時代と焔の守り手は龍の剣 第十話
「何もしていなかろうともしていようとも、貴殿方をここから出すわけには行きませんね。それに聞きますが、貴方はここを出てどこに行くと言うのですか?ガイ」
「どこって・・・それは、バチカルに決まっているだろう・・・」
「それは戦争を止めにですか?それともわざわざ戦争を望むモースにキムラスカに殺されにですか?」
「なっ・・・!?こ、殺されにって・・・!」
「そうではありませんか、モースは預言に詠まれた戦争を望みキムラスカはその預言に従う事を選んだ。そんな状態で戦争は愚かだから止めてください、などと言って従うようなら始めからヴァン謡将にあのような指示など出しませんよ・・・まさか、その可能性を考えていなかったなどという事はありませんよね?」
「・・・うっ・・・」
「っ・・・!」
「・・・ふぅ・・・」
早速口を開いて出した質問に勢いがなく、更にはその声に対する追加質問にあからさまに何も考えていなかった詰まった声を出したガイと上司の暴挙を否定出来ず息を詰まらせたティアにジェイドは頭に手を添え小さく溜め息を吐く。
「・・・だから私は貴殿方をここから出さないようにしたのですよ。向こうは和平を結ぶ気はない、それは我々はもう重々承知しています。故に出来る限りマルクトにとって有利な体勢を取るため、我々はアクゼリュスの状況は知られたくないのです。少しでも時間を稼げればそれにこしたことはない・・・ですが貴方のように何も考えていない者をむざむざバチカルに戻し、我々の現状をバラされたくはないんですよ。もし貴方がバチカルに戻ったとして情報を無理矢理にでも吐き出させられたら、それこそモースはどんな難癖でもマルクトにつけ戦争を仕掛けるでしょう・・・そんなことすら貴方は考えられなかったのですか?」
「それは・・・・・・考えて、いなかった・・・」
「・・・チッ」
・・・何故ここまで言わなければならないのか。そんな考えの存分にこもったジェイドの丁寧だが心底面倒だという問いかけにガイはジェイドから視線を反らし力なく答えるが、比古清十郎がそれを見て分かりやすく苛立たしげに舌打ちをする。
「・・・どうかされましたか?」
「・・・何、この様子なら別に言伝てを本人に確認する必要もないと思っただけだ・・・それと同時に俺まで気分を害した、それだけのことに過ぎん」
「えっ・・・!?」
その様子を見てジェイドが声をかけるが比古清十郎は目を閉じガイに視線すら向けることを拒否しながら答え、ガイはなんのことかと畏怖と興味を併せた視線を向ける。
「・・・ならば何も言わずに終わらせますか?」
「い、いやちょっと待ってくれよ旦那・・・何がなんだか俺にはさっぱりだ。出来ればなんのことか教えて欲しいんだが・・・」
「・・・とのことですが、どうしますか?」
ジェイドはその様子から場を納めようとガイの事を締めようとするが、当の本人が戸惑いながら訳を説明してくれと言ってきた事で仕方なさそうに話をするかを比古清十郎に問う。
「・・・まぁいいだろう、一応話をしてはおいた方がいいか。後々にいらんことをされても面倒だ、この際全て話を聞いてコイツからも色々絞り出してやる」
「・・・っ!」
少し間を置き比古清十郎から出てきた結論は逃がさないと言わんばかりの強い眼を向けながらの話をするとの物で、瞬時にガイの顔に恐怖が浮かぶ・・・だが今更拒否は出来ないし、比古清十郎が受け付けるはずもない。
(少しの間カクノシン氏に任せますか)
ジェイドはその様子に援護はしても、主流は比古清十郎に任せんと傍観の体勢で眼鏡を抑える。
.
「どこって・・・それは、バチカルに決まっているだろう・・・」
「それは戦争を止めにですか?それともわざわざ戦争を望むモースにキムラスカに殺されにですか?」
「なっ・・・!?こ、殺されにって・・・!」
「そうではありませんか、モースは預言に詠まれた戦争を望みキムラスカはその預言に従う事を選んだ。そんな状態で戦争は愚かだから止めてください、などと言って従うようなら始めからヴァン謡将にあのような指示など出しませんよ・・・まさか、その可能性を考えていなかったなどという事はありませんよね?」
「・・・うっ・・・」
「っ・・・!」
「・・・ふぅ・・・」
早速口を開いて出した質問に勢いがなく、更にはその声に対する追加質問にあからさまに何も考えていなかった詰まった声を出したガイと上司の暴挙を否定出来ず息を詰まらせたティアにジェイドは頭に手を添え小さく溜め息を吐く。
「・・・だから私は貴殿方をここから出さないようにしたのですよ。向こうは和平を結ぶ気はない、それは我々はもう重々承知しています。故に出来る限りマルクトにとって有利な体勢を取るため、我々はアクゼリュスの状況は知られたくないのです。少しでも時間を稼げればそれにこしたことはない・・・ですが貴方のように何も考えていない者をむざむざバチカルに戻し、我々の現状をバラされたくはないんですよ。もし貴方がバチカルに戻ったとして情報を無理矢理にでも吐き出させられたら、それこそモースはどんな難癖でもマルクトにつけ戦争を仕掛けるでしょう・・・そんなことすら貴方は考えられなかったのですか?」
「それは・・・・・・考えて、いなかった・・・」
「・・・チッ」
・・・何故ここまで言わなければならないのか。そんな考えの存分にこもったジェイドの丁寧だが心底面倒だという問いかけにガイはジェイドから視線を反らし力なく答えるが、比古清十郎がそれを見て分かりやすく苛立たしげに舌打ちをする。
「・・・どうかされましたか?」
「・・・何、この様子なら別に言伝てを本人に確認する必要もないと思っただけだ・・・それと同時に俺まで気分を害した、それだけのことに過ぎん」
「えっ・・・!?」
その様子を見てジェイドが声をかけるが比古清十郎は目を閉じガイに視線すら向けることを拒否しながら答え、ガイはなんのことかと畏怖と興味を併せた視線を向ける。
「・・・ならば何も言わずに終わらせますか?」
「い、いやちょっと待ってくれよ旦那・・・何がなんだか俺にはさっぱりだ。出来ればなんのことか教えて欲しいんだが・・・」
「・・・とのことですが、どうしますか?」
ジェイドはその様子から場を納めようとガイの事を締めようとするが、当の本人が戸惑いながら訳を説明してくれと言ってきた事で仕方なさそうに話をするかを比古清十郎に問う。
「・・・まぁいいだろう、一応話をしてはおいた方がいいか。後々にいらんことをされても面倒だ、この際全て話を聞いてコイツからも色々絞り出してやる」
「・・・っ!」
少し間を置き比古清十郎から出てきた結論は逃がさないと言わんばかりの強い眼を向けながらの話をするとの物で、瞬時にガイの顔に恐怖が浮かぶ・・・だが今更拒否は出来ないし、比古清十郎が受け付けるはずもない。
(少しの間カクノシン氏に任せますか)
ジェイドはその様子に援護はしても、主流は比古清十郎に任せんと傍観の体勢で眼鏡を抑える。
.