時代と焔の守り手は龍の剣 第八話
「・・・承知の上の失礼で聞くが、今この場にいるのはナタリア王女としてか?それともただ和平に協力したいと思いここに来たナタリア一個人としてか?」
「・・・それはどういう意味でしょうか?」
・・・自分の問いの意味を心底理解していない、居丈高な態度で腕を組み質問を質問で返すナタリアに比古清十郎は仕方なく更に分かりやすい言葉でその意味を告げる。
「今この場にいるのは立場があってのことかと聞いているのだ。今の王女殿下は国王陛下の意に背いた上でここにいる、すなわちここではナタリア王女はただ勝手に付いてきたと言う認識に俺はなっているのだが・・・それを踏まえた上で尚王女として振る舞うのか、立場など関係ない一個人として振る舞い手柄になど興味を寄せず和平にただ尽力するのかと聞いているのだ」
「何を言っているのですか、先程も言いましたように私は敵国との和平に王女の私が向かわなくてどうするのかと!」
「そのようなことを言うから俺はこのようなことを言っているのだ。国王陛下の意に背いた王女、だと認めただろう。例え後で自身で国王を説き伏せる気でいようが何でいようが、だ。マルクトはアクゼリュスを救ってくれる親善大使の代表はルークと言う事で話は通っている、そうだな?」
「・・・えぇそうですね、私がマルクトに出した手紙には王女殿下は来られるとは一言も述べてはおりません」
比古清十郎の静かな怒りを秘めた問いかけにナタリアは激しく返すが、比古清十郎は唐突にジェイドに話を振る。ジェイドはその意図を察したのか、丁寧にマルクトはナタリアがマルクトに来ることなど知らないと眼鏡を手で上げながら告げる。
「もし仮に、だ。アクゼリュス救出が無事になったとし、それをやり終えたと報告をしに相手方のマルクトの首都グランコクマに行ったとしよう。その時お前は声高々と言うのか?自分はキムラスカ王女、ナタリアだと?」
「そう言わずしてなんと言うのですか!?回りくどい事など言わずに本音を言いなさい!」
「ならば言おう。ハッキリ言えばそれはマルクトにとってもキムラスカにとってもただの迷惑以外の何物でもない行為だ」
「なっ・・・!?何を持ってそのような事を!?」
・・・比古清十郎の声に初めてナタリアは動揺した声を上げる。流石にそうだろう、個人が嫌だと言うのとはレベルが違う国が嫌だと言うのを言われるのは。
「マルクトがそのような事を言われれば、まず何故王女が来訪したのかと驚くだろう。当然だ、何も知らされてないのだからな。更に王女がアクゼリュス救出に来た経緯をマルクトが知ればマルクトはこう判断するだろう、キムラスカは王女のわがまま1つ止められん王女に対し及び腰な国で内部がまとまってない国だとな・・・まぁこれはあくまでも一例だが、どちらにせよ王女が容易に城を王の許しも無しに出た事実を知ればマルクトがキムラスカを侮る一因となるだろう・・・と同時に、マルクトはその王女殿下の神経を疑いを持つだろうな。何故王の言った事を容易に否定した行動を取るのかと」
「なっ・・・!?」
「現にジェイドはそう思っている・・・違うか?」
「・・・はい、そうですね」
「「ジェイド(旦那)!?」」
比古清十郎は説明をしながらもジェイドに再び話を振り、その問いに肯定をする。その返答に驚きを隠せないのはナタリアとガイ。
「言っておきますが、私はあくまでもキムラスカの臣下ではない故にナタリア殿下を必要以上にお止めしなかっただけです。ただ実際の所、私から見てもマルクトから見ても殿下の行動は迷惑以外の何物でもありません」
「・・・っ!」
今までの皮肉混じりの指摘とは一線を画するジェイドの冷たい言葉に、ナタリアは信じられないと言った目で唖然とジェイドを見る。だがジェイドの声はまだ止まらない。
.
「・・・それはどういう意味でしょうか?」
・・・自分の問いの意味を心底理解していない、居丈高な態度で腕を組み質問を質問で返すナタリアに比古清十郎は仕方なく更に分かりやすい言葉でその意味を告げる。
「今この場にいるのは立場があってのことかと聞いているのだ。今の王女殿下は国王陛下の意に背いた上でここにいる、すなわちここではナタリア王女はただ勝手に付いてきたと言う認識に俺はなっているのだが・・・それを踏まえた上で尚王女として振る舞うのか、立場など関係ない一個人として振る舞い手柄になど興味を寄せず和平にただ尽力するのかと聞いているのだ」
「何を言っているのですか、先程も言いましたように私は敵国との和平に王女の私が向かわなくてどうするのかと!」
「そのようなことを言うから俺はこのようなことを言っているのだ。国王陛下の意に背いた王女、だと認めただろう。例え後で自身で国王を説き伏せる気でいようが何でいようが、だ。マルクトはアクゼリュスを救ってくれる親善大使の代表はルークと言う事で話は通っている、そうだな?」
「・・・えぇそうですね、私がマルクトに出した手紙には王女殿下は来られるとは一言も述べてはおりません」
比古清十郎の静かな怒りを秘めた問いかけにナタリアは激しく返すが、比古清十郎は唐突にジェイドに話を振る。ジェイドはその意図を察したのか、丁寧にマルクトはナタリアがマルクトに来ることなど知らないと眼鏡を手で上げながら告げる。
「もし仮に、だ。アクゼリュス救出が無事になったとし、それをやり終えたと報告をしに相手方のマルクトの首都グランコクマに行ったとしよう。その時お前は声高々と言うのか?自分はキムラスカ王女、ナタリアだと?」
「そう言わずしてなんと言うのですか!?回りくどい事など言わずに本音を言いなさい!」
「ならば言おう。ハッキリ言えばそれはマルクトにとってもキムラスカにとってもただの迷惑以外の何物でもない行為だ」
「なっ・・・!?何を持ってそのような事を!?」
・・・比古清十郎の声に初めてナタリアは動揺した声を上げる。流石にそうだろう、個人が嫌だと言うのとはレベルが違う国が嫌だと言うのを言われるのは。
「マルクトがそのような事を言われれば、まず何故王女が来訪したのかと驚くだろう。当然だ、何も知らされてないのだからな。更に王女がアクゼリュス救出に来た経緯をマルクトが知ればマルクトはこう判断するだろう、キムラスカは王女のわがまま1つ止められん王女に対し及び腰な国で内部がまとまってない国だとな・・・まぁこれはあくまでも一例だが、どちらにせよ王女が容易に城を王の許しも無しに出た事実を知ればマルクトがキムラスカを侮る一因となるだろう・・・と同時に、マルクトはその王女殿下の神経を疑いを持つだろうな。何故王の言った事を容易に否定した行動を取るのかと」
「なっ・・・!?」
「現にジェイドはそう思っている・・・違うか?」
「・・・はい、そうですね」
「「ジェイド(旦那)!?」」
比古清十郎は説明をしながらもジェイドに再び話を振り、その問いに肯定をする。その返答に驚きを隠せないのはナタリアとガイ。
「言っておきますが、私はあくまでもキムラスカの臣下ではない故にナタリア殿下を必要以上にお止めしなかっただけです。ただ実際の所、私から見てもマルクトから見ても殿下の行動は迷惑以外の何物でもありません」
「・・・っ!」
今までの皮肉混じりの指摘とは一線を画するジェイドの冷たい言葉に、ナタリアは信じられないと言った目で唖然とジェイドを見る。だがジェイドの声はまだ止まらない。
.