焔と渦巻く忍法帖 第二十三話

「・・・・・・・・・ママと、話して来てもいいですか?」
「クイーンと?・・・ああ、いいってばよ」
長考をしていたアリエッタはようやく考えをまとめ、まずはクイーンに会いたいと相当に苦い顔をしながら言い出す。ナルトはその苦悩の様子を見て了承しながら印を組み、隣に影分身を出現させる。
「時間をかけてクイーン達のいる所まで行くのもなんだろうし、俺の影分身が連れてくってばよ。準備はいいか?アリエッタ」
「はい・・・」
出現した影分身がアリエッタに近付き、頷くと影分身が身体を抱える。そしてその瞬間、ルーク達の元からアリエッタが影分身とともに姿を消した・・・









・・・それからシェリダンに行くためにタルタロスを動かしている最中、アリエッタはナルトの影分身とともにタルタロスに戻ってきた。そしてナルトが影分身を消した後、クイーンとの会話の時影分身もその場にいなかったルークが状況を聞いたら、結論から言えばクイーンはナルトの世界に行く気はなく、アリエッタはクイーンとすごく話を交わした末にナルトの世界に移住することを決めたとのことだった。アリエッタもクイーンと別れると一大決心するまで話を交わした為、その瞳には揺れを燈した迷いはなかった。

ただここで問題に上がったのは、アリエッタが忍として活動したいと言い出した事だ。もちろん忍として活動したいと言い出した事は構わないと二人は思っているのだが、アリエッタが動けそうなタイプでない事が気掛かりであった。

・・・忍には役割がある。バリバリの前衛役のリーやネジ、ある程度離れた距離も戦える中衛役のシカマルやシノ、術や忍具などで遠距離から攻撃するテンテンに我愛羅、そして全てがオールマイティに強いナルトにルーク・・・代表に上げた忍の強さについてアンバランスなのは置いておくが、忍同士の組み合わせ次第で出来る任務の幅や種類が決まって来る。忍の力量も含め、これらの人物をどう組み合わせるか・・・効果的な組み合わせを考える意味でも、どのようなタイプかを知らなければ話にならない。

シンクは様子を見ると伸びしろがある分にオールマイティに強い部類に入る可能性があるが、アリエッタがやれそうなのは必然的に中・遠距離タイプに限られていた。だがどのような術を使えるかどうか、それは生まれからの資質が関係してくる部分が大きい。事実リーはなりたくて前衛役になろうとしたのではなく、前衛役になる以外に忍を続ける道がなかったために体術を極めていった。
アリエッタがもし忍術・幻術を使える資質がなかったら・・・諦めるか、前衛役を務めてもらう為にシンクより過酷な修業をするしかない。それを調べるためにも、ナルトはアリエッタの資質を調べているのだ。









「資質があるなら幻術辺りが使えそうとは思うんだよな、アリエッタは。後は口寄せ辺りかな、得意になりそうなのは」
「シンクはどう見ますか?」
「体術だな、今でも下忍になりたてくらいの奴なら倒せるだろうし。後は風遁を使えそうかなぁ、名前的に」
「・・・貴方、適当に答えてませんか?」
「まっさかぁ」
「・・・」
アリエッタの話から、何故か談笑に変わっている。サフィールは烈風という二つ名だけで話しているのではと思ったが、緩い笑顔で否定されても信憑性が強まるだけではないかと感じていた。ただ変な嘘はナルトと違いつかないので、これも普通に答えているだけのことなのかもとも感じていた・・・












・・・一部やり切れない様子になっている者達もいたが、それでも船は進む事を止めなかった。
ケセドニアから出港した船は特に大したトラブルもなく、シェリダンの港へとたどり着いた。









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