焔と渦巻く忍法帖 第九話
「・・・って訳だよ」
「・・・にわかには信じられませんね」
ルークの説明終わりにディストが一言。
「けどルークが事情を知ってるのは事実、否定出来る材料なんて無いんだよ」
そのディストの言葉に信じている訳ではないが、否定する要素もないのでとりわけ冷静そうにつとめてるシンク。
「ま、異世界から来たってのは忍術を見せれば納得するってばよ。影分身の術!!」
ナルトが印を組み、自らの影分身を出す。出した瞬間、ディストとシンクはわかりやすく驚いた雰囲気を出している。
「俺も出すぞ。影分身の術!!」
するとルークも印を組み、影分身を出す。
「・・・何なのさこれ」
「言っとくけど俺らは幻じゃねーぞ」
呆然と影分身達を見て、呟くシンク。それを見たルークの影分身がシンクの仮面に手をかけ、流れるような動作で仮面を取った。
「・・・なっ!?」
「やっぱりシンクもレプリカだったんだってば」
「俺らの見立てが間違うかよ」
「ど、どうして・・・」
動作が自然過ぎて、仮面を外す事を止めるのを忘れてしまったシンク。しかしそれよりも、仮面の下の顔を見られやっぱりとつけられた事に動揺と驚愕を隠す事が出来なかった。
シンクの仮面を取った影分身は本体のルークに仮面を渡すと、役目を終えて消えていった。
「なぁ、ディスト。お前がシンク、いやレプリカイオン達を作ったのか?」
「なっ何で・・・」
「イオンの体力のなさがレプリカだって事を裏付けた。まぁ、シンクを見るまでは俺もイオンをレプリカだなんて思わなかったけどな」
また新たになるルーク達からの突発告白。この二人はどこまで知ってるのかと、唐突にディストの背筋に悪感が走った。
「なぁ、どうなんだ?」
「・・・はいそうです」
逆らえない、圧力のある笑顔で聞いてくるルーク達に嘘は禁句だとディストの頭にインプットされた。
「そんな俺達の質問に答えてくれる二人にまた聞きたい事があるってばよ」
ニッコリとまた圧力のある笑顔でナルトが二人に聞いてきた。
「バチカルにいるダアトのお偉いさんは誰だってばよ?」
「・・・は?どういうことですか?」
「スパイ、そう言えば分かるだろ?」
スパイの単語にまた驚くディスト、しかし驚く暇も与えずルーク達はディストに静かに詰め寄る。
「スパイの出した手紙は老け髭に向けられているかと思ってたけど、鳩はバチカルに飛んでいったてばよ。六神将に指示を出してたヤツが今バチカルにいることが影分身の調べから分かってるってばよ。誰だってば?」
うっ、とディストは詰まる。しかしここまでばれているというなら黙っていても仕方ないと思い、正直に名前を口にした。
「大詠師モースですよ」
「モース?このやり方は老け髭じゃねぇとは思ってたけど、随分とお粗末な指示を出すな」
「お粗末?」
「タルタロス襲撃の大元の指示を出したのはモースだろ。キムラスカとマルクトの戦争を促進をするのならわかるけど、下手打てばダアトとマルクトの全面戦争。いくら精鋭の六神将を送り出したって言ってももし失敗したら被害を被るのはダアト、そう思わなかったか?」
「・・・失敗はしていませんけど」
「いーや、失敗してるってばよ。眼鏡狸も生きてるし、タルタロス襲撃の事はカイツールにいるマルクト兵に聞かせたってばよ」
「もしこれを盾に取られたらどうするだろうな~、モースとやらは」
「ダアトの信頼は地に落ちる、どうしよう!!そうだ六神将の独断という事にしよう!!・・・って事になりかねないってばよ」
「・・・有り得ますね」
段々と口にされる言葉ひとつひとつに、真実味がある。実際にタルタロスの事を出されたらモースは自分達を最低切り捨てるだろう。証拠という物も提示されている、自分達に逃げ場がないのも事実だ。
「なぁ、ディストにシンク。俺らに協力してくれんならお前らが無事になるような策を考えてやるよ」
「策?あんた何を考えているのさ。協力って・・・」
「「ダアトを潰す協力」」
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「・・・にわかには信じられませんね」
