焔と渦巻く忍法帖 第五話

〈着きましたクイーン〉
チーグルの森を抜けて一時も経つとかつて森であったであろう焼け野原が広がっている場所に辿りついていた。
〈さあ見ていて下さいクイーン〉
そういうと影分身達はクイーンを少しルーク達から離れた場所へと待機させた。その後影分身達はボンと音をたてて消え去った。それと同時にルークはナルトの背後に陣取り、肩に両手を添えた。
「それじゃあいくぞナルト」
「いくってばよ」
二人の真剣な表情に何が起こるかとクイーンが見守っていると、ナルトが印を組みだした。
「いくぞ・・・!!」



「「合作忍術!!木遁・樹界降誕!!」」



ナルトが印を組み終わると同時にその変化は起った。今まで焼け野原だった景色にみるみると樹木が生えだし、その樹木の成長が終わるころには焼けて荒れ果てた地だったとは思えない程の立派な森が姿を現していた。
「よっしゃ~!完璧!」
「当然だってばよ!!」
二人は新たに創った森に浮かれているが、木遁忍術は初代火影のみの術である。その初代のみの術を何故使えるのか?それは二人が共同で発見した二人のみの方法から成り立っている。



その方法の例えを絵の具として出してみよう。一般的な忍術の火遁・水遁・雷遁・土遁・風遁がある。この五個は基本の原色として忍が何個か持てる色である。その五色を様々なやり方で混ぜ、その配合に成功した術が‘血継限界’と呼ばれている。しかし血継限界と呼ばれる程の術がそんな簡単な筈がない。その術を使うには色以外に絶対的な才能と編み出した本人かその血縁者しか一般には扱われないとされている。

事実ナルトやルークも一人では木遁忍術を使えない。しかしある時、ナルト達はある閃きが起った。自分一人では限界はあるが、他の人の色を加えればまた変異的な色が生まれるのではないかと。物は試しと何度か挑戦を繰り返していた。そして二人の色を合わせて出来上がったのが合作忍術、血継限界を持たない忍にも血継限界の術を使えるようにした画期的なアイディアである。



だがその方法にも欠点がある。それは・・・
「でもやっぱりこんなスピードじゃ実戦じゃ使えないってばよ」
「それに二人が触れ合っていないといけないってのはどうしてもきついな」
そう、この二つ。結構な時間集中しないといけないというのが一つ。それでも三十秒と以前に比べスピードは上がったが、0コンマ何秒で常に戦う世界で三十秒はあまりにも大きい。故に実戦向きではないのだ。それと第二の欠点は発動の際には二人が常に触れていないとチャクラ変化が起こせず、合作忍術が出来なくなってしまう事だ。こればかりはどうしようもない。
「実戦向きじゃないのは分かってるからお蔵行きになりかけたけどこうやってクイーンを助けられたからいいか」
「そうだってばよ」
二人は何度も改良を加えたが、欠点は改善出来ず、実戦投下せずに終わると思っていた。しかし今こうやってクイーンを助ける事が出来た、それで二人の研究は報われたのだ。
「やってみるもんだなぁ」
色々と、ルークは自分達の研究に感謝した。




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