焔と渦巻く忍法帖 第二十三話
・・・修頭胸が具合を良くしていない理由、それはこの数日でのダアトでのことが関係している。
ダアトで時間を潰す事数日、修頭胸にのしかかったのは惑星屑の部下で老け髭の妹という立場での同じダアト所属の人間から向けられる白い目であった。
これはダアトにルーク達はいたので修頭胸には影分身をつけるまでもないだろうということでつけなかったのだが、その時に事件は起こった。
・・・ダアトにいる時修頭胸に絶え間無くかかってきたのは、惑星屑と老け髭との関連性を未だに疑う声だ・・・直属の上司と肉親、世界を裏から操ろうとしていた人物二人と連絡をつけるにはこれ程絶好の人材は中々見当たらない・・・何も知らない人間が修頭胸を疑うにはあまりにも当然と言える要素に満ち満ちている、同じダアト所属の人間からそんな声を聞き続けて修頭胸の怒りが爆発しないはずがなかった。
その時叫んだ言葉が「私はモース様とは関係していない!兄さんに関しても私はその企みを止めようとしたわ!」というものである・・・ここまでだったらまだ修頭胸の立場は同情的な視線で見られるだけに留まっていただろう。だがここでまた修頭胸はヘマを犯してしまった。
「だったらいつヴァンの企みを知ったんだ?」
・・・場にいた男から出て来たこの言葉、この言葉に対してせめてルークによって企みを知ったからとでも言えば逃げようがあっただろう。だが・・・ここで修頭胸は兄の罪を思い出すのが辛いのか、言いにくそうに「・・・二年前」と馬鹿正直にその答えを明かした、とのことだった。
・・・その瞬間、その場はどよめきだしたとのことだった。主になんでこいつは兄がそこまでやっていることがわかるのに、二年も放置していたのかという疑問の声と呆れが尊大に含まれた視線つきで。
そこから修頭胸は自己弁護の為に信じたくなかったなどとの大きく声を上げていたとのことだったが、「じゃあいつお前はレプリカのルーク様とともに具体的にヴァンを止める為に動こうとしたんだ?」と声が上がった時に修頭胸は何かを言おうとして突然言葉を止めたらしい。
・・・その時の様子を考えてみるに、恐らく修頭胸の頭に浮かんだのはルークとの出会いの場面だろう。ファブレ公爵邸襲撃という普通の感性を持つものからしてみれば絶対に犯しえない愚行であり、非難されるべき行動・・・文字通りナルトによって心底教え叩き込まれた罪の証・・・
それをまた馬鹿正直に話すのは流石にまずいと悟ったのだろう・・・だが時は既に遅かった。ごまかすなどと、嘘の話を思いつけない修りの頭しか持たない修頭胸では無理だった。
何か言おうとして途端に勢いの消えた修頭胸に、周りの人達は一気に修頭胸を怪しみだした。そしてその視線からどうにも出来ないと感じたのか、修頭胸はよりによって必死にその場から逃げ出したらしい。
・・・それから噂は噂を呼び修頭胸に関して説明を求める声がイオン、それにトリトハイム達に殺到した。何故ヴァンの妹はそのような態度を取ったのかと。そしてそのころにはこの問題はルーク達の耳に入っていた。
ルーク達は修頭胸の事をどう取り繕って説明するか、そう相談しあうイオン達に近付いてアドバイスをしてやった。
・・・修頭胸にとって絶対に救われる事のない、生き地獄を招く為に。
「正直に明かすんだよ、ファブレ公爵邸襲撃の事実を。その上でファブレ公爵邸での被害に対する慰謝料を稼がせる為に働かせているって言うんだ」
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ダアトで時間を潰す事数日、修頭胸にのしかかったのは惑星屑の部下で老け髭の妹という立場での同じダアト所属の人間から向けられる白い目であった。
これはダアトにルーク達はいたので修頭胸には影分身をつけるまでもないだろうということでつけなかったのだが、その時に事件は起こった。
・・・ダアトにいる時修頭胸に絶え間無くかかってきたのは、惑星屑と老け髭との関連性を未だに疑う声だ・・・直属の上司と肉親、世界を裏から操ろうとしていた人物二人と連絡をつけるにはこれ程絶好の人材は中々見当たらない・・・何も知らない人間が修頭胸を疑うにはあまりにも当然と言える要素に満ち満ちている、同じダアト所属の人間からそんな声を聞き続けて修頭胸の怒りが爆発しないはずがなかった。
その時叫んだ言葉が「私はモース様とは関係していない!兄さんに関しても私はその企みを止めようとしたわ!」というものである・・・ここまでだったらまだ修頭胸の立場は同情的な視線で見られるだけに留まっていただろう。だがここでまた修頭胸はヘマを犯してしまった。
「だったらいつヴァンの企みを知ったんだ?」
・・・場にいた男から出て来たこの言葉、この言葉に対してせめてルークによって企みを知ったからとでも言えば逃げようがあっただろう。だが・・・ここで修頭胸は兄の罪を思い出すのが辛いのか、言いにくそうに「・・・二年前」と馬鹿正直にその答えを明かした、とのことだった。
・・・その瞬間、その場はどよめきだしたとのことだった。主になんでこいつは兄がそこまでやっていることがわかるのに、二年も放置していたのかという疑問の声と呆れが尊大に含まれた視線つきで。
そこから修頭胸は自己弁護の為に信じたくなかったなどとの大きく声を上げていたとのことだったが、「じゃあいつお前はレプリカのルーク様とともに具体的にヴァンを止める為に動こうとしたんだ?」と声が上がった時に修頭胸は何かを言おうとして突然言葉を止めたらしい。
・・・その時の様子を考えてみるに、恐らく修頭胸の頭に浮かんだのはルークとの出会いの場面だろう。ファブレ公爵邸襲撃という普通の感性を持つものからしてみれば絶対に犯しえない愚行であり、非難されるべき行動・・・文字通りナルトによって心底教え叩き込まれた罪の証・・・
それをまた馬鹿正直に話すのは流石にまずいと悟ったのだろう・・・だが時は既に遅かった。ごまかすなどと、嘘の話を思いつけない修りの頭しか持たない修頭胸では無理だった。
何か言おうとして途端に勢いの消えた修頭胸に、周りの人達は一気に修頭胸を怪しみだした。そしてその視線からどうにも出来ないと感じたのか、修頭胸はよりによって必死にその場から逃げ出したらしい。
・・・それから噂は噂を呼び修頭胸に関して説明を求める声がイオン、それにトリトハイム達に殺到した。何故ヴァンの妹はそのような態度を取ったのかと。そしてそのころにはこの問題はルーク達の耳に入っていた。
ルーク達は修頭胸の事をどう取り繕って説明するか、そう相談しあうイオン達に近付いてアドバイスをしてやった。
・・・修頭胸にとって絶対に救われる事のない、生き地獄を招く為に。
「正直に明かすんだよ、ファブレ公爵邸襲撃の事実を。その上でファブレ公爵邸での被害に対する慰謝料を稼がせる為に働かせているって言うんだ」
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