時代と焔の守り手は龍の剣 第九話
「こ、これは一体!?」
「皆さんは下がっていて下さい!ヴァン謡将はこの場で私も含め、皆さんを殺すつもりです!」
「「「「!?」」」」
その光景にたまらずキムラスカの兵士が状況を掴めず叫ぶが、セカンから自身らもヴァンのターゲットと言われ兵士達は驚き固まってしまう。
「・・・ほう、どうやらお前一人で私を倒す気でいるようだが・・・やれると思うか、この私を?」
「・・・やらねばならない、だからやる。それだけです!」
兵士達が動けない様子を見てヴァンは不敵に嘲る笑みを見せ挑発するが、セカンは強い意思を持って返すと一足飛びで横薙ぎに刀を振り抜く。
‘キィンッ!’
「っ・・・かなりの早さだが、甘いっ!」
‘キンッ!’
「くっ・・・!」
その刀を受け止めたヴァンは一つ間を空け剣を振り払うよう押し返すと、セカンは吹っ飛ばされつつも宙返りをしながら体勢を整える。
(あまり時間をかけていられん、これで片付けてやる!)
その姿にヴァンは剣を肩の上に引き上げ両手で持ち、タメの姿勢を作る。
「・・・光龍槍!」
そこからヴァンは剣を突きだすと、剣の先から光の槍が一直線に着地したセカンを狙って飛び出る。
・・・ヴァンはその時点で少なくともセカンの重傷を確信して、笑みを浮かべていた。だがその確信は覆された。
‘トンッ!トッ!’
「何!?」
・・・着地したばかりのセカンは光龍槍を避けるよう左にすぐさま飛び、そこからまたヴァンの前へと距離を詰める。必殺のタイミングを逸した、そのことにヴァンは驚愕を感じずにはいられなかった。
(なんという身のこなしだ・・・!とは言え、レプリカ程度になど遅れは取らん!)
その瞬時に素直に動きの鋭い事には感嘆を送っていたが、それでも嘲りからくる侮りはヴァンは捨てきれてはいなかった・・・自身の方が優れているという。
(・・・何・・・刀を納めている?)
・・・その慢心がセカンがいつの間にか納刀しているという事実に気付かせる時間を遅らせた。
(抜刀術か?ふん。たかが抜刀術程度、受け止めて・・・)
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
‘ダンッ!’
「なっ・・・!?」
‘ズバッ!ボトッ、ブシュウゥゥゥッ!’
・・・せめて通常の状態のヴァンであったなら、まだその抜刀された刀を‘一度は’受け止める事が出来ただろう。だが侮りを捨てれなかった上にセカンの壮烈な想いのこもった超神速の抜刀術に、ヴァンは防御することも出来ず・・・セカンにその右腕を持っていた剣と共に、肩の方から切り落とされてしまった。
「「「「!?」」」」
「うっ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
その光景から周りにいた兵士が更なる驚きに包まれるが、一番驚きを隠せず同時に右腕を切り落とされた事実に痛みの声を隠せなかったのはヴァンだった。たまらず左手を肩に当て苦悶の表情になるその姿に、抜刀術の勢いからヴァンの後ろに回ったセカンは振り返るとすぐさま手元からあるものを取り出し・・・
‘キュイィィィン!’
