焔と渦巻く忍法帖 第二十一話
「ですが、よく考えて見てください皆さん。そうやってルーク様を預言通りに行かせないように動く事、それは預言から外れた行動を取っているとは言えませんか?例えそれが預言により死ぬと言われたルーク様を助ける為とは言っても本当に善意で動いていたというなら、兵士の人達が襲われなければならない理由という物がありません」
‘・・・確かに・・・’
だがそんな面の皮の厚さまでも利用すべく、ルークは話題を一気に詰める。群衆達も預言通りにするべきだという声を出すこともなく、ルークの話に納得している。
「その疑問も、こちらの三人が答えてくれました。その答えとはヴァン謡将が表向き預言通りに行っていると思わせるよう、アクゼリュス消滅をルーク様ではなく私に行わせようとしていたからです」
‘‘‘‘!?’’’’
「筋書きとして言うとアクゼリュスを消す為にあえて大詠師に従い兵士を消し、その後謡将は私にかけた暗示を持ってセフィロトを超振動によって崩落させ、ルーク様が死んだように思わせることで彼の思惑は成功・・・といった物です。とは言ってもお二方からの情報のおかげで我々はもちろん、アクゼリュスの皆様も無事に生きることが出来ましたが」
‘おぉ・・・’
全てはシンク達のおかげ。盛大にシンク達の株を上げる話し口に、群衆達は感嘆の声を三人に向けてあげる。同時に老け髭達に対しては真逆の冷たい視線が突き刺さるばかりで、老け髭達は目を鋭くし三人の方を凝視する。恨まない方がおかしいと言わんばかりの視線だが、それが三人が老け髭達に関わった分の罪に対する酌量の余地を作る事になるので三人もルークも一切気にしない。
・・・余談だが、ルークにかけられていた暗示は全く意味が無いものだった。何故ならルークが暗示にかけられた時、そのルークは影分身だったからだ。影分身に暗示をかけられようと痛くも痒くもない、怪我をしても幻術にかかっても別に本体には影響はないのだから。そしてその暗示はその時の影分身が姿を消した瞬間意味を為さなくなった、つまり無駄だったのである。まぁ本体に暗示をかけられたとしてもルークがすぐさま解除出来る拙いレベルだったので、どう転んでも暗示は意味が無かっただろう。
「ですがそうやってアクゼリュスの住民を救出した後にも、まだ問題がありました。それがアクゼリュスが消滅する、という預言の先にあるものです」
ホッとさせたのも束の間、ルークは群衆達に危機感を煽る為に預言の中身をまた悪い物だと連想させるような言葉を投げかける。
‘‘‘‘・・・っ・・・’’’’
そんな流れを組んで想像してしまったのだろう、危険な物を。いたずらに騒ぎ立てる者はおらず、息を呑んだ動作の後ルークの言葉を待つ光景が広がる。
「和平の為に両国で協力をしてアクゼリュスの住民を助けなければいけない時にそのような行動・・・もし私達が何も知らない状態だったならアクゼリュスとともに消滅して死に、我々を派遣したキムラスカやマルクトは行方を自然と悟るでしょう。そうなった時に様子を語れるのは生きているヴァン謡将くらいしかいません。ですが我々を殺してまで預言通りに行かせたい大詠師、そう見せたい謡将・・・流れを作った後、二人は満を辞して言うつもりだったんです。『これはマルクトの陰謀です』と」
‘‘‘‘!?’’’’
「アクゼリュス消滅の先に詠まれた預言・・・それは両国の戦争です」
‘戦争!?’
前置きを相当に置いて流石に悪い流れを感じざるを得なかったとは言え戦争までは予想していなかったのだろう、驚きの声が上がり群衆達がどよめきだす。
「静かにお願いします!・・・皆様が信じられないという気持ちもわかります。ですが紛れも無い事実です・・・今からそう確信するに至った経緯と出来事をお話します」
そんなどよめきを一喝して黙らせ、ルークは話をゆっくりと続け出す。
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‘・・・確かに・・・’
だがそんな面の皮の厚さまでも利用すべく、ルークは話題を一気に詰める。群衆達も預言通りにするべきだという声を出すこともなく、ルークの話に納得している。
「その疑問も、こちらの三人が答えてくれました。その答えとはヴァン謡将が表向き預言通りに行っていると思わせるよう、アクゼリュス消滅をルーク様ではなく私に行わせようとしていたからです」
‘‘‘‘!?’’’’
「筋書きとして言うとアクゼリュスを消す為にあえて大詠師に従い兵士を消し、その後謡将は私にかけた暗示を持ってセフィロトを超振動によって崩落させ、ルーク様が死んだように思わせることで彼の思惑は成功・・・といった物です。とは言ってもお二方からの情報のおかげで我々はもちろん、アクゼリュスの皆様も無事に生きることが出来ましたが」
‘おぉ・・・’
全てはシンク達のおかげ。盛大にシンク達の株を上げる話し口に、群衆達は感嘆の声を三人に向けてあげる。同時に老け髭達に対しては真逆の冷たい視線が突き刺さるばかりで、老け髭達は目を鋭くし三人の方を凝視する。恨まない方がおかしいと言わんばかりの視線だが、それが三人が老け髭達に関わった分の罪に対する酌量の余地を作る事になるので三人もルークも一切気にしない。
・・・余談だが、ルークにかけられていた暗示は全く意味が無いものだった。何故ならルークが暗示にかけられた時、そのルークは影分身だったからだ。影分身に暗示をかけられようと痛くも痒くもない、怪我をしても幻術にかかっても別に本体には影響はないのだから。そしてその暗示はその時の影分身が姿を消した瞬間意味を為さなくなった、つまり無駄だったのである。まぁ本体に暗示をかけられたとしてもルークがすぐさま解除出来る拙いレベルだったので、どう転んでも暗示は意味が無かっただろう。
「ですがそうやってアクゼリュスの住民を救出した後にも、まだ問題がありました。それがアクゼリュスが消滅する、という預言の先にあるものです」
ホッとさせたのも束の間、ルークは群衆達に危機感を煽る為に預言の中身をまた悪い物だと連想させるような言葉を投げかける。
‘‘‘‘・・・っ・・・’’’’
そんな流れを組んで想像してしまったのだろう、危険な物を。いたずらに騒ぎ立てる者はおらず、息を呑んだ動作の後ルークの言葉を待つ光景が広がる。
「和平の為に両国で協力をしてアクゼリュスの住民を助けなければいけない時にそのような行動・・・もし私達が何も知らない状態だったならアクゼリュスとともに消滅して死に、我々を派遣したキムラスカやマルクトは行方を自然と悟るでしょう。そうなった時に様子を語れるのは生きているヴァン謡将くらいしかいません。ですが我々を殺してまで預言通りに行かせたい大詠師、そう見せたい謡将・・・流れを作った後、二人は満を辞して言うつもりだったんです。『これはマルクトの陰謀です』と」
‘‘‘‘!?’’’’
「アクゼリュス消滅の先に詠まれた預言・・・それは両国の戦争です」
‘戦争!?’
前置きを相当に置いて流石に悪い流れを感じざるを得なかったとは言え戦争までは予想していなかったのだろう、驚きの声が上がり群衆達がどよめきだす。
「静かにお願いします!・・・皆様が信じられないという気持ちもわかります。ですが紛れも無い事実です・・・今からそう確信するに至った経緯と出来事をお話します」
そんなどよめきを一喝して黙らせ、ルークは話をゆっくりと続け出す。
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