「まず必要なのはキムラスカ・ダアト間での連携です。ただそれは最低限の事、まだやるべきことは残っています。それは外殻大地の降下です」
「外殻大地の降下か・・・いずれ残った地も崩落するだろうから確かにそれはわかるが、可能なのか？」
「はい。勝手かとは思いましたが、事前にセフィロトに回らせていただきました。そのため一つ操作をすればすぐにでも外殻大地の降下に踏み切る事が出来ます。ただ操作は私にしか出来ないようになってますので、その時は私に任せていただくことになります」
「ふむ・・・」
「ただそこでこの場にいる方々と、後に向かわせていただきますキムラスカ・ダアトの重臣の方々だけにお願いしたいことがあります。それはユリアシティの存在に関して、一切の関知をしないことを約束していただきたいのです」
「！？」
「ユリアシティに・・・？」
話をする中ルークから出て来たユリアシティという言葉に修頭胸の顔が驚きに満ちるが、それに気付かないピオニーは怪訝そうに身を乗り出す。
そしてルークは話し出す、特に時代の流れに逆らおうとするだろうユリアシティの預言保守派の排斥の道を・・・



「はい。外殻大地降下をするにあたって問題となるのは、魔界の障気に飲まれることなく既存の技術では作ることの出来ない材質で作られたユリアシティ・・・外殻大地降下を成したなら遠くない内にその存在は各国の民に知れ渡るでしょう、船が都合よくユリアシティだけを避けるように航路を向けるとは限りません。寧ろ見つからないほうがおかしいと言えます」
「・・・確かにそれは言えるな」
創世歴から今に至るまでその存在が公にならなかったのは魔界にあったから、だが外殻大地が降下したならほぼ確実にユリアシティは見つけられる。そう言われピオニーは一つ頷く。
「その時に問題になるのは当然、ユリアシティの存在の意味です。ですがユリアシティの役割は預言が実行されてきたかどうかの監視役、今の時勢においては預言は排斥の流れにあります。その役割を担っていたユリアシティに好意的な視線は向けられないでしょう、大方の意見としては大詠師との関係を疑う声で」
「・・・っ！」
「・・・だろうな」
そして見付かった後の状況推測に修頭胸は引き攣り、ピオニーはもう一つ頷きを入れる。
「その時三国の内どこかがユリアシティを知っていたと言って、下手な発言でもしようものなら折角落ち着いていた流れもぶち壊しになります。特にダアトは大詠師に全てをなすりつけねば、関連性を疑われまた預言の事で一悶着なんてことにも成りえます」
「・・・だからユリアシティの事に対して我関せずを貫け、か。だがそこまでユリアシティの存在を危惧しているのに、その存在に対しての対策は取っていないのか？」
ユリアシティの危険性はわかった、だが事前にその危険は抑える事が出来ないのか？
皇帝としては当然の懸念に、ルークは当然と言わんばかりの笑みを浮かべる。
「だからこその第七譜石と、ローレライなのです」
「・・・どういう風にやるんだ？」
切り札は我にあり、その切り札の存在の使い方を自信ありげに話すルークにピオニーは先を促す。






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