「がっ・・・!?」
ヴァンの頭の上に投げると、その物体はヴァンを包み込むよう光を放った。その直後にヴァンはまた苦しみの声を上げた。
‘・・・ボトッ’
そして物体が効力をなくしたと言わんばかりに地面に落ちると、ヴァンはようやくセカンの方に苦々しくも敵意を混ぜたような表情になりながら振り返る。
「貴様、どこで封印術を手に入れた・・・!?」
・・・そこにはもう謡将としての顔を取り繕ったヴァンはいなかった。ただそこにいたのは、生の感情で辛そうにしながらも荒々しく声を上げるヴァンだった。
「・・・これは貴方の配下のラルゴが落とした物を私が拝借したものです」
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「皆さんは下がっていて下さい!ヴァン謡将はこの場で私も含め、皆さんを殺すつもりです!」
「「「「!?」」」」
その光景にたまらずキムラスカの兵士が状況を掴めず叫ぶが、セカンから自身らもヴァンのターゲットと言われ兵士達は驚き固まってしまう。
「・・・ほう、どうやらお前一人で私を倒す気でいるようだが・・・やれると思うか、この私を?」
「・・・やらねばならない、だからやる。それだけです!」
兵士達が動けない様子を見てヴァンは不敵に嘲る笑みを見せ挑発するが、セカンは強い意思を持って返すと一足飛びで横薙ぎに刀を振り抜く。
‘キィンッ!’
「っ・・・かなりの早さだが、甘いっ!」
‘キンッ!’
「くっ・・・!」
その刀を受け止めたヴァンは一つ間を空け剣を振り払うよう押し返すと、セカンは吹っ飛ばされつつも宙返りをしながら体勢を整える。
(あまり時間をかけていられん、これで片付けてやる!)
その姿にヴァンは剣を肩の上に引き上げ両手で持ち、タメの姿勢を作る。
「・・・光龍槍!」
そこからヴァンは剣を突きだすと、剣の先から光の槍が一直線に着地したセカンを狙って飛び出る。
・・・ヴァンはその時点で少なくともセカンの重傷を確信して、笑みを浮かべていた。だがその確信は覆された。
‘トンッ!トッ!’
「何!?」
・・・着地したばかりのセカンは光龍槍を避けるよう左にすぐさま飛び、そこからまたヴァンの前へと距離を詰める。必殺のタイミングを逸した、そのことにヴァンは驚愕を感じずにはいられなかった。
(なんという身のこなしだ・・・!とは言え、レプリカ程度になど遅れは取らん!)
その瞬時に素直に動きの鋭い事には感嘆を送っていたが、それでも嘲りからくる侮りはヴァンは捨てきれてはいなかった・・・自身の方が優れているという。
(・・・何・・・刀を納めている?)
・・・その慢心がセカンがいつの間にか納刀しているという事実に気付かせる時間を遅らせた。
(抜刀術か?ふん。たかが抜刀術程度、受け止めて・・・)
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
‘ダンッ!’
「なっ・・・!?」
‘ズバッ!ボトッ、ブシュウゥゥゥッ!’
・・・せめて通常の状態のヴァンであったなら、まだその抜刀された刀を‘一度は’受け止める事が出来ただろう。だが侮りを捨てれなかった上にセカンの壮烈な想いのこもった超神速の抜刀術に、ヴァンは防御することも出来ず・・・セカンにその右腕を持っていた剣と共に、肩の方から切り落とされてしまった。
「「「「!?」」」」
「うっ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!」
その光景から周りにいた兵士が更なる驚きに包まれるが、一番驚きを隠せず同時に右腕を切り落とされた事実に痛みの声を隠せなかったのはヴァンだった。たまらず左手を肩に当て苦悶の表情になるその姿に、抜刀術の勢いからヴァンの後ろに回ったセカンは振り返るとすぐさま手元からあるものを取り出し・・・
‘キュイィィィン!’
「がっ・・・!?」
ヴァンの頭の上に投げると、その物体はヴァンを包み込むよう光を放った。その直後にヴァンはまた苦しみの声を上げた。
‘・・・ボトッ’
そして物体が効力をなくしたと言わんばかりに地面に落ちると、ヴァンはようやくセカンの方に苦々しくも敵意を混ぜたような表情になりながら振り返る。
「貴様、どこで封印術を手に入れた・・・!?」
・・・そこにはもう謡将としての顔を取り繕ったヴァンはいなかった。ただそこにいたのは、生の感情で辛そうにしながらも荒々しく声を上げるヴァンだった。
「・・・これは貴方の配下のラルゴが落とした物を私が拝借したものです」
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