縁を切った先に在ったのは死神の手

「白蛇だと・・・!?」
「俺もまぁあの体からでかい白蛇っていう本体が出て来るとは思っちゃいなかったんだけどな。まぁ色々人体実験やらなんやら繰り返していく内にどう都合がいいと思ったのかわからないけど名前の通り、蛇に体を作り変えたんだろうな」
「・・・っ!」
・・・黒い髪を生やした大きな白蛇、それが大蛇丸の正体。サスケはその焼け焦げた頭の部分を隣にしながらルークの推測と事実を聞き、姿はどうあれ大蛇丸はもうとっくに死んでいるという事に気付く・・・同時に自らを助けてくれる存在はもうないとも。
「ま・・・流石にカマ蛇だけあって無駄に再生ばっかりして中々死ななかったんでな。案外苦労したんだぜ、こうやって頭の原型残したままとどめ刺すのってな?」
そこでルークは少し前の事を思い出しながら話す・・・









~先程の天地橋付近の森~



(くっ、拒否反応が・・・!思ったより更に早い・・・!)
・・・大蛇丸は防戦一方ながらもなんとか持ちこたえながら、戦っていた。だが時折何度も切り飛ばされる体の部分部分を守る為、大蛇丸が使う特有の身代わりの術を使いながら戦っていた為多量のチャクラを消耗し、大蛇丸自身が想像していたよりタイムリミットは早く訪れた。
(マズイわ、このままではサスケ君を取り込む前に死んでしまう・・・なら、使いたくなかったけど・・・!)
だが目の前には一部の隙も見せないコンビネーションと類い稀な身体能力を駆使し、自らを追い詰める暗部二人。逃げる事も出来ないと判断した大蛇丸は最終手段を使う為、大きく斜め上に口を開ける。
‘ズオッ・・・ザンッ’
その瞬間大蛇丸の口から何かが飛び出し虚空はそれを警戒しながら瞬時に動きを止め、朱炎は反対に勢いを止めずに刀を振り、大蛇丸・・・だったものの首を捉え、はね飛ばす。
「・・・ほう、それがお前の正体か」
その物が自分達の後ろに飛んで着地したことに、虚空の声は無感動ながらもそれが‘大蛇丸’であると認識する。
『・・・まさかこんな形でこの姿を見せる時が来るとは思いもしなかったけどね・・・』
そこにいたのは白い大蛇・・・明らかに大蛇丸が好んで口寄せする蛇達とは種類が違う。虚空の確信めいた声にその白蛇は肯定するよう、苦い声を上げる。
『でもまぁいいわ、命には変えられないもの・・・そのかわり、この姿を見た代償として貴方達のどちらかを私の体として使わせてもらうわ。もちろんもう一人も私の実験台として、存分に役に立ってもらうわ』
「「・・・」」
だがその白蛇の姿になった瞬間勝ち誇った様子で器用に蛇の顔でニヤリと笑う。だが二人はさして気にした様子は見せていない。
「・・・虚空、お前は先に行け。これ以上二人で戦う必要はなさそうだ。ある程度コイツだと分かるように原型は留めさせておく、先に任務を進めろ」
「あぁ、そのほうがよさそうだな。お前一人でも十分そうだ。なら俺は先に行った方がいい」
『なっ・・・!』
それどころか目の前の二人の会話に大蛇丸は絶句した、自分を全く眼中にいれていない任務の話をする余裕の様子に。尚且つ朱炎一人で自分と戦うということに。
「分かっているとは思うが、始末が済んだらすぐに来い・・・あまりにも遅かったら、俺は先に終わらせるぞ」
「言われなくても分かっている。早く行け、すぐに俺も行く」
『っ!』
そして朱炎が行くよう言うと即座に虚空は場から姿を消し、大蛇丸は今までとは違う虚空の消えた瞬間の動きの速さに蛇の目を細くして驚く。
「さて・・・始めるか」
‘ボッ’
そして残った朱炎の声に反応した大蛇丸は先程とは明らかに違う物を目撃する・・・その手に握られた刀の刀身が燃え出すという物を。








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