縁を切った先に在ったのは死神の手
‘フッ’
「・・・っ!」
‘キィンッ!’
(なんて早さ・・・!)
だが蛇を出した瞬間目にも映らぬ早さで大蛇丸の目の前まで朱炎は動き、右手側から横なぎに刀を振り抜き体ごと一刀両断しようとするが大蛇丸は瞬時に左手で蛇の口から草薙の剣を引き抜き、刀を草薙の剣で受け止める。
(はっ!)
‘ブゥンッ’
朱炎の動きの鋭さに大蛇丸は改めて驚きを覚えたが、虚空が瞬時の暇も与えず首をはね飛ばそうとクナイを左側から振りかざす。大蛇丸はその斬撃を首を後ろにのけ反らせなんとかかわす。
‘ドゴッ’
「ガ、ハァ・・・!」
(重、い・・・!)
だがその体勢の不自然さを見て朱炎が無造作に放った重い蹴りが大蛇丸の腹を捉え、成す術もなく大蛇丸は橋から森の方へ吹き飛ばされる。
(まずいわ・・・この体は拒否反応が出るからあまり長く戦闘は出来ないのに、このままじゃじり貧になっていずれは・・・)
吹き飛ばされる最中、大蛇丸は考えた。自身が置かれた状況があまりにも自身にとって、不利でありすぎることに。
・・・大蛇丸は三代目に両腕を封印され、やむを得ず今の体を乗っ取る事で難を逃れた。だがその場しのぎの体は大蛇丸の魂を受け入れる器としてはあまりにも小さすぎ、あまりにももろすぎた。本来転生の術に使う体は魂に合わせるように作り替えていなければいけないのだが、そう出来なかった。故に大蛇丸が全力で戦うには長時間体がもたないという時間制限で弱点があった。
だが大蛇丸にとっての誤算はやはり・・・
(これだけの逸材だったとは・・・)
そう、二人の力量がどう少なく見積もっても大蛇丸を追い詰めるくらいにはあることだった。一瞬の攻防を繰り広げただけでもわかるその身体能力の高さに加え、二人の絶妙のコンビネーション。体術のみでここまで翻弄されている事実・・・それが大蛇丸の焦りを掻き立てていた。
(早めに逃げたいけど・・・そんなこと許してくれそうにはないわね・・・)
だからこそ大蛇丸は近くにあった木を掴み飛ばされた体勢を整え直し枝に立つと、逃げの一手を打つ事がどれだけ難しいかを実感させる虚空と朱炎がすぐ目の前にいることで理解していた。
(なら、戦う以外に手はないわね。タイムリミットが来る前に・・・)
その光景を前に大蛇丸は覚悟を決め、逃げる事を思考から捨て草薙の剣を握り締める。不敵な笑みを浮かべて・・・
・・・所変わり、天地橋より離れた場所にある草原の岩場に入口を隠すよう地下に作られた大蛇丸のアジト。そのアジトの中の暗い一室、仰々しく作られたとぐろを巻く目の部分が燭台になった蛇の石像の前、一人の男がうちはの一族である証・・・写輪眼を瞳に浮かばせ、腰をかけていた。
(・・・遅い)
その男の名はうちはサスケ。彼は影に隠れた表情でわかりづらいが、内心苛立っていた。
(新術の修業に付き合うとか言った割に、中々戻ってこねぇ。何をやってやがる・・・)
少し用があると、カブトと出掛けた大蛇丸。力を手に入れるためその身を寄せはしたが、元々嫌悪に値しても尊敬に値しない存在。強くしてもらう以外に大蛇丸への有用性を見出だしていないサスケは、いずれ殺すつもりでいるその存在を今か今かと待っていた。
「・・・?」
そうサスケが待っていると、その部屋の入口からサスケの視界に一人の人影が見えた。サスケはその様子に何か変だと気付いたようで、睨むよう人影を見据える。
「・・・成長したな、サスケ」
「!・・・ナルト・・・!?」
ゆっくり近付いてきて蝋燭の明かりで姿を確認したサスケは、目の前に現れたナルトの姿に軽く驚きを覚えていた。
(コイツ、ナルトなのか・・・?いや、チャクラの感じは間違いなくナルトだが・・・どういう事だ?コイツはこんなに静かだったか・・・?)
サスケが驚きを感じていた理由は、その自分が知る『うずまきナルト』とはあまりにも違いすぎる違和感にあった。
.
