焔と渦巻く忍法帖 epilogue
「復讐の為にファブレ邸に入り、だが思い止まる・・・まぁ思い止まったきっかけについては前と今言ったから、論じる気はない。けどそうやって思い止まったならそういった恨みの気持ちは口に出しちゃいけない。何故ならそれを口にすることは思い止まったきっかけとそれに付随する事情を裏切る事になんだよ、一言でも口にしたならその決意を今覆したいって思ってることを表すんだからな」
「!!そ、それは・・・・・・俺はただ、今の状態がきついからお前に分かってほしくて「んなこと俺は知りたくもねぇし、聞いたら聞いたで余計ムカついてんだよ俺は」・・・!」
ルークの明らかな苛立ちを受けながら押されつつ話すフェミ男スパッツだったが、言い訳に言い訳を重ねる様子にルークは途中で更に苛立ちを込めた言葉で入り押し黙らせる。
「辛い?我慢できない?だから逃げたい?・・・知るかよ。お前は俺の提示した条件に首を振ったんだろうが、その先に憎い相手との共同生活が待ってるってわかっててよ。それが今になってきついから辞めたいなんて、何言ってんだよ?その生活を想像出来ない訳じゃなかっただろうが」
「・・・それは・・・」
「それにその状況が辛いなら逃げだしゃよかったじゃねーか」
「そうしたらお前が殺すって言うから・・・!」
「だから中途半端だっつってんだよ」
「・・・っ!」
静かに押し殺すように放たれた言葉には苛立ちではなく殺気がこもっており、フェミ男スパッツはたまらず壁にまで後退し追い詰められる。
「殺される?だったらなんだ、生きたいって気持ちが強いならそのままでいりゃよかったしそれでも自由が欲しかったなら殺される事を覚悟で逃げりゃよかったじゃねーか。それに憎しみが強くて辛抱ならなくなってきたってんなら別に我慢しなくてよかっただろうが。何せ目の前にいるのは憎い公爵達だ、それを殺しゃ解決するんだからな」
「でも、そうしたら戦争に・・・!」
「はぁ?別に戦争にならないように公爵達を殺した後自分が殺したとでもわかる状況証拠と動機をハッキリさえさせりゃいくらでも戦争にならないように出来るぜ?そのあとすぐに死体が見つかる形で自殺すれば、だけどな」
「!そんな、そんなこと・・・俺には、出来ない・・・」
「生きたい、からか?だから中途半端だっつってんだよ」
敵を殺して自分も死ぬ、周りに被害を出さないように敵を殺すある意味究極に覚悟のいる選択にフェミ男スパッツはとうとう恐怖に負け頭を抱えへたれこみ、ルークは服の首元を掴み強制的に立ち上がらせその怯えた目に合わせる・・・冷たく、触れれば傷付くと錯覚するような瞳を。
「そうだよな?ホントだったらファブレを滅ぼしたすぐ後にでもマルクトに戻ってガルディオスとやらの復興を目指してたんだろ、てめぇは?」
「・・・!」
そしてサスケを彷彿とさせるような目的だろうと聞くと、フェミ男スパッツはビクッと体を震わす。
「敵を殺そうとして、自分だけは殺されないように済ませようとする・・・まぁ戦術としては当然の判断じゃある。けど殺そうとしてる相手も殺されると分かったら大抵は抵抗するもんだぜ。そん時もしかしたら殺されるかもしれない、なんて考えた事なかったのか?失敗して逆に殺されるかも、なんて考えた事なかったのか?お前」
「・・・」
そして何らかの計画を立てるからには失敗も視野に入れた見通しをするのが普通だが、ルークの問いにフェミ男スパッツはただ首を横に力無く振る。
「わかるか?何やるにしてもある程度のリスクは必ずついて来るもんだ。そしてそのリスクもやろうとしている行為に比例して高くなる。そのやろうとする行為に別から人が加わりゃ尚更だ。なのにてめぇは憎しみを晴らそうともせず、かと言ってそれを忘れようともせず、そして我慢することも出来ないとファブレから逃げ出したいと結論を俺に明かした・・・これのどこが中途半端じゃないと言える?リスクも背負わずやれる事なんてたかが知れてるのに、昔を振り返れば髭謡将が用意する安全の上でしか事を起こそうとしなかった。その上で全て知った俺が状況をお前用に整えてやったってのに、当の本人は不幸で辛いと陶酔して今の状況を用意した俺に言うばかり・・・そんな状況なんだぞ、お前?それでも自分は中途半端じゃないって否定出来る材料、あるか?あるなら言ってみろ、ちゃんと耳の穴かっぽじって聞いてやるからよ」
「・・・う、あ・・・あ、あぁ、あ・・・!」
更にとどめとばかりに穴を見せない口撃を怒涛のように撃ち込み、ルークは空いた手でホントに耳の穴に指を突っ込みほじくる。だが最早反論など出て来る様子はない、目はキョロキョロとルークから視線を外そうとしまともな言葉も出て来る気配がないほどどもってしまっている。
