焔と渦巻く忍法帖 第二十一話
「皆様・・・遠路はるばるおいでいただき、ありがとうございます」
ルークが後ろにナルト達を引き連れる形で各国の代表者達にかしこまった態度で頭を下げる。そのメンバーはキムラスカからはファブレ公爵、マルクトからはゼーゼマン参謀総長、ダアトからは予想通りトリトハイム詠師といった物だ。そしてルーク達と対しているその三人の横にはアスターも今にも揉み手をしそうに位置をつけている。
「うむ・・・それはいいのだが、我々は特にやることがないというのは真なのか?」
「えぇ、それは。貴方方には見届け人としてここに来ていただいています。面倒な説明役及び警護やその他諸々は私達が担当致しますので、場の空気に合わせてくだされば結構です」
そんな中でファブレ公爵のどこか拍子抜けと言わんばかりの質問が出るが、下手に動かれても面倒と考えているルークは打ち合わせていた通りだから気にする必要はないと丁寧に告げる。そんな時、ファブレ公爵はふとルークの後ろに目をやる。
「導師、どうされたのですか?具合でもよろしくないのでは?」
「え・・・いえ、気にしていただきありがとうございます。ですが、私は大丈夫です・・・」
「・・・はぁ・・・」
公爵の目に止まったのは明らかに顔色が優れず、顔を背けたイオン。公爵は気を遣った声をかけるが、イオンは全然平気と言える声色ではないので何とも言えない声を上げる。
だが公爵が続いて声を上げようとした時、屋敷の入口から使用人らしき人間が入室してきた。
「失礼します、ヴァン謡将処刑の予定時間です」
「そうか、下がっていい・・・聞いての通りです、皆様方」
「えぇ、わかりました。では皆さん、参りましょう。謡将処刑の舞台に」
使用人がアスターに時間を告げると、自然と代表者達の間に緊張感が走る。そしてそれを聞きルークは先陣を切る形で入口へと歩きだし、皆は頷くとその後をぞろぞろとついていく。
形としてはルークの後に各国代表者でその後ろにナルトやイオン達がいるのだが、その中でイオンはトリトハイムにそっと近付く。
「トリトハイム・・・」
「今更異論は聞き受けません、導師。それに朱炎殿が言われたような事態が起こった時、貴方の判断が納得のいくものでないならそれはダアトの評価を予定される物より著しく下げる事・・・理解出来ない訳ではありませんな?」
「・・・はい・・・」
静かに二人だけで行っている会話であるのに、中身はイオンをまるで激しく打ち据えているようにトリトハイムの声は容赦がない。ナルトはその声を盗み聞き、あからさまにうなだれそうなイオンの姿を見て口角が上がるのを禁じ得なかった。
‘おい、見ろよ!代表者達が屋敷から出て来たぞ!’
アスターの屋敷から出てすぐそこにある広場。国境にまたがった酒場の前で今か今かと待ち構えていた人だかりの中から、ルーク達を見つけた男の声が辺りに響き渡り周囲は騒然としだしてルーク達を注目する。
酒場の少し前に色々設置された店を片付け、その更地と噴水までの敷地分の場所に土台を作って木の板で足場を組み形成された即席の処刑台。平均的に成人男性の腰くらいの高さに設定されたその処刑台に備え付けられた階段をルーク・ファブレ公爵・ゼーゼマン・イオン・トリトハイムが上り、ナルトを除いた面々が処刑台の両隣にバラけて位置をつける。
「皆様、ご静聴をお願いします。これよりヴァン謡将の処刑を始めます」
そして処刑台の真ん中に立ち周りがちゃんと位置について静止したのを見計らい、ルークはよく通る声でざわつきを消すよう開始を告げる。
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ルークが後ろにナルト達を引き連れる形で各国の代表者達にかしこまった態度で頭を下げる。そのメンバーはキムラスカからはファブレ公爵、マルクトからはゼーゼマン参謀総長、ダアトからは予想通りトリトハイム詠師といった物だ。そしてルーク達と対しているその三人の横にはアスターも今にも揉み手をしそうに位置をつけている。
「うむ・・・それはいいのだが、我々は特にやることがないというのは真なのか?」
「えぇ、それは。貴方方には見届け人としてここに来ていただいています。面倒な説明役及び警護やその他諸々は私達が担当致しますので、場の空気に合わせてくだされば結構です」
そんな中でファブレ公爵のどこか拍子抜けと言わんばかりの質問が出るが、下手に動かれても面倒と考えているルークは打ち合わせていた通りだから気にする必要はないと丁寧に告げる。そんな時、ファブレ公爵はふとルークの後ろに目をやる。
「導師、どうされたのですか?具合でもよろしくないのでは?」
「え・・・いえ、気にしていただきありがとうございます。ですが、私は大丈夫です・・・」
「・・・はぁ・・・」
公爵の目に止まったのは明らかに顔色が優れず、顔を背けたイオン。公爵は気を遣った声をかけるが、イオンは全然平気と言える声色ではないので何とも言えない声を上げる。
だが公爵が続いて声を上げようとした時、屋敷の入口から使用人らしき人間が入室してきた。
「失礼します、ヴァン謡将処刑の予定時間です」
「そうか、下がっていい・・・聞いての通りです、皆様方」
「えぇ、わかりました。では皆さん、参りましょう。謡将処刑の舞台に」
使用人がアスターに時間を告げると、自然と代表者達の間に緊張感が走る。そしてそれを聞きルークは先陣を切る形で入口へと歩きだし、皆は頷くとその後をぞろぞろとついていく。
形としてはルークの後に各国代表者でその後ろにナルトやイオン達がいるのだが、その中でイオンはトリトハイムにそっと近付く。
「トリトハイム・・・」
「今更異論は聞き受けません、導師。それに朱炎殿が言われたような事態が起こった時、貴方の判断が納得のいくものでないならそれはダアトの評価を予定される物より著しく下げる事・・・理解出来ない訳ではありませんな?」
「・・・はい・・・」
静かに二人だけで行っている会話であるのに、中身はイオンをまるで激しく打ち据えているようにトリトハイムの声は容赦がない。ナルトはその声を盗み聞き、あからさまにうなだれそうなイオンの姿を見て口角が上がるのを禁じ得なかった。
‘おい、見ろよ!代表者達が屋敷から出て来たぞ!’
アスターの屋敷から出てすぐそこにある広場。国境にまたがった酒場の前で今か今かと待ち構えていた人だかりの中から、ルーク達を見つけた男の声が辺りに響き渡り周囲は騒然としだしてルーク達を注目する。
酒場の少し前に色々設置された店を片付け、その更地と噴水までの敷地分の場所に土台を作って木の板で足場を組み形成された即席の処刑台。平均的に成人男性の腰くらいの高さに設定されたその処刑台に備え付けられた階段をルーク・ファブレ公爵・ゼーゼマン・イオン・トリトハイムが上り、ナルトを除いた面々が処刑台の両隣にバラけて位置をつける。
「皆様、ご静聴をお願いします。これよりヴァン謡将の処刑を始めます」
そして処刑台の真ん中に立ち周りがちゃんと位置について静止したのを見計らい、ルークはよく通る声でざわつきを消すよう開始を告げる。
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