縁を切った先に在ったのは死神の手

「流石にサクラ達もカマ蛇と一緒に死んでたとなりゃ、諦めるだろうな。それで多分だけどこいつらの死体を見つける役目になんのは、やっぱ砂隠れ辺りだろうな」
「まぁ我愛羅は木の葉に借りがあるからな~、サソリの件で。それに今は風影だし、ちょっと事情話せば協力はしてくれると思うってばよ」
「砂隠れからカンクロウとテマリが直々に木の葉に出向いてもらって、サクラ達に話してもらえれば万全だと思うからな。それも火影様に伝えた方がいいな」
「そうだってばね。まぁとりあえず帰るか、一応任務は終えたんだし」
「そうするか」
ルークとナルトは一通り会話を終えると印を組む。そして煙に包まれた二人の元から煙が晴れた時には、暗部姿の二人がいて一瞬でその場から姿を消す・・・



・・・綱手及び、ルーク達は考えた。サスケを殺すのはいいが、サクラ達の心を出来るだけ荒れさせないようにして、サスケの死を受け入れさせるにはどうすればいいか。

忍の腕は下手な上忍や暗部などより上等なサクラ達。とは言え心は年相応というくらいには平均的で、それは忍としてはまだ未熟で危うい領域と言えた。

そんなサクラ達に今正直に木の葉がサスケを殺したと言えばよくてしばらく活動出来ない、もしくは最悪忍を辞めかねない・・・そういう危険があった。

サスケの為に木の葉の貴重な人材を使えないようにする訳にはいかない・・・それを踏まえてのこれから先の展開、それには他里の協力は不可欠であった。それも木の葉を裏切らないよう、『我らが大蛇丸のアジトを探った時には、既に二人は死んでいた』と確実に言ってくれる里の。そしてそんな里の心当たりは二人が言ったよう真っ先に上がったのが、我愛羅が統治する砂隠れだった。












「・・・ご苦労だったな、二人とも」
・・・所変わり、木の葉の里の火影の執務室。机に座った綱手の前で報告を終え、暗部姿の二人は綱手に労われていた。
「お前達の言っていた砂隠れへの協力の件だが、私も一番妥当な所だと思う。その件に関しては私から取り計らっておくので、二人はもう下がっていい」
「「了解」」
綱手が二人に退出を命じると二人は一言告げ、その場から消え去る。



・・・他里の協力が必要な理由としては、第三者が状況検分したというように言うことでサクラ達に死体の状況を知らせないようにするためだ。

今の二人は同士討ちというにはあまりにも不自然な状態、そんな物を木の葉の人間が引き取ったと言ったらサクラ達はサスケの死体を見るために強行手段を取りかねない。そんないざこざを作らせないよう、その上サスケの遺体を見せないようにするためには他里の忍が見つけたとうそぶくのが都合がよかったのだ。

そしてそんな遺体のサスケを見つける他里として都合がよく、また信憑性を持たせられる所として我愛羅が風影を務める砂隠れがまず候補に上がった。

・・・だが我愛羅はナルトやサスケ達と知り合い、人間味という物を身につけた。そんな我愛羅だからサスケの事で裏取引をして嘘の報告をすることに抵抗を持つのではないかと思われるが、里の代表の影を冠する者に求められるのは時には非情になれる決断力。それにサスケは一般的にはもう罪人として扱ってもなんら遜色のない人間。いくら情があるとは言ってもサスケは我愛羅からすれば他里を抜け出た罪人の一人に過ぎない。そんなサスケを影の名を冠する我愛羅が庇い立てするとはナルト達は思わなかった。それに万が一それで悩んだとしても、砂隠れの上層部はサスケに関して迷いなくナルト達の思うように協力してくれるだろうという確信を得ていた。それこそサスケと我愛羅以外の砂隠れの上層部には繋がりはないのだから・・・






17/19ページ
スキ