時代と焔の守り手は龍の剣 第八話
「何を言ってるの、イオン様の身に何かあればそれは和平に影響するのよ」
「どこがだ。聞いた話によればバチカルにて神託の盾の指示の下、導師はさらわれたのだろう。この問題にマルクトは一片たりとも関わっていない。そのような状況でキムラスカとダアトならともかく、キムラスカとマルクトの間に問題など起こらんだろう。少なくともマルクトに非はない・・・違うか?」
「うっ・・・そ、それは・・・」
その声にティアは理解出来ないのかと言う声を向けるが、比古清十郎はそれを容易に上回る理解力の無さを馬鹿にする事実を添えティアをあっという間にたじろがせる。
「ふぅ・・・お前は?」
「え、あ、俺は・・・その、導師が捕まったと聞いたから助けに行くべきだろうと思って・・・」
「・・・それこそ話にならんな。何を言っている、貴様は?」
「っ・・・!」
ティアをあっさり一蹴した比古清十郎は今度はガイに鋭い視線を送り、ガイは戸惑いながらもものすごい個人的な感情での理由を述べる。その声に比古清十郎は心底からガイを見下した冷えた声を送り、ガイの体を震え上がらせる。
「そこの小娘にも言えることだがそのアクゼリュスの救援は世界を二つに分かつ国と国を結ばせる、世界にとって重要な儀式だ。アクゼリュス救援が成功するか否か、それで平和か戦争かと言う節目を決めるようなな・・・そんな儀式に貴様らは個人的な感情を持ち出した。一刻も早くアクゼリュス救援を成さねば障気で住民が息絶え、人命救助が出来なくなる状況になるやもしれんのにだ」
「「!!」」
まずはどれだけ自分達の立場に責任があるか、そしてその上で自分達の行動の結果がどうなるのか。それらを正確に突いた比古清十郎の言葉に、ガイとティアの二人は一気に顔を青ざめさせる。
「だと言うのに貴様らは何を優先しようとした?導師の身柄を確保したら今アクゼリュスで苦しんでいる人々の容態が全て回復するとでも言うのか?導師を救出するためにここに来るのが遅かったとでも人々に言うつもりか?・・・救いようがないな。お前達は今も苦しむ人々を放っておき、導師一人の方が大事だといってのけたのだぞ」
「それ、は・・・言葉を返しようが、ない・・・」
その上で更に続けた比古清十郎の冷めきった人の情と常識を疑う声に、ガイは下を向きながら視線をさ迷わせつつ反論を返せないと言う・・・まぁ勢いだけでというのはピッタリあてはまっているので、返す言葉もないというのは当然だろう。
「でも・・・イオン様をさらったのは六神将よ・・・アニスだけじゃ危険だと思ったから私も行こうと、思って・・・」
「・・・」
だがティアは自分の言い分も聞いてほしいと、力ない声で六神将がいたのだからと言い出す。
(・・・チッ、ここでこのクソガキに非があると言い出せばその分また無駄に時間を取る事になる・・・そうなればセカンに負担を大きくかけることになるな・・・)
その言い分をぶちのめすのは簡単、だがこれ以上時間を取るのは砂漠にいたくないのもあるが目論見に大きなズレを生じさせてしまうと比古清十郎は感じる。
(・・・とは言えこれはいい機会かもしれんな、逆にこれはうまく利用するか・・・)
だがこの状態にイラついていても仕方ないと考え方を変えた比古清十郎はある案を思いつく。
「・・・チッ、仕方ない。なら俺が導師の救出に行ってやる」
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「どこがだ。聞いた話によればバチカルにて神託の盾の指示の下、導師はさらわれたのだろう。この問題にマルクトは一片たりとも関わっていない。そのような状況でキムラスカとダアトならともかく、キムラスカとマルクトの間に問題など起こらんだろう。少なくともマルクトに非はない・・・違うか?」
「うっ・・・そ、それは・・・」
その声にティアは理解出来ないのかと言う声を向けるが、比古清十郎はそれを容易に上回る理解力の無さを馬鹿にする事実を添えティアをあっという間にたじろがせる。
「ふぅ・・・お前は?」
「え、あ、俺は・・・その、導師が捕まったと聞いたから助けに行くべきだろうと思って・・・」
「・・・それこそ話にならんな。何を言っている、貴様は?」
「っ・・・!」
ティアをあっさり一蹴した比古清十郎は今度はガイに鋭い視線を送り、ガイは戸惑いながらもものすごい個人的な感情での理由を述べる。その声に比古清十郎は心底からガイを見下した冷えた声を送り、ガイの体を震え上がらせる。
「そこの小娘にも言えることだがそのアクゼリュスの救援は世界を二つに分かつ国と国を結ばせる、世界にとって重要な儀式だ。アクゼリュス救援が成功するか否か、それで平和か戦争かと言う節目を決めるようなな・・・そんな儀式に貴様らは個人的な感情を持ち出した。一刻も早くアクゼリュス救援を成さねば障気で住民が息絶え、人命救助が出来なくなる状況になるやもしれんのにだ」
「「!!」」
まずはどれだけ自分達の立場に責任があるか、そしてその上で自分達の行動の結果がどうなるのか。それらを正確に突いた比古清十郎の言葉に、ガイとティアの二人は一気に顔を青ざめさせる。
「だと言うのに貴様らは何を優先しようとした?導師の身柄を確保したら今アクゼリュスで苦しんでいる人々の容態が全て回復するとでも言うのか?導師を救出するためにここに来るのが遅かったとでも人々に言うつもりか?・・・救いようがないな。お前達は今も苦しむ人々を放っておき、導師一人の方が大事だといってのけたのだぞ」
「それ、は・・・言葉を返しようが、ない・・・」
その上で更に続けた比古清十郎の冷めきった人の情と常識を疑う声に、ガイは下を向きながら視線をさ迷わせつつ反論を返せないと言う・・・まぁ勢いだけでというのはピッタリあてはまっているので、返す言葉もないというのは当然だろう。
「でも・・・イオン様をさらったのは六神将よ・・・アニスだけじゃ危険だと思ったから私も行こうと、思って・・・」
「・・・」
だがティアは自分の言い分も聞いてほしいと、力ない声で六神将がいたのだからと言い出す。
(・・・チッ、ここでこのクソガキに非があると言い出せばその分また無駄に時間を取る事になる・・・そうなればセカンに負担を大きくかけることになるな・・・)
その言い分をぶちのめすのは簡単、だがこれ以上時間を取るのは砂漠にいたくないのもあるが目論見に大きなズレを生じさせてしまうと比古清十郎は感じる。
(・・・とは言えこれはいい機会かもしれんな、逆にこれはうまく利用するか・・・)
だがこの状態にイラついていても仕方ないと考え方を変えた比古清十郎はある案を思いつく。
「・・・チッ、仕方ない。なら俺が導師の救出に行ってやる」
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