焔と渦巻く忍法帖 第四話
泥棒騒ぎも終わり、その場から解放されたルークと飾頭胸(名前で呼ぶ気も起きねぇbyルーク)は宿に向かっていた。
「あなた、何で嘘を言ったの!?大佐に失礼よ!」
(誰よりも失礼なのはテメーだ)
先程のやりとりで偽名を使った事が気にくわなかったのだろう、また見当違いな怒りが爆発したとルークはうざがっていた。しかし、ルークも言われっぱなしで終わらせる気は今回ばかりは流石になかった。
「んじゃ聞くけど、あの場で俺がフルネームで名前を名乗ったらどうなってた?」
「えっ・・・?」
「ファブレっていう名前はマルクトでは敵国の貴族だ。そんな名前を名乗ったら盗人以前に敵と見られてその場で殺される可能性が高かったんだぞ」
「私はファブレの名前は出していないわ!!」
「それと第二に俺はキムラスカ王族にしか備わっていない赤髪と翠の瞳という揺るぎない物証がある。末端の一兵卒ならともかく大佐って地位なら敵国の情報位目を通すだろう。そこでファブレの名前は出さなくてもルークという名前が出たなら王族だと余程のアホじゃなかったらすぐに感づく。あの大佐さんはルークの名前を聞く前から俺を観察し、ルークの名前を聞いた瞬間に俺を値踏みしたような目で見やがった。今ここは村の中だから襲って来ないだけで村から一歩出たら俺はマルクト軍に囲まれて殺されるかもしんねーんだぞ。その時お前俺を守って死ねるか?」
「なっ・・・!?」
「命の危険に立たされたのは俺で原因を作ったのはお前。殺される瞬間にまるで無関係な他人を装うのか?ハッ、自分のしり拭いすら出来ねぇ兵士って最悪じゃねぇの?」
「・・・」
流石に事が大きすぎると判断したのか、反論が出来ない様だ。しかし、最悪のシナリオというのは常に考えておかないといけない。それを全く想像出来ていない飾頭胸は兵士としてというより、人として危機感が足りなすぎる。
「だから俺は偽名を使ったんだよ。偽名で通せば幾らでも誤魔化しはきいたんだ。それを何の考えも無しに台無しにして」
馬鹿だろ、そうルークは耳元で呟き宿に向かっていった。言われた本人は顔を真っ赤にしてずっとうつ向いて動けなくなっていた。
「あ~すっきりした」
「ルーク輝いてるってばよ」
先程の会話をこっそり聞いていたナルトがルークに合流してきた。
「当然だろあれくらい」
「見ててすっげぇ気持ちよさそうな位に追い詰めてたってばよ」
そう言ったナルトも凄くすっきりした顔になっている。短い時間の対面でも大分フラストレーションが溜っていた事がナルト自身にもよく分かっている。ルークの毒舌ショーが始まった瞬間ナルトのモヤモヤした気持ちが晴れ晴れとした気持ちに変わったのだ。
宿に入ったルークとナルトの二人。すると受付に黒髪の神託の盾騎士団の制服を着た少女が目に入った。
「もぉ~、イオン様何処に行っちゃったんだろう」
「導師イオン探してんのか?さっきローズさんの所に居たぜ」
一応の親切心でルークが居場所を教えると「ありがとうございますぅ」とやけにクネクネした口調で礼を返し、その場から去っていった。
「・・・神託の盾騎士団って礼儀知らずばかりなのか?あんなの一兵士がとる行動じゃねぇぞ」
「そうかもしれないってばよ」
軍服を着ている時の行動というのはそのままその行動が軍の評価に関わってくる。私服なら個人と見られるが、軍であのような行動をとれば評価がだだすべりに落ちていくのが理解出来ていないのかと二人は考えていた。
「・・・関わりたくねぇ」
ボソリと呟いたルーク。しかしその希望はあっさりと打ち砕かれる事になる。
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「あなた、何で嘘を言ったの!?大佐に失礼よ!」
(誰よりも失礼なのはテメーだ)
先程のやりとりで偽名を使った事が気にくわなかったのだろう、また見当違いな怒りが爆発したとルークはうざがっていた。しかし、ルークも言われっぱなしで終わらせる気は今回ばかりは流石になかった。
「んじゃ聞くけど、あの場で俺がフルネームで名前を名乗ったらどうなってた?」
「えっ・・・?」
「ファブレっていう名前はマルクトでは敵国の貴族だ。そんな名前を名乗ったら盗人以前に敵と見られてその場で殺される可能性が高かったんだぞ」
「私はファブレの名前は出していないわ!!」
「それと第二に俺はキムラスカ王族にしか備わっていない赤髪と翠の瞳という揺るぎない物証がある。末端の一兵卒ならともかく大佐って地位なら敵国の情報位目を通すだろう。そこでファブレの名前は出さなくてもルークという名前が出たなら王族だと余程のアホじゃなかったらすぐに感づく。あの大佐さんはルークの名前を聞く前から俺を観察し、ルークの名前を聞いた瞬間に俺を値踏みしたような目で見やがった。今ここは村の中だから襲って来ないだけで村から一歩出たら俺はマルクト軍に囲まれて殺されるかもしんねーんだぞ。その時お前俺を守って死ねるか?」
「なっ・・・!?」
「命の危険に立たされたのは俺で原因を作ったのはお前。殺される瞬間にまるで無関係な他人を装うのか?ハッ、自分のしり拭いすら出来ねぇ兵士って最悪じゃねぇの?」
「・・・」
流石に事が大きすぎると判断したのか、反論が出来ない様だ。しかし、最悪のシナリオというのは常に考えておかないといけない。それを全く想像出来ていない飾頭胸は兵士としてというより、人として危機感が足りなすぎる。
「だから俺は偽名を使ったんだよ。偽名で通せば幾らでも誤魔化しはきいたんだ。それを何の考えも無しに台無しにして」
馬鹿だろ、そうルークは耳元で呟き宿に向かっていった。言われた本人は顔を真っ赤にしてずっとうつ向いて動けなくなっていた。
「あ~すっきりした」
「ルーク輝いてるってばよ」
先程の会話をこっそり聞いていたナルトがルークに合流してきた。
「当然だろあれくらい」
「見ててすっげぇ気持ちよさそうな位に追い詰めてたってばよ」
そう言ったナルトも凄くすっきりした顔になっている。短い時間の対面でも大分フラストレーションが溜っていた事がナルト自身にもよく分かっている。ルークの毒舌ショーが始まった瞬間ナルトのモヤモヤした気持ちが晴れ晴れとした気持ちに変わったのだ。
宿に入ったルークとナルトの二人。すると受付に黒髪の神託の盾騎士団の制服を着た少女が目に入った。
「もぉ~、イオン様何処に行っちゃったんだろう」
「導師イオン探してんのか?さっきローズさんの所に居たぜ」
一応の親切心でルークが居場所を教えると「ありがとうございますぅ」とやけにクネクネした口調で礼を返し、その場から去っていった。
「・・・神託の盾騎士団って礼儀知らずばかりなのか?あんなの一兵士がとる行動じゃねぇぞ」
「そうかもしれないってばよ」
軍服を着ている時の行動というのはそのままその行動が軍の評価に関わってくる。私服なら個人と見られるが、軍であのような行動をとれば評価がだだすべりに落ちていくのが理解出来ていないのかと二人は考えていた。
「・・・関わりたくねぇ」
ボソリと呟いたルーク。しかしその希望はあっさりと打ち砕かれる事になる。
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