時代と焔の守り手は龍の剣 第八話
「ここに俺が来たのがお前の運のツキだ、覚悟して剣を納めろ。一瞬で終わらせてやる」
「なっ、何を・・・!」
比古清十郎の迫力に圧されたアッシュだが、かなり上から見た自身をナメている声になんとか気持ちを奮い立たせ立ち向かおうとする。
‘ブン!キィンッ!’
「!くぅッ・・・!」
だがそんな精一杯の虚勢を見せる様子に構わず比古清十郎は刀を振り、アッシュはなんとか剣で受け止めるが力負けしてるのがわかるようどんどんと押されていく。
「・・・何を持ってお前が六神将になったかは知らんが、この程度で調子に乗られてもうざったいだけだ。とっとと諦めて今死ね」
「っ・・・!」
刀を押し付けていく中で比古清十郎は怒りすらこもった静かな目付きで本気の意味での殺し文句を露にし、アッシュはたまらず顔をひきつらせる・・・恐らくアッシュは感じているのだろう、自身が本当に殺されるかもしれないという感覚を最大に。
‘トッ’
と、ふと比古清十郎は刀から力を抜いて後ろに後退するよう飛ぶ。
「・・・」
そして比古清十郎は改めて剣を構え直し、アッシュを殺そうと自身の一番得意とする技を出そうと意識を集中させる。
「待ちな!その手を止めなきゃ今すぐここを爆発するよ!・・・ゲホッ、ゴホッ・・・」
「・・・何?」
だが技が放たれるかと思われた寸前、シンクが咳き込みながらも立ち上がって大声を上げ比古清十郎の動きを止める。
「アンタの目的は導師なんだろ?そっちに渡すからさっさとここから撤退しなよ、じゃないと僕らと一緒にアンタも土の下に埋まる事になるよ」
「・・・」
その声の方に視線を向けるとシンクは単なる脅しなどではないといったような思いを込めた声で言い、比古清十郎は少し黙りこむ。
(・・・俺の目的は導師ではなく、アッシュを殺す事だったが今この場で死んでも何にもならんな・・・ここはこの小僧の口車に乗ってやるか・・・向こうもアッシュを守る為にやむを得ん判断をしているのだろうが、セフィロトの入口でもあるここを爆破するような仕掛けをしているとも思えん。だが可能性は低いがもしものことを考えると、最悪砂の下か・・・気に食わんな)
表面上はいつもの無愛想な顔ながらも、内心はこの場でアッシュの始末をつけられなかった事に一層不機嫌な気持ちになっていた。
「・・・まぁいいだろう。だが俺達が先にここから撤退する。お前達は間を空けてからここを出ろ、下手に後ろから付いてくれば砂の下に埋もれようが・・・斬って捨てるぞ」
「っ・・・わかってるよ・・・ホラ、行きな」
そのシンクの脅しにさりげなく威圧を織り交ぜ比古清十郎は了承を返し、シンクは少し圧されたよう間をあけイオンを送り出す。
「・・・すみません、カクノシンさん。僕の為にわざわざ・・・」
「・・・礼などいい、早くここを出るぞ。もうこの場に用はない」
「・・・はい」
比古清十郎の近くに来たイオンは申し訳なさそうに謝ってくるが、愛想を振り撒く気など機嫌が悪い事もあり全くない。簡潔に出るぞと言われ、イオンはただ頷く以外に出来ずさっさと先を歩き出した比古清十郎の後ろをアニスとともに付いていった。
・・・そしてその場には腹辺りを押さえて激痛をこらえるラルゴにシンクと、やり場のない感情を顔に盛大に浮かべるアッシュばかりであった・・・
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「なっ、何を・・・!」
比古清十郎の迫力に圧されたアッシュだが、かなり上から見た自身をナメている声になんとか気持ちを奮い立たせ立ち向かおうとする。
‘ブン!キィンッ!’
「!くぅッ・・・!」
だがそんな精一杯の虚勢を見せる様子に構わず比古清十郎は刀を振り、アッシュはなんとか剣で受け止めるが力負けしてるのがわかるようどんどんと押されていく。
「・・・何を持ってお前が六神将になったかは知らんが、この程度で調子に乗られてもうざったいだけだ。とっとと諦めて今死ね」
「っ・・・!」
刀を押し付けていく中で比古清十郎は怒りすらこもった静かな目付きで本気の意味での殺し文句を露にし、アッシュはたまらず顔をひきつらせる・・・恐らくアッシュは感じているのだろう、自身が本当に殺されるかもしれないという感覚を最大に。
‘トッ’
と、ふと比古清十郎は刀から力を抜いて後ろに後退するよう飛ぶ。
「・・・」
そして比古清十郎は改めて剣を構え直し、アッシュを殺そうと自身の一番得意とする技を出そうと意識を集中させる。
「待ちな!その手を止めなきゃ今すぐここを爆発するよ!・・・ゲホッ、ゴホッ・・・」
「・・・何?」
だが技が放たれるかと思われた寸前、シンクが咳き込みながらも立ち上がって大声を上げ比古清十郎の動きを止める。
「アンタの目的は導師なんだろ?そっちに渡すからさっさとここから撤退しなよ、じゃないと僕らと一緒にアンタも土の下に埋まる事になるよ」
「・・・」
その声の方に視線を向けるとシンクは単なる脅しなどではないといったような思いを込めた声で言い、比古清十郎は少し黙りこむ。
(・・・俺の目的は導師ではなく、アッシュを殺す事だったが今この場で死んでも何にもならんな・・・ここはこの小僧の口車に乗ってやるか・・・向こうもアッシュを守る為にやむを得ん判断をしているのだろうが、セフィロトの入口でもあるここを爆破するような仕掛けをしているとも思えん。だが可能性は低いがもしものことを考えると、最悪砂の下か・・・気に食わんな)
表面上はいつもの無愛想な顔ながらも、内心はこの場でアッシュの始末をつけられなかった事に一層不機嫌な気持ちになっていた。
「・・・まぁいいだろう。だが俺達が先にここから撤退する。お前達は間を空けてからここを出ろ、下手に後ろから付いてくれば砂の下に埋もれようが・・・斬って捨てるぞ」
「っ・・・わかってるよ・・・ホラ、行きな」
そのシンクの脅しにさりげなく威圧を織り交ぜ比古清十郎は了承を返し、シンクは少し圧されたよう間をあけイオンを送り出す。
「・・・すみません、カクノシンさん。僕の為にわざわざ・・・」
「・・・礼などいい、早くここを出るぞ。もうこの場に用はない」
「・・・はい」
比古清十郎の近くに来たイオンは申し訳なさそうに謝ってくるが、愛想を振り撒く気など機嫌が悪い事もあり全くない。簡潔に出るぞと言われ、イオンはただ頷く以外に出来ずさっさと先を歩き出した比古清十郎の後ろをアニスとともに付いていった。
・・・そしてその場には腹辺りを押さえて激痛をこらえるラルゴにシンクと、やり場のない感情を顔に盛大に浮かべるアッシュばかりであった・・・
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