焔と渦巻く忍法帖 番外編
狂愛に近しい友愛の在り方(ナルトと三代目火影のルークをどう思っているかの会話で時間軸はルークと暮らして五年目程度の時。見方によって、スレルク←スレナルっぽい)
「のう、ナルトよ。アカデミーはどうじゃ?」
「特にたいしたことないけど」
「いや、なんというかその・・・お前も表向きとは言えアカデミーに通っておるだろう。少しはルーク以外と友達関係で交流する姿を見せてほしいんじゃが・・・」
「あー、ダメダメ。今季のアカデミー生に表の俺に順応してる奴いねーの。せいぜい授業で馬鹿やる俺見て煽る感じで馬鹿騒ぎするだけで、友情深めに来ようともしねー。ならいっそルークと一緒にいたほうが何倍もマシだし」
「・・・火影であるワシが言うのもなんじゃが、それでいいのか?ルーク以外に友達が出来なくても・・・?」
「それをじっちゃんが言うの?里の大人の態度が変わらない限り、普通の友達作るなんてまず無理」
「っ・・・」
ここに来て火影は言葉に詰まる。
・・・九尾がナルトの腹の中に封印されている、それは里の大人の間では暗黙の了解の事実だ。だが火影も気づいている、一部を除いた里の大人はナルトを九尾のフィルター越しにしかナルトを見ていることを。そしてそのナルトを人目を避けては罵り蔑んだ目で見て、更には忍までナルトに対し暴力行為を行っていることを。
「親の態度が子に伝染、その上九尾の脅威を感じさせないようにするため明らかな劣等生と大人に見られるようにドベを演じなけりゃならない。条件厳しすぎだから、これ。更に言うなら今の学年メンバーの親達全員俺に嫌な視線送るし、子供も子供で親の影響受けて流されて俺を嫌う。んな状況で友達なんか自然に出来る訳ないじゃん」
「確かにのぅ・・・」
そう言われてしまっては火影には否定の言葉はなかった。
・・・裏の事情を明かすなら、ナルトを嫌わない大人もいることはいる。旧家の名門と言える家柄の当主達辺りは九尾をナルトに封印しなければいけない経緯があったことを知っている分、白い目でナルトを見ることはない。猪鹿蝶トリオや犬塚に油女、日向といった所がその代表と言える。
問題はその経緯の実態を知らない忍や一般人だ。彼らはあくまでもナルトに九尾を封印したとしか聞いていない。里を襲われた怨みをナルトに転嫁し、負の感情をぶつけてくる・・・それが許されることだと、ナルトの気持ちなど気にせず勝手に決めつけ。
そしてナルトの学年にはその偏見に凝り固まった人間が親の子供しかいない、それが態度に出てるだけにナルトは悟っていた。これは無理だと。火影もそれをわかっていただけに、強く踏み切れなかった。
「けど、ルークは違う」
「・・・っ」
だがルーク、その名前が出て来た時の声を聞き目を見て、歴戦の猛者でもあり数多の戦を経験している三代目ですらはっきりと気圧された。嬉しそうであるのに何故かそこにあるのは溢れ返らんばかりの狂気だと一瞬で理解出来る、いや出来てしまう。それだけの驚異をその瞬間に見てしまっただけに、そんなナルトを見たことがない三代目は不意を突かれた。
「ルークならずっと俺といてくれる、ルークならずっと俺を理解してくれる、ルークならずっと俺と対等にいてくれる・・・」
「・・・っ・・・」
そしてその狂気が本物だと理解出来る陶酔に近い程の優しい目の語り口に、より一層三代目は総毛立つ物を感じていた。
(これが・・・正しい子供の在り方とは思わん。ただ一人にしか信頼の置ける友がいないなど・・・だがルークがいなければ確実にナルトは一人・・・今のようにはなってはいまい・・・)
こうやって友の事を話すのはいいが、そもそも友という存在は対等だと認めてこそ成り立つ関係。その点ナルトを受け入れ同じ目線に立って共に歩いてくれる存在はまさしくルークしかいない。だからこそルークの存在が救いだと三代目は感じていた。もしルークがいなかったらと思うと・・・三代目はその想像に更に身の毛がよだつ思いを感じていた。
「・・・あ、そろそろルークが帰る時間だ。じゃあね、じっちゃん」
暇だからと呼んだ雑談相手だったが、それもルークが帰るまで。ナルトからそう言われてただけに、ナルトは時間を確認すると一言残して場から消え去る。
「・・・これも、わしの不徳という所か。すまんのぅ、四代目・・・」
話を聞き終わりルーク以外に友達を作れず、憎悪の対象としてナルトを里人に見させてしまった。そのことにどうとも言えない無力感を感じながら、三代目は天を仰ぎ見た・・・
END