ルークの説明終わりにディストが一言。
「けどルークが事情を知ってるのは事実、否定出来る材料なんて無いんだよ」
そのディストの言葉に信じている訳ではないが、否定する要素もないのでとりわけ冷静そうにつとめてるシンク。
「ま、異世界から来たってのは忍術を見せれば納得するってばよ。影分身の術!!」
ナルトが印を組み、自らの影分身を出す。出した瞬間、ディストとシンクはわかりやすく驚いた雰囲気を出している。
「俺も出すぞ。影分身の術!!」
するとルークも印を組み、影分身を出す。
「・・・何なのさこれ」
「言っとくけど俺らは幻じゃねーぞ」
呆然と影分身達を見て、呟くシンク。それを見たルークの影分身がシンクの仮面に手をかけ、流れるような動作で仮面を取った。
「・・・なっ!?」
「やっぱりシンクもレプリカだったんだってば」
「俺らの見立てが間違うかよ」
「ど、どうして・・・」
動作が自然過ぎて、仮面を外す事を止めるのを忘れてしまったシンク。しかしそれよりも、仮面の下の顔を見られやっぱりとつけられた事に動揺と驚愕を隠す事が出来なかった。
シンクの仮面を取った影分身は本体のルークに仮面を渡すと、役目を終えて消えていった。
「なぁ、ディスト。お前がシンク、いやレプリカイオン達を作ったのか?」
「なっ何で・・・」
「イオンの体力のなさがレプリカだって事を裏付けた。まぁ、シンクを見るまでは俺もイオンをレプリカだなんて思わなかったけどな」
また新たになるルーク達からの突発告白。この二人はどこまで知ってるのかと、唐突にディストの背筋に悪感が走った。
「なぁ、どうなんだ?」
「・・・はいそうです」
逆らえない、圧力のある笑顔で聞いてくるルーク達に嘘は禁句だとディストの頭にインプットされた。
「そんな俺達の質問に答えてくれる二人にまた聞きたい事があるってばよ」
ニッコリとまた圧力のある笑顔でナルトが二人に聞いてきた。
「バチカルにいるダアトのお偉いさんは誰だってばよ?」
「・・・は?どういうことですか?」
「スパイ、そう言えば分かるだろ?」
スパイの単語にまた驚くディスト、しかし驚く暇も与えずルーク達はディストに静かに詰め寄る。
「スパイの出した手紙は老け髭に向けられているかと思ってたけど、鳩はバチカルに飛んでいったてばよ。六神将に指示を出してたヤツが今バチカルにいることが影分身の調べから分かってるってばよ。誰だってば?」
うっ、とディストは詰まる。しかしここまでばれているというなら黙っていても仕方ないと思い、正直に名前を口にした。
「大詠師モースですよ」
「モース?このやり方は老け髭じゃねぇとは思ってたけど、随分とお粗末な指示を出すな」
「お粗末?」
「タルタロス襲撃の大元の指示を出したのはモースだろ。キムラスカとマルクトの戦争を促進をするのならわかるけど、下手打てばダアトとマルクトの全面戦争。いくら精鋭の六神将を送り出したって言ってももし失敗したら被害を被るのはダアト、そう思わなかったか?」
「・・・失敗はしていませんけど」
「いーや、失敗してるってばよ。眼鏡狸も生きてるし、タルタロス襲撃の事はカイツールにいるマルクト兵に聞かせたってばよ」
「もしこれを盾に取られたらどうするだろうな~、モースとやらは」
「ダアトの信頼は地に落ちる、どうしよう!!そうだ六神将の独断という事にしよう!!・・・って事になりかねないってばよ」
「・・・有り得ますね」
段々と口にされる言葉ひとつひとつに、真実味がある。実際にタルタロスの事を出されたらモースは自分達を最低切り捨てるだろう。証拠という物も提示されている、自分達に逃げ場がないのも事実だ。
「なぁ、ディストにシンク。俺らに協力してくれんならお前らが無事になるような策を考えてやるよ」
「策?あんた何を考えているのさ。協力って・・・」
「「ダアトを潰す協力」」
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