焔と渦巻く忍法帖

「・・・ん~、確かに難しいや!」
そう言いながらも嬉しそうな顔で箱に向かい心を弾ませていた。
「こんな難しい封印初めてだよ!」
ナルトは戦闘力だけでなく、頭もいい。火影でさえ解く事が難しいとされる暗号を軽々と解くだけでなく、自ら暗号を作り誰にも解けない程のものを作っていた。頭脳においても最高クラスだという事が火影に認知されている。とはいえこれは出来るはずがない、火影はそう鷹をくくっていた。
「あ、でもここをこうすれば・・・」
火影は「この箱の封印が解けない限りはナルトに暗部として任務をやるわけにはいかん!」というつもりで自信満々であったが、そろそろ解ける気配がしてきた事に気付いていない。
「あー!!わかった!!」
声を大きくしてさっさと封印の解除に取り掛かったナルト。・・・哀れ火影。



箱に書かれていた内容からある印を組めば解除されると理解したナルトは、ササッと印を組んで封印の術式を解除をすると、中から一本の巻物がでてきた。
「・・・中身は見るなって言われてないから見てもいいか!」
好奇心に負けてしまう子供は幾らでもいる。暗部で名をはせたナルトといえど巻物の中身がどんなものなのかという誘惑には勝てなかった。
「なになに・・・」
『これに示している術式は異なる世界に飛ぶものである。偶然から生まれた術ではあるが、空間を隔てた世界に任務などなかったため、新たな術としてこの巻物に封印する所存なり』
この文を読んだナルトは異なる世界というものに爛々と目を輝かせていた。事実そのような術式など今まで存在していたことも知らず、更にはまったく見たこともない世界・・・
興味を引く内容としては十分すぎる程である。
「じゃあ、行ってみよう!」
と、右手を挙げて宣言したあとササッと巻物に書かれていた印の通りに印を結ぶと、眩い光がナルトを覆いその部屋からナルトの姿がなくなっていた。




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