焔と渦巻く忍法帖 epilogue
‘‘‘‘おぉ・・・っ!’’’’
断固たる決意が見て取れる、そんなはっきりとした意思表示をしたインゴベルトに聴衆達の反応はほぼに等しく好意的な反応。まぁそれもそうだろう、プラネットストームが活動し続けていることの危険性は既にルーク達によって知らしめられている。更には預言を詠まなくなって三年も経つのだ、普通は音素の恩恵による利点も少なくなっているのでよくよく考えればプラネットストームを止める方が賢明と考えるだろう・・・普通なら。
「無論、そう結論に至るまでかつてダアトでこの『ルーク・フォン・ファブレ』のレプリカであるレプリカルークがプラネットストームがいつまでも稼動していることへの危険性を発表した時から、我々もただいたずらに時を過ごした訳ではない」
「・・・っ」
そこから聴衆達にどれだけ自分達が真剣にプラネットストームを止めてのその後についてインゴベルトは語るが、煙デコは遠目ではわかりにくいくらいには感情を抑えながら歯を食いしばっている。勿論ルークには丸見えだ。
「音素の恩恵により活動していた第七音素術士などの雇用制度の見直し、音素を燃料としていた従来の音機関などについても新たに音素を使わずに稼動する音機関の開発に成功している。その他の細かい法案などについては成人の儀のこの場で言うのはなんなので省略はするが、既に我々はプラネットストームを止めた後の事を見据えている」
‘‘‘‘・・・・・・’’’’
更にその後の対策を考えていると真剣な眼差しを浮かべ話すインゴベルトに、聴衆達は非常に納得したように聴き入った様子を見せる。
(さて、そろそろ俺が行く頃合いだな。ここに潜んでるだろう奴らを触発するのにもいいきっかけになるだろうしな)
そんな様子を見てルークは自分の出番だと、ある思惑を潜ませつつ印を組む。
‘カッ!’
「「「「うっ!」」」」
‘な、なんだ・・・!?’
‘目が、目があぁぁぁ・・・!’
突然、聴衆達とインゴベルト達の間にその場全てを埋め尽くす程の強烈な閃光が走り誰もが目を押さえて苦悶する。
・・・そして少ししてポツポツと皆の目がどんどん回復していく。
「・・・あっ・・・!」
「!てめぇ・・・っ!」
そんな中ざわりざわりと聴衆達がざわめき立つ中で猪思考姫と煙デコの目が回復し、その両目に映った存在に両名とも表情を一気に険しくする。何故ならそこに現れたのは、
「お久しぶりです陛下、『ルーク様』。レプリカルーク、ただいま音譜帯から戻りました」
光と共に現れたと思われるように現れた、右膝をつき膝立ちでインゴベルト達の前で丁寧にかしづくルークがいたからだ。
‘お、おい・・・あれが、レプリカのルーク様なのか・・・!?’
‘間違いない、だろ・・・後ろ姿は服は違うけどそっくりだし、声も儀式の時に『ルーク様』が出した声そのままだ・・・!’
‘それに音譜帯から戻ってきたって言ってるぞ。本当に、あの方は・・・!’
