時代と焔の守り手は龍の剣 第十話
「・・・さあもう一度言ってみろ。劣化した人間モドキだと、導師にな」
「い、いや・・・も、もうやめて・・・」
‘ドムッ!’
「ごっ・・・!」
「・・・さあもう一度言ってみろ。劣化した人間モドキだと、導師にな」
改めて同じように言えと告げる比古清十郎にアニスは見上げながら腫れた顔でやめてくれと涙を流しながら懇願するが、求めている答えではない事に比古清十郎は瞬時に腹を蹴り苦悶の声を更に上げさせると再三同じ言葉で命令する・・・その声には一切情けどころか、感情すらない。
「・・・程々にしておいてください、アニスにはまだ我々マルクトからも聞かねばならないことがあるんですからね」
「・・・だったら今言え。こいつがあまりにも物分かりが悪いから、そろそろ刀を抜いてもいいかと思っているところだ」
「っ!」
そんな様子にジェイドがホンに仕方がないといった様子で制止をかけてくるが、わかりやすく不機嫌だという声色に変わった声と後一歩で血の池が作られただろう内容にアニスは一気に痛みを忘れたよう顔がひきつり息も止まる。
「・・・どうやら譲歩する気はないようですね。ならば先に私から質問させていただきましょうか、アニス」
「・・・貴女の両親は大詠師に何か借りを作ったりしていませんか?」
「!!」
・・・だがそうやって仕方なさそうだったジェイドが一気に声色を一気に冷たく落とし、自身を厳しい視線で射抜くよう見据えた姿を見てアニスはビクッと反応し一気に脂汗をかきだした。
「・・・ほう、どうやら少しは聞くに値する情報のようだな。ならば・・・」
‘ドスッ!’
「少しは静かにしておいてやろう」
「・・・っ!」
そんなあからさまな動揺を比古清十郎は見逃さなかった。比古清十郎は話を聞くと言いつつも刀をアニスの首元の横に突き立てるよう通路に突き刺し、逃げ出そうとしたらいつでも首を落とせる位置につける・・・これでアニスは生半可な事では逃げることは出来るはずがない。
「ジェイド、貴方は何を・・・」
「いえいえ、先程も言った親切な方からその情報も共にいただいていたのですよ・・・そしてその情報はこれは貴方も聞かなければならない情報です、拒絶は許しません」
「・・・っ!」
イオンはたまらず声を上げるが話を止める気のないジェイドは容赦のない声で反論を圧殺し、話を続けていく。
「・・・アニスの両親のタトリン夫妻は敬虔なローレライ教団員、それはタトリン夫妻を知る者であれば常識的な事だそうです。ただそれだけならどこにでもいそうな人間、そう思えるでしょう。ですがこの夫妻にはそれ以上にある特徴がまことしやかにある人間達の間で囁かれています・・・その特徴とは事実をろくに確かめもせず、金を獲られたとわかっても怒りもせず性懲りもなく金を使ってしまう事だそうです」
「なっ・・・!?」
「っ・・・!」
・・・まるで見てきたかのようタトリン夫妻のしてきたことを話すジェイドにイオンは絶句するが、アニスは言葉すら発せず青い顔色のまま小さく刀を降り下ろされないよう首を横に振る。
「当然そんなことが続けばろくでなしがタトリン夫妻を絞り尽くそうとするのは必然で、あっという間に借金生活で首をくくるしかない程に経済状況が悪くなるのも必然の展開・・・のはずなのに、タトリン夫妻は他から借金をしてまで金をばらまいているのに貧しいながらも生きているとのことです。当然おかしいと思ったその方は調べました、何故そのような事が出来るのかと・・・そうしたら答えは見つかりました」
「タトリン夫妻に借金をさせるよう人を使い、その借金の為の金融機関を取り仕切っている大元と大詠師が繋がっているという答えをね」
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「い、いや・・・も、もうやめて・・・」
‘ドムッ!’
「ごっ・・・!」
「・・・さあもう一度言ってみろ。劣化した人間モドキだと、導師にな」
改めて同じように言えと告げる比古清十郎にアニスは見上げながら腫れた顔でやめてくれと涙を流しながら懇願するが、求めている答えではない事に比古清十郎は瞬時に腹を蹴り苦悶の声を更に上げさせると再三同じ言葉で命令する・・・その声には一切情けどころか、感情すらない。
「・・・程々にしておいてください、アニスにはまだ我々マルクトからも聞かねばならないことがあるんですからね」
「・・・だったら今言え。こいつがあまりにも物分かりが悪いから、そろそろ刀を抜いてもいいかと思っているところだ」
「っ!」
そんな様子にジェイドがホンに仕方がないといった様子で制止をかけてくるが、わかりやすく不機嫌だという声色に変わった声と後一歩で血の池が作られただろう内容にアニスは一気に痛みを忘れたよう顔がひきつり息も止まる。
「・・・どうやら譲歩する気はないようですね。ならば先に私から質問させていただきましょうか、アニス」
「・・・貴女の両親は大詠師に何か借りを作ったりしていませんか?」
「!!」
・・・だがそうやって仕方なさそうだったジェイドが一気に声色を一気に冷たく落とし、自身を厳しい視線で射抜くよう見据えた姿を見てアニスはビクッと反応し一気に脂汗をかきだした。
「・・・ほう、どうやら少しは聞くに値する情報のようだな。ならば・・・」
‘ドスッ!’
「少しは静かにしておいてやろう」
「・・・っ!」
そんなあからさまな動揺を比古清十郎は見逃さなかった。比古清十郎は話を聞くと言いつつも刀をアニスの首元の横に突き立てるよう通路に突き刺し、逃げ出そうとしたらいつでも首を落とせる位置につける・・・これでアニスは生半可な事では逃げることは出来るはずがない。
「ジェイド、貴方は何を・・・」
「いえいえ、先程も言った親切な方からその情報も共にいただいていたのですよ・・・そしてその情報はこれは貴方も聞かなければならない情報です、拒絶は許しません」
「・・・っ!」
イオンはたまらず声を上げるが話を止める気のないジェイドは容赦のない声で反論を圧殺し、話を続けていく。
「・・・アニスの両親のタトリン夫妻は敬虔なローレライ教団員、それはタトリン夫妻を知る者であれば常識的な事だそうです。ただそれだけならどこにでもいそうな人間、そう思えるでしょう。ですがこの夫妻にはそれ以上にある特徴がまことしやかにある人間達の間で囁かれています・・・その特徴とは事実をろくに確かめもせず、金を獲られたとわかっても怒りもせず性懲りもなく金を使ってしまう事だそうです」
「なっ・・・!?」
「っ・・・!」
・・・まるで見てきたかのようタトリン夫妻のしてきたことを話すジェイドにイオンは絶句するが、アニスは言葉すら発せず青い顔色のまま小さく刀を降り下ろされないよう首を横に振る。
「当然そんなことが続けばろくでなしがタトリン夫妻を絞り尽くそうとするのは必然で、あっという間に借金生活で首をくくるしかない程に経済状況が悪くなるのも必然の展開・・・のはずなのに、タトリン夫妻は他から借金をしてまで金をばらまいているのに貧しいながらも生きているとのことです。当然おかしいと思ったその方は調べました、何故そのような事が出来るのかと・・・そうしたら答えは見つかりました」
「タトリン夫妻に借金をさせるよう人を使い、その借金の為の金融機関を取り仕切っている大元と大詠師が繋がっているという答えをね」
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