焔と渦巻く忍法帖 第二十二話
「まぁ・・・各地の様子を聞く限りでは特にキムラスカとマルクトでは預言を詠まない以外、普通の暮らしをする分には何の問題もなさそうですね」
煙デコと猪思考姫の話をサフィールは切り上げ、今までの流れを総集して自分には影響はなさそうだと口にする。
「いや、サフィールにはまだやってもらいたいことがあるんだ」
「ん?何ですか?」
しかしその声をルークは止め、サフィールへの依頼を願う。
「外殻大地降下が終わったらここから消えるとは言ったけどさ、流石にやりっ放しで消えるのもなんだろうと思ってな。だからこれを渡す」
「これは・・・巻物?」
ルークが手荷物から取り出しサフィールに渡したのは本人が言った通り巻物。
「この巻物には術式を印してある。開けたらナルトの方の世界に転移出来るように仕掛けた術式がな」
「それを・・・何故私に?」
「煙デコ達やインゴベルトのオッサンなんかが俺らがいなくなった後に勝手な事しでかしてくれたら癪だからな。しばらく時間経ったら次を最後にまたこっちに来る予定なんだけど、もし俺が来ない内にあいつらが変な事やったらそれ開いて俺にそのことを知らせに来てくれないかってな。ようは監視だよ」
「・・・成程、そういう事ですか」
万事徹底しているルークの事後対応を聞き、サフィールは巻物を眺めつつ納得した声を上げる。
「あ、それまだ開けんなよ。一回使ったら術式を悟らせないように巻物が燃え上がるように設定してあるから」
「・・・また凝った事をしていますね。ですが何故術式に対してそのような処置を?」
その様子から迂闊に巻物を開けないようにルークは注意し、サフィールは巻物からルークに視線を向ける。
「この術式はもう使う気もないし、使わせる気もないからその跡形も残さないようにするためだよ」
「え?」
「話したろ、木の葉の里の火影の三代目の事。俺とナルトとその三代目の間で話した事なんだけどな、ここと向こうの世界を渡るこの術式。俺の問題が片付いたら禁術指定にもされず、俺らの中で封印されることが決定済みなんだ」
「表向きとしては封印扱いにもされないということですか・・・それが妥当だとは思いますけどね」
サフィールはその術式の末路を聞き、眼鏡を手で押さえ納得した様子になる。
・・・術式を封印、それには話し合った時の三代目の決定が背景にあった。
いかに過去の偉大な忍がこの術式を開発したとは言え、術を開発した忍自身の言葉にもあったように任務なぞ別世界に存在しない。その時点でこの術式を学ぶ必然性という物がない。つまりメリットがないのだ。
更に言うならこの術式が極端な話、大蛇丸などの犯罪者に渡った場合の使われ方が非常にまずいことになる。大蛇丸が術を覚えた場合の使用意図としては人体実験、アジトの確保、逃げ場所の提供・・・上げればキリがない。特に異世界へ逃げるとなったら、術式を知る者でなければ追い掛ける事も出来ない。
術が周囲に知られた時のデメリットが余りにも大きい・・・だから三代目は決意したのだ、この術式をルークとナルトの二人だけの術とすることを。そして二人もそれを理解しているからこそ対策をしているのだ、術式を絶対に広めない為に。
「だから頼むぜ?もしもの時はな」
「ええ、わかりました。判断の基準は私に任せるんですね?」
「ああ、それでいいよ」
そして聞くべき事を終えると、サフィールは巻物を手元にしまい込む。
「・・・まぁそうするなら、大爆発の事に関しては問題はなさそうですね」
「ん?大爆発?」
するとサフィールは巻物をしまいながらボソッと呟き、ナルトがその中から一番気になる単語を口にしてサフィールを見る。その視線と声に気付いたサフィールは顔を上げてナルトの方を見る。
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煙デコと猪思考姫の話をサフィールは切り上げ、今までの流れを総集して自分には影響はなさそうだと口にする。
「いや、サフィールにはまだやってもらいたいことがあるんだ」
「ん?何ですか?」
しかしその声をルークは止め、サフィールへの依頼を願う。
「外殻大地降下が終わったらここから消えるとは言ったけどさ、流石にやりっ放しで消えるのもなんだろうと思ってな。だからこれを渡す」
「これは・・・巻物?」
ルークが手荷物から取り出しサフィールに渡したのは本人が言った通り巻物。
「この巻物には術式を印してある。開けたらナルトの方の世界に転移出来るように仕掛けた術式がな」
「それを・・・何故私に?」
「煙デコ達やインゴベルトのオッサンなんかが俺らがいなくなった後に勝手な事しでかしてくれたら癪だからな。しばらく時間経ったら次を最後にまたこっちに来る予定なんだけど、もし俺が来ない内にあいつらが変な事やったらそれ開いて俺にそのことを知らせに来てくれないかってな。ようは監視だよ」
「・・・成程、そういう事ですか」
万事徹底しているルークの事後対応を聞き、サフィールは巻物を眺めつつ納得した声を上げる。
「あ、それまだ開けんなよ。一回使ったら術式を悟らせないように巻物が燃え上がるように設定してあるから」
「・・・また凝った事をしていますね。ですが何故術式に対してそのような処置を?」
その様子から迂闊に巻物を開けないようにルークは注意し、サフィールは巻物からルークに視線を向ける。
「この術式はもう使う気もないし、使わせる気もないからその跡形も残さないようにするためだよ」
「え?」
「話したろ、木の葉の里の火影の三代目の事。俺とナルトとその三代目の間で話した事なんだけどな、ここと向こうの世界を渡るこの術式。俺の問題が片付いたら禁術指定にもされず、俺らの中で封印されることが決定済みなんだ」
「表向きとしては封印扱いにもされないということですか・・・それが妥当だとは思いますけどね」
サフィールはその術式の末路を聞き、眼鏡を手で押さえ納得した様子になる。
・・・術式を封印、それには話し合った時の三代目の決定が背景にあった。
いかに過去の偉大な忍がこの術式を開発したとは言え、術を開発した忍自身の言葉にもあったように任務なぞ別世界に存在しない。その時点でこの術式を学ぶ必然性という物がない。つまりメリットがないのだ。
更に言うならこの術式が極端な話、大蛇丸などの犯罪者に渡った場合の使われ方が非常にまずいことになる。大蛇丸が術を覚えた場合の使用意図としては人体実験、アジトの確保、逃げ場所の提供・・・上げればキリがない。特に異世界へ逃げるとなったら、術式を知る者でなければ追い掛ける事も出来ない。
術が周囲に知られた時のデメリットが余りにも大きい・・・だから三代目は決意したのだ、この術式をルークとナルトの二人だけの術とすることを。そして二人もそれを理解しているからこそ対策をしているのだ、術式を絶対に広めない為に。
「だから頼むぜ?もしもの時はな」
「ええ、わかりました。判断の基準は私に任せるんですね?」
「ああ、それでいいよ」
そして聞くべき事を終えると、サフィールは巻物を手元にしまい込む。
「・・・まぁそうするなら、大爆発の事に関しては問題はなさそうですね」
「ん?大爆発?」
するとサフィールは巻物をしまいながらボソッと呟き、ナルトがその中から一番気になる単語を口にしてサフィールを見る。その視線と声に気付いたサフィールは顔を上げてナルトの方を見る。
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