そんなルークの後ろ姿しか見れてない聴衆達はその姿を見て、ルークに対しての畏敬の念がこもった話をざわざわとしだす。
(おー、やっぱ簡単だなこっち。たかが幻術の使い方一つで神聖的な立場を演出出来んだし。これが向こうだったら、幻術一つ使って忍だまそうにも結構気を使うしな)
前から、後ろから。色々な感情が渦巻く中心点にいるルークはかしづく影のかかる顔の下、まずは唐突に光が発生したと思わせた幻術による自身の登場の仕方の成功にちょろいと口元を緩ませていた。
・・・ルークはローレライとともに音譜帯に光を纏い、空に昇って行ったと見られている。そんなルークが第七音素の光と共にプラネットストームを止めるために現れた、それは半ば伝説化してしまったその存在に聴衆達は色めき立たないはずがない。ルークはそう考え、この登場の仕方を選んだ。
(さて、行くぜ?お二人さんよ)
既に聴衆達の心はルークに傾いている、だからこそ投じる一手には多大な物がある。ルークは更に動き出そうと、顔を上げる。
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断固たる決意が見て取れる、そんなはっきりとした意思表示をしたインゴベルトに聴衆達の反応はほぼに等しく好意的な反応。まぁそれもそうだろう、プラネットストームが活動し続けていることの危険性は既にルーク達によって知らしめられている。更には預言を詠まなくなって三年も経つのだ、普通は音素の恩恵による利点も少なくなっているのでよくよく考えればプラネットストームを止める方が賢明と考えるだろう・・・普通なら。
「無論、そう結論に至るまでかつてダアトでこの『ルーク・フォン・ファブレ』のレプリカであるレプリカルークがプラネットストームがいつまでも稼動していることへの危険性を発表した時から、我々もただいたずらに時を過ごした訳ではない」
「・・・っ」
そこから聴衆達にどれだけ自分達が真剣にプラネットストームを止めてのその後についてインゴベルトは語るが、煙デコは遠目ではわかりにくいくらいには感情を抑えながら歯を食いしばっている。勿論ルークには丸見えだ。
「音素の恩恵により活動していた第七音素術士などの雇用制度の見直し、音素を燃料としていた従来の音機関などについても新たに音素を使わずに稼動する音機関の開発に成功している。その他の細かい法案などについては成人の儀のこの場で言うのはなんなので省略はするが、既に我々はプラネットストームを止めた後の事を見据えている」
‘‘‘‘・・・・・・’’’’
更にその後の対策を考えていると真剣な眼差しを浮かべ話すインゴベルトに、聴衆達は非常に納得したように聴き入った様子を見せる。
(さて、そろそろ俺が行く頃合いだな。ここに潜んでるだろう奴らを触発するのにもいいきっかけになるだろうしな)
そんな様子を見てルークは自分の出番だと、ある思惑を潜ませつつ印を組む。
‘カッ!’
「「「「うっ!」」」」
‘な、なんだ・・・!?’
‘目が、目があぁぁぁ・・・!’
突然、聴衆達とインゴベルト達の間にその場全てを埋め尽くす程の強烈な閃光が走り誰もが目を押さえて苦悶する。
・・・そして少ししてポツポツと皆の目がどんどん回復していく。
「・・・あっ・・・!」
「!てめぇ・・・っ!」
そんな中ざわりざわりと聴衆達がざわめき立つ中で猪思考姫と煙デコの目が回復し、その両目に映った存在に両名とも表情を一気に険しくする。何故ならそこに現れたのは、
「お久しぶりです陛下、『ルーク様』。レプリカルーク、ただいま音譜帯から戻りました」
光と共に現れたと思われるように現れた、右膝をつき膝立ちでインゴベルト達の前で丁寧にかしづくルークがいたからだ。
‘お、おい・・・あれが、レプリカのルーク様なのか・・・!?’
‘間違いない、だろ・・・後ろ姿は服は違うけどそっくりだし、声も儀式の時に『ルーク様』が出した声そのままだ・・・!’
‘それに音譜帯から戻ってきたって言ってるぞ。本当に、あの方は・・・!’
そんなルークの後ろ姿しか見れてない聴衆達はその姿を見て、ルークに対しての畏敬の念がこもった話をざわざわとしだす。
(おー、やっぱ簡単だなこっち。たかが幻術の使い方一つで神聖的な立場を演出出来んだし。これが向こうだったら、幻術一つ使って忍だまそうにも結構気を使うしな)
前から、後ろから。色々な感情が渦巻く中心点にいるルークはかしづく影のかかる顔の下、まずは唐突に光が発生したと思わせた幻術による自身の登場の仕方の成功にちょろいと口元を緩ませていた。
・・・ルークはローレライとともに音譜帯に光を纏い、空に昇って行ったと見られている。そんなルークが第七音素の光と共にプラネットストームを止めるために現れた、それは半ば伝説化してしまったその存在に聴衆達は色めき立たないはずがない。ルークはそう考え、この登場の仕方を選んだ。
(さて、行くぜ?お二人さんよ)
既に聴衆達の心はルークに傾いている、だからこそ投じる一手には多大な物がある。ルークは更に動き出そうと、顔を上げる。
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