清十郎は問いかけると、ルークはその体勢のままそうだと答える。
「だそうだ。さぁ今度はお前の番だ、答えろ。ルークは身に覚えはないと言っているが、お前からすれば動機があってやっていることだろう？それをルークは理解出来ないから言わんなどと尚言うようなら、言わんでいい。その場合はマルクトにお前を引き渡して終わりだ、もう二度と陽の目を浴びる事などない刑に服すだろうなその場合は」
「・・・っ・・・！」
そこからアッシュに比古清十郎は存分に脅しを含ませ喋らないでいいと威圧的に言うと、アッシュは苦虫を噛み潰したような顔になる。
「・・・貴様らに何がわかる！俺のこの７年の苦労が！」
「「「・・・」」」
そしてようやく話さねば不本意な結末を迎えると思ったのかアッシュはキレて大声でまくし立てて来るが、ルーク以外の３人は冷静にその姿を見ていた。
「俺はこの７年ダアトに連れて行かれてバチカルに戻ることを何度も考えてきた！だがバチカルにはこの屑がいた！本当の俺ではないのに、さも最初からいたかのようにだ！わかるか！？この居場所が奪い取られた痛みが！？」
ここに来てアッシュはルークが本音を明かし比古清十郎に脅しをかけられたことにより頭のネジが更に外れたのか、本人が意識してるかはさておき本人が一番嫌がるはずの被害者‘ぶった’声を上げる。
「・・・貴方の言い分ではルークがいたからバチカルに帰れなかった、だからルークを恨んだという事ですか？」
「・・・あぁ」
そんなアッシュにジェイドは冷静にいて、本人には気付かれない程度に軽蔑を含ませ問いかける。
「・・・ではもう１つ、貴方はバチカルに戻る気はあったのですか？もし仮に、ルークがいなくなったらという仮定の上でです」
「・・・そんな気はねぇ、もう俺はファブレの人間じゃない」
「「・・・っ！」」
そんなジェイドに何も気付かず偉そうに返すアッシュに更に質問をジェイドがすると、アッシュは極めて不機嫌そのままに答えを返しルークとセカンに息を呑ませた。
「・・・という訳ですがルーク、の前にカクノシンさん。この答えを聞いてどう思いましたか？」
「・・・どうもこうもない、論外だ」
「でしょうね」
そしてジェイドはもう聞くべきことは終えたとルークにではなく比古清十郎にどうかと問いかけると、切って捨てるよう苛立たしげな答えが返された事にむしろ納得だと返す。
「・・・おい、何の話だ？」
「いえ、ここまで貴方が愚かしいともう救いようがないというだけの話です」
「なんだと！？」
アッシュはその空気になんだと言うとジェイドはもはや隠す気など一切見えない罵倒を向け、アッシュは瞬時に激昂するがジェイドはその様子に頭に手を当てる。
「・・・ジェイドさん、少し時間をもらいます」
「・・・いいですよ」
その横からセカンが有無を言わさない声色でアッシュの前に歩き出した事に、一応ジェイドは許可を出す。出さなくても一緒だろうと思いながら。



・・・そしてアッシュの前に立つとセカンは戸惑うアッシュなど意に介さず・・・
‘ゴッ！’
「がっ！？」



容赦など一切見せずにビンタではなく、固く握った拳でいっそ男らしいくらいアッシュの頬を思い切り殴りその体を床に殴り倒した。







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