縁を切った先に在ったのは死神の手

『!うぎゃあぁぁぁぁぁぁっ・・・!』



・・・朱炎、いや朱炎の正体であるルークのこの世界では封じていた超振動を用いた奥義が大蛇丸の胴体を深く削り取る。大蛇丸は初めての超振動をくらい断末魔の叫びを上げる。



・・・そして数秒もすると大蛇丸の叫びも収まりを見せ、超振動により消滅させられず残されたまだメラメラと燃え盛る頭が地面に倒れ込む。
「死んだか・・・水遁・大瀑布」
‘ジュワァァァッ’
もはや動く気配のない様子を見て、朱炎は一歩飛びのくと印を組み大蛇丸だったものの頭上に水の滝を発生させ、残った火の消火をする。
「・・・さて、これで大蛇丸も終わりか」
火が消えてピクリとも動かない大蛇丸だったものにゆっくりと近付く朱炎・・・全身を体の中から血が蒸発するほど燃やされ、頭以外消滅している。誰が見ても大蛇丸の死は明らかであり・・・事実、大蛇丸は死んでいた。
「・・・一応敵は取ったぜ、爺さん」
その死骸を掴みながら朱炎は朱炎としてでなく、ルークとしての顔を覗かせる独り言を呟く。



・・・一応とつけたのはルークは大蛇丸を自分で片付けると決めた三代目の決断を、半ば自殺行為と見ていたからだ。忍として多対一の形で敵を倒す事は別に恥ではない、それが強敵相手ならむしろそちらが正しい選択だと言える。しかし三代目は確実に大蛇丸を討ち取れる手段の虚空と朱炎の二人の協力を拒み、自身一人で大蛇丸と戦いに挑んで・・・結果、大蛇丸を倒せず死んだ。その判断は忍としてはあるまじき物だとルークは思ったが、火影命令と出されてはそれを覆すことは出来なかった。



だからこうやって大蛇丸を殺したルークの心中には敵を取れたという気持ちは半分、後は忍に成り切れなかった意地で行動を起こした義父に対するやり切れない思いが半分だった。
「・・・さて、虚空と合流しよう」
しかし今は任務中、ルークは朱炎としての仮面を被りなおしその大蛇丸の頭を持ってその場から姿を一瞬にして消す。












「・・・まぁこれでもう、お前には頼るべき援軍もいないって訳だ」
先程の戦いを一瞬にして思い返したルークは、倒れ込んでいるサスケにハッキリともう打つ手はないと告げる。
「・・・くそっ・・・」
流石にもうこの状況ではいかようにもならないとサスケも感じたのか、力無い声しか出ては来ない。
「なぁサスケ。結局お前は一族の復興とイタチへの復讐、どっちが大事だったんだ?俺達から見たらお前の行動ってただの考え無しの馬鹿だぞ。なんで少しでも一族復興の事を考えて里に残る事を選択しなかったんだ?復讐をするっていう気持ちを残しながらでも、里にいればうちはの復興は出来たんじゃなかったのか?お前のイタチ以外のうちはへの想いはイタチへの復讐に比べたら、カスみたいな物だったのか?」
「・・・っ!」
そこでナルトは改めて話を戻し、サスケの中での一族復興と復讐の天秤の比重の重さについて問う・・・まだ言いたい事は言い足りてないと思いながら。
「俺は、そんな風に思っちゃいねぇ!まず先にイタチを殺す!そう思っていたから里を抜けて力を手に入れようと・・・!」
「それでナルトに半殺しにされてちゃ世話ねぇと思わねぇか?」
「っ・・・くっ・・・」
案の定違うと言い張り訳を声を張って言うサスケにルークが途中で痛すぎる指摘を挟み、悔しそうに歯噛みさせて沈黙させる。
「まぁそれはそれでいいから、次の質問に行くってばよ・・・もし仮にイタチを殺したとして、だ」



「それから先お前は里抜けしたその身で、どこでうちはの復興を成そうとしてたんだ?」






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