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「のう、ナルトよ。アカデミーはどうじゃ?」
「特にたいしたことないけど」
「いや、なんというかその・・・お前も表向きとは言えアカデミーに通っておるだろう。少しはルーク以外と友達関係で交流する姿を見せてほしいんじゃが・・・」
「あー、ダメダメ。今季のアカデミー生に表の俺に順応してる奴いねーの。せいぜい授業で馬鹿やる俺見て煽る感じで馬鹿騒ぎするだけで、友情深めに来ようともしねー。ならいっそルークと一緒にいたほうが何倍もマシだし」
「・・・火影であるワシが言うのもなんじゃが、それでいいのか?ルーク以外に友達が出来なくても・・・?」
「それをじっちゃんが言うの?里の大人の態度が変わらない限り、普通の友達作るなんてまず無理」
「っ・・・」
ここに来て火影は言葉に詰まる。
・・・九尾がナルトの腹の中に封印されている、それは里の大人の間では暗黙の了解の事実だ。だが火影も気づいている、一部を除いた里の大人はナルトを九尾のフィルター越しにしかナルトを見ていることを。そしてそのナルトを人目を避けては罵り蔑んだ目で見て、更には忍までナルトに対し暴力行為を行っていることを。
「親の態度が子に伝染、その上九尾の脅威を感じさせないようにするため明らかな劣等生と大人に見られるようにドベを演じなけりゃならない。条件厳しすぎだから、これ。更に言うなら今の学年メンバーの親達全員俺に嫌な視線送るし、子供も子供で親の影響受けて流されて俺を嫌う。んな状況で友達なんか自然に出来る訳ないじゃん」
「確かにのぅ・・・」
そう言われてしまっては火影には否定の言葉はなかった。
・・・裏の事情を明かすなら、ナルトを嫌わない大人もいることはいる。旧家の名門と言える家柄の当主達辺りは九尾をナルトに封印しなければいけない経緯があったことを知っている分、白い目でナルトを見ることはない。猪鹿蝶トリオや犬塚に油女、日向といった所がその代表と言える。
問題はその経緯の実態を知らない忍や一般人だ。彼らはあくまでもナルトに九尾を封印したとしか聞いていない。里を襲われた怨みをナルトに転嫁し、負の感情をぶつけてくる・・・それが許されることだと、ナルトの気持ちなど気にせず勝手に決めつけ。
そしてナルトの学年にはその偏見に凝り固まった人間が親の子供しかいない、それが態度に出てるだけにナルトは悟っていた。これは無理だと。火影もそれをわかっていただけに、強く踏み切れなかった。
「けど、ルークは違う」
「・・・っ」
だがルーク、その名前が出て来た時の声を聞き目を見て、歴戦の猛者でもあり数多の戦を経験している三代目ですらはっきりと気圧された。嬉しそうであるのに何故かそこにあるのは溢れ返らんばかりの狂気だと一瞬で理解出来る、いや出来てしまう。それだけの驚異をその瞬間に見てしまっただけに、そんなナルトを見たことがない三代目は不意を突かれた。
「ルークならずっと俺といてくれる、ルークならずっと俺を理解してくれる、ルークならずっと俺と対等にいてくれる・・・」
「・・・っ・・・」
そしてその狂気が本物だと理解出来る陶酔に近い程の優しい目の語り口に、より一層三代目は総毛立つ物を感じていた。
(これが・・・正しい子供の在り方とは思わん。ただ一人にしか信頼の置ける友がいないなど・・・だがルークがいなければ確実にナルトは一人・・・今のようにはなってはいまい・・・)
こうやって友の事を話すのはいいが、そもそも友という存在は対等だと認めてこそ成り立つ関係。その点ナルトを受け入れ同じ目線に立って共に歩いてくれる存在はまさしくルークしかいない。だからこそルークの存在が救いだと三代目は感じていた。もしルークがいなかったらと思うと・・・三代目はその想像に更に身の毛がよだつ思いを感じていた。
「・・・あ、そろそろルークが帰る時間だ。じゃあね、じっちゃん」
暇だからと呼んだ雑談相手だったが、それもルークが帰るまで。ナルトからそう言われてただけに、ナルトは時間を確認すると一言残して場から消え去る。
「・・・これも、わしの不徳という所か。すまんのぅ、四代目・・・」
話を聞き終わりルーク以外に友達を作れず、憎悪の対象としてナルトを里人に見させてしまった。そのことにどうとも言えない無力感を感じながら、三代目は天を仰ぎ見た・・・
END
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