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「!!そ、それは・・・・・・俺はただ、今の状態がきついからお前に分かってほしくて「んなこと俺は知りたくもねぇし、聞いたら聞いたで余計ムカついてんだよ俺は」・・・!」
ルークの明らかな苛立ちを受けながら押されつつ話すフェミ男スパッツだったが、言い訳に言い訳を重ねる様子にルークは途中で更に苛立ちを込めた言葉で入り押し黙らせる。
「辛い?我慢できない?だから逃げたい?・・・知るかよ。お前は俺の提示した条件に首を振ったんだろうが、その先に憎い相手との共同生活が待ってるってわかっててよ。それが今になってきついから辞めたいなんて、何言ってんだよ?その生活を想像出来ない訳じゃなかっただろうが」
「・・・それは・・・」
「それにその状況が辛いなら逃げだしゃよかったじゃねーか」
「そうしたらお前が殺すって言うから・・・!」
「だから中途半端だっつってんだよ」
「・・・っ!」
静かに押し殺すように放たれた言葉には苛立ちではなく殺気がこもっており、フェミ男スパッツはたまらず壁にまで後退し追い詰められる。
「殺される?だったらなんだ、生きたいって気持ちが強いならそのままでいりゃよかったしそれでも自由が欲しかったなら殺される事を覚悟で逃げりゃよかったじゃねーか。それに憎しみが強くて辛抱ならなくなってきたってんなら別に我慢しなくてよかっただろうが。何せ目の前にいるのは憎い公爵達だ、それを殺しゃ解決するんだからな」
「でも、そうしたら戦争に・・・!」
「はぁ?別に戦争にならないように公爵達を殺した後自分が殺したとでもわかる状況証拠と動機をハッキリさえさせりゃいくらでも戦争にならないように出来るぜ?そのあとすぐに死体が見つかる形で自殺すれば、だけどな」
「!そんな、そんなこと・・・俺には、出来ない・・・」
「生きたい、からか?だから中途半端だっつってんだよ」
敵を殺して自分も死ぬ、周りに被害を出さないように敵を殺すある意味究極に覚悟のいる選択にフェミ男スパッツはとうとう恐怖に負け頭を抱えへたれこみ、ルークは服の首元を掴み強制的に立ち上がらせその怯えた目に合わせる・・・冷たく、触れれば傷付くと錯覚するような瞳を。
「そうだよな?ホントだったらファブレを滅ぼしたすぐ後にでもマルクトに戻ってガルディオスとやらの復興を目指してたんだろ、てめぇは?」
「・・・!」
そしてサスケを彷彿とさせるような目的だろうと聞くと、フェミ男スパッツはビクッと体を震わす。
「敵を殺そうとして、自分だけは殺されないように済ませようとする・・・まぁ戦術としては当然の判断じゃある。けど殺そうとしてる相手も殺されると分かったら大抵は抵抗するもんだぜ。そん時もしかしたら殺されるかもしれない、なんて考えた事なかったのか?失敗して逆に殺されるかも、なんて考えた事なかったのか?お前」
「・・・」
そして何らかの計画を立てるからには失敗も視野に入れた見通しをするのが普通だが、ルークの問いにフェミ男スパッツはただ首を横に力無く振る。
「わかるか?何やるにしてもある程度のリスクは必ずついて来るもんだ。そしてそのリスクもやろうとしている行為に比例して高くなる。そのやろうとする行為に別から人が加わりゃ尚更だ。なのにてめぇは憎しみを晴らそうともせず、かと言ってそれを忘れようともせず、そして我慢することも出来ないとファブレから逃げ出したいと結論を俺に明かした・・・これのどこが中途半端じゃないと言える?リスクも背負わずやれる事なんてたかが知れてるのに、昔を振り返れば髭謡将が用意する安全の上でしか事を起こそうとしなかった。その上で全て知った俺が状況をお前用に整えてやったってのに、当の本人は不幸で辛いと陶酔して今の状況を用意した俺に言うばかり・・・そんな状況なんだぞ、お前?それでも自分は中途半端じゃないって否定出来る材料、あるか?あるなら言ってみろ、ちゃんと耳の穴かっぽじって聞いてやるからよ」
「・・・う、あ・・・あ、あぁ、あ・・・!」
更にとどめとばかりに穴を見せない口撃を怒涛のように撃ち込み、ルークは空いた手でホントに耳の穴に指を突っ込みほじくる。だが最早反論など出て来る様子はない、目はキョロキョロとルークから視線を外そうとしまともな言葉も出て来る気配がないほどどもってしまっている。
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