焔と渦巻く忍法帖 第二十二話

「ローレライに話を・・・ですか?地核にいるとはハッキリしてはいませんが・・・」
「あくまでも用意はしようかなって思ってるだけのことだよ。可能性としては地核にいるってだけのことだし。それに障気を止める時にはどうせ地核に突入しなきゃいけないんだしな」
「地核に突入・・・障気を中和するにはタルタロスを丸ごと障気中和装置にして突入するしかないんですよね。ですが帰りはどうするんですか?ローレライに会えるか会えないか関係無しにしても、地核に突入したなら生半可な方法では外殻大地まで戻れませんが・・・また口寄せで戻られるので?」
「あ、いや。それがシェリダンの方の老人達に障気中和装置の作成の依頼に行った時、その老人達が人を何人も乗せれる飛行譜業の研究をしててな。一回実験飛行に失敗したパイロットを助けた事から、障気を中和する時にはその飛行譜業アルビオールを借してくれることを約束してくれたんだよ。まぁそのおかげで障気中和装置の協力作成もやってくれるってことを約束してくれたんだけどな」
「そういう事ですか・・・ですが空を飛ぶ譜業ですか・・・少し興味が湧きますね」
アルビオールの事を聞き少し所か大分爛々とした目つきになるサフィール。技術者という面では心惹かれる物があるのだろう。
「なんなら地核に突入する時一緒に行くか?俺とナルトと修頭胸とアルビオールのパイロットはメンバー確定してるけど、流石に障気に塗れた地に突入すんだからあまり行くのはオススメしねーぞ」
「ヴァンの妹も連れていくんですか?」
「話だと地核にローレライがいる可能性が高いんだろ?連れていって譜歌でも歌わせてやりゃ、ローレライも反応してくれんじゃないかなって思ってな。まぁそれで出て来なかったらもういいかなって思ってんだけど」
「ていのいいローレライ寄せという訳ですか。まぁいいでしょう、少々の障気くらいなら別に気にしません。私も貴方達と共に地核に行かせていただきます。実際にこの目でそのアルビオールとやらを確認したいですしね。ローレライはいてもいなくてもこの際構いません」
ローレライ教団に所属していた者であるのに大変失礼な発言をするサフィールだが、ローレライ寄せという言葉に過剰な反応を二人が示す訳はない。同行すると行ったサフィールの言葉を聞き、二人はその場を立ち上がる。
「よーし、んじゃシンクとアリエッタの二人にも話をしに行くか。下眺めてるばっかじゃ飽きて来るし」
「そうだってばね。サフィールも行く?」
話しかけながらも、ナルトはサフィールの浮遊椅子を肩に抱えようかとジェスチャーする。
「私は後でゆっくり行きますので、二人は先に行ってください」
「そう?ならいいや、行こうってばルーク」
「おう」
それに丁寧にサフィールは返すと、二人は会話を終えると一瞬で場から消える。そして一人残ったサフィールは未だ喧騒の様子を見せる下を見下ろす。
「・・・こうやって預言にしがみつこうとする輩がいる内がダアトの華、なんでしょうね。この人の波もいずれ引いていく・・・歴史の裏で一部の者が預言による利を独り占めして、高みの見物をしてきた報いですね。もはや私には関係ない事ですが」
その光景を見てボソリと呟くと、サフィールは人に見られないよう下から目を離しその場から離れていく・・・












預言という世界の在り方の大半を構成していたものはガラガラと崩れ落ちた



それを修正して繋ぎ合わせる事はもう出来ない



神の威光はもうすぐ消滅してしまうのだから・・・






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