「・・・っ!」
‘キィンッ!’
(なんて早さ・・・!)
だが蛇を出した瞬間目にも映らぬ早さで大蛇丸の目の前まで朱炎は動き、右手側から横なぎに刀を振り抜き体ごと一刀両断しようとするが大蛇丸は瞬時に左手で蛇の口から草薙の剣を引き抜き、刀を草薙の剣で受け止める。
(はっ!)
‘ブゥンッ’
朱炎の動きの鋭さに大蛇丸は改めて驚きを覚えたが、虚空が瞬時の暇も与えず首をはね飛ばそうとクナイを左側から振りかざす。大蛇丸はその斬撃を首を後ろにのけ反らせなんとかかわす。
‘ドゴッ’
「ガ、ハァ・・・!」
(重、い・・・!)
だがその体勢の不自然さを見て朱炎が無造作に放った重い蹴りが大蛇丸の腹を捉え、成す術もなく大蛇丸は橋から森の方へ吹き飛ばされる。
(まずいわ・・・この体は拒否反応が出るからあまり長く戦闘は出来ないのに、このままじゃじり貧になっていずれは・・・)
吹き飛ばされる最中、大蛇丸は考えた。自身が置かれた状況があまりにも自身にとって、不利でありすぎることに。
・・・大蛇丸は三代目に両腕を封印され、やむを得ず今の体を乗っ取る事で難を逃れた。だがその場しのぎの体は大蛇丸の魂を受け入れる器としてはあまりにも小さすぎ、あまりにももろすぎた。本来転生の術に使う体は魂に合わせるように作り替えていなければいけないのだが、そう出来なかった。故に大蛇丸が全力で戦うには長時間体がもたないという時間制限で弱点があった。
だが大蛇丸にとっての誤算はやはり・・・
(これだけの逸材だったとは・・・)
そう、二人の力量がどう少なく見積もっても大蛇丸を追い詰めるくらいにはあることだった。一瞬の攻防を繰り広げただけでもわかるその身体能力の高さに加え、二人の絶妙のコンビネーション。体術のみでここまで翻弄されている事実・・・それが大蛇丸の焦りを掻き立てていた。
(早めに逃げたいけど・・・そんなこと許してくれそうにはないわね・・・)
だからこそ大蛇丸は近くにあった木を掴み飛ばされた体勢を整え直し枝に立つと、逃げの一手を打つ事がどれだけ難しいかを実感させる虚空と朱炎がすぐ目の前にいることで理解していた。
(なら、戦う以外に手はないわね。タイムリミットが来る前に・・・)
その光景を前に大蛇丸は覚悟を決め、逃げる事を思考から捨て草薙の剣を握り締める。不敵な笑みを浮かべて・・・
・・・所変わり、天地橋より離れた場所にある草原の岩場に入口を隠すよう地下に作られた大蛇丸のアジト。そのアジトの中の暗い一室、仰々しく作られたとぐろを巻く目の部分が燭台になった蛇の石像の前、一人の男がうちはの一族である証・・・写輪眼を瞳に浮かばせ、腰をかけていた。
(・・・遅い)
その男の名はうちはサスケ。彼は影に隠れた表情でわかりづらいが、内心苛立っていた。
(新術の修業に付き合うとか言った割に、中々戻ってこねぇ。何をやってやがる・・・)
少し用があると、カブトと出掛けた大蛇丸。力を手に入れるためその身を寄せはしたが、元々嫌悪に値しても尊敬に値しない存在。強くしてもらう以外に大蛇丸への有用性を見出だしていないサスケは、いずれ殺すつもりでいるその存在を今か今かと待っていた。
「・・・?」
そうサスケが待っていると、その部屋の入口からサスケの視界に一人の人影が見えた。サスケはその様子に何か変だと気付いたようで、睨むよう人影を見据える。
「・・・成長したな、サスケ」
「!・・・ナルト・・・!?」
ゆっくり近付いてきて蝋燭の明かりで姿を確認したサスケは、目の前に現れたナルトの姿に軽く驚きを覚えていた。
(コイツ、ナルトなのか・・・?いや、チャクラの感じは間違いなくナルトだが・・・どういう事だ?コイツはこんなに静かだったか・・・?)
サスケが驚きを感じていた理由は、その自分が知る『うずまきナルト』とはあまりにも違いすぎる違和感にあった。
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