時代と焔の守り手は龍の剣 第九話
「・・・まぁこの資料についてはあくまで大詠師が権限を握っているという説明の為に出したものですので、今はしまっておきましょう」
「・・・ほっ」
そこから資料をしまうジェイドに小さく安堵の声を出すアニスだが、あくまで‘今’と付けられた事を気付けない辺り甘いと言える・・・決定的な情報は既に握られているとも知らず。
「ただ、今重要なのはそのように神託の盾の妨害が行われているという事実で・・・六神将との繋がりを否定したヴァン謡将が、キムラスカの兵士の方々を襲ったという点です」
「え・・・?」
・・・そんな様子に、そんな甘さでは到底対応しきれないヴァンが起こした暴挙をジェイドは口にする。
「・・・ど、どういうことですかジェイド・・・ヴァンがキムラスカの兵士の方々を襲ったなど・・・」
「言葉通りですよ、ヴァン謡将はアクゼリュスに着いた後付いてきたキムラスカの兵士の方々を襲ったとのことです・・・これは先にアクゼリュスに来ていたセカンから聞いた事、ですがね」
「え・・・?」
「・・・」
たまらずその言葉の確認を取るイオンだが、セカンが見たことだと返されセカンに視線を向ける。そこには目を閉じながらただ佇み何も言わないセカン。
「嘘、ですよね?セカン・・・」
「嘘などではありません、本当の事です」
「・・・っ!」
イオンはジェイドの言葉を否定してくれと願った声をかけるが、セカンは静かだが確かな力がこもった声で開眼しながら答える。
「今は謡将は別の部屋に見張りをつけて捕縛しております・・・案内しますので、付いてきていただきますよ。是非ともヴァン謡将自身からお話を伺っていただきたいのでね・・・丁重にお連れしろ」
「はっ!」
「「・・・!」」
その声を引き継ぎジェイドは近くにいた兵士に指示を出しつつ自身達も向かうことにする、ヴァンの捕らえられている部屋の前へと・・・
・・・そしてヴァンの捕らえてあるジェイド達が以前六神将により捕らえられた部屋と同じ作りをした牢の前にジェイド達は到着する。
「ヴァン・・・!?貴方、その姿は・・・!?」
「・・・導師ですか、お久しぶりですね」
その牢の中にいるヴァンを見てすぐにイオンはその姿に驚愕する。
「右腕が、ない・・・!?」
・・・そう、ベッドに腰掛けながらイオンに形だけ取り繕った返事をしたヴァンには右腕がなかった。肩から先を包帯で巻き傷口を塞いでいるその姿はイオンの衝撃を誘うには十分過ぎる物だった。
「ヴァン、貴方は何故そのようなことになって・・・!?」
「・・・どうやら導師の様子からして、事の成り行きは話していないようだな・・・」
「我々の口からでは貴方に非があると認めてくれないと判断したからですよ」
「ふ・・・成程な」
動揺を隠せないイオンにヴァンとジェイドは壁を取り払ったかのように、イオンの事に対しての理解という共通点で気安く話す・・・あくまで理解しない導師の事を理解しての気安さである、そこには真の仲間意識はない。
「ではヴァン謡将、話していただけますか?貴方がアクゼリュスに来てから何を起こそうとし、何が起こったのかをね」
「・・・いいだろう、どうせこのような状態だ。それに私の目論見もとうに見抜かれている、今更隠すような事でもない・・・」
「「・・・っ!?」」
そこからジェイドの問いかけにヴァンは諦めたような笑みを浮かべ話すと宣言するが、初めて見るその表情にイオンとアニスの二人は驚愕に目を見開く。
だがその程度で今更この流れが止まる訳もない、ヴァンはゆっくりとその時の事を話し出す・・・
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「・・・ほっ」
そこから資料をしまうジェイドに小さく安堵の声を出すアニスだが、あくまで‘今’と付けられた事を気付けない辺り甘いと言える・・・決定的な情報は既に握られているとも知らず。
「ただ、今重要なのはそのように神託の盾の妨害が行われているという事実で・・・六神将との繋がりを否定したヴァン謡将が、キムラスカの兵士の方々を襲ったという点です」
「え・・・?」
・・・そんな様子に、そんな甘さでは到底対応しきれないヴァンが起こした暴挙をジェイドは口にする。
「・・・ど、どういうことですかジェイド・・・ヴァンがキムラスカの兵士の方々を襲ったなど・・・」
「言葉通りですよ、ヴァン謡将はアクゼリュスに着いた後付いてきたキムラスカの兵士の方々を襲ったとのことです・・・これは先にアクゼリュスに来ていたセカンから聞いた事、ですがね」
「え・・・?」
「・・・」
たまらずその言葉の確認を取るイオンだが、セカンが見たことだと返されセカンに視線を向ける。そこには目を閉じながらただ佇み何も言わないセカン。
「嘘、ですよね?セカン・・・」
「嘘などではありません、本当の事です」
「・・・っ!」
イオンはジェイドの言葉を否定してくれと願った声をかけるが、セカンは静かだが確かな力がこもった声で開眼しながら答える。
「今は謡将は別の部屋に見張りをつけて捕縛しております・・・案内しますので、付いてきていただきますよ。是非ともヴァン謡将自身からお話を伺っていただきたいのでね・・・丁重にお連れしろ」
「はっ!」
「「・・・!」」
その声を引き継ぎジェイドは近くにいた兵士に指示を出しつつ自身達も向かうことにする、ヴァンの捕らえられている部屋の前へと・・・
・・・そしてヴァンの捕らえてあるジェイド達が以前六神将により捕らえられた部屋と同じ作りをした牢の前にジェイド達は到着する。
「ヴァン・・・!?貴方、その姿は・・・!?」
「・・・導師ですか、お久しぶりですね」
その牢の中にいるヴァンを見てすぐにイオンはその姿に驚愕する。
「右腕が、ない・・・!?」
・・・そう、ベッドに腰掛けながらイオンに形だけ取り繕った返事をしたヴァンには右腕がなかった。肩から先を包帯で巻き傷口を塞いでいるその姿はイオンの衝撃を誘うには十分過ぎる物だった。
「ヴァン、貴方は何故そのようなことになって・・・!?」
「・・・どうやら導師の様子からして、事の成り行きは話していないようだな・・・」
「我々の口からでは貴方に非があると認めてくれないと判断したからですよ」
「ふ・・・成程な」
動揺を隠せないイオンにヴァンとジェイドは壁を取り払ったかのように、イオンの事に対しての理解という共通点で気安く話す・・・あくまで理解しない導師の事を理解しての気安さである、そこには真の仲間意識はない。
「ではヴァン謡将、話していただけますか?貴方がアクゼリュスに来てから何を起こそうとし、何が起こったのかをね」
「・・・いいだろう、どうせこのような状態だ。それに私の目論見もとうに見抜かれている、今更隠すような事でもない・・・」
「「・・・っ!?」」
そこからジェイドの問いかけにヴァンは諦めたような笑みを浮かべ話すと宣言するが、初めて見るその表情にイオンとアニスの二人は驚愕に目を見開く。
だがその程度で今更この流れが止まる訳もない、ヴァンはゆっくりとその時の事を話し出す・・・
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