焔と渦巻く忍法帖 第二十一話

・・・そんなルーク達はセフィロトの中に入り、セフィロトへの道をさっさと歩んでいく。途中動力切れを起こした昇降機により少し足止めをくらいはしたが、それは壁を上り下りしてセフィロトのあるところを見つけだし、パッセージリングを操作出来る場所まで歩ける所を歩いてたどり着いた(まぁ面倒だったし、昇降機の動力源になりそうな近くにいた機械人形倒すのbyルーク)。



「・・・よーし、封印は解けたなっと」
透明な足場の中で細い足でそそり立つ制御板の前、ルークは老け髭の入ったずだ袋を影分身に自らの目の前に置かせると満足そうに老け髭をまたぎ制御板を叩いていく。
「よし、これでメジオラ高原のセフィロト操作も終わりっと」
パンと制御板を叩き上を見上げルークは満足そうに頷く。そして後ろを向き膝を屈めると同時に、ルークは左手にチャクラを宿して老け髭の袋にかざす。
「あー、やっぱ多いな。障気の量」
そう呟くとルークは軽く意識を集中し、チャクラの光の中の手元の障気を一瞬で消滅させる。
「大丈夫なのですか、ヴァンは・・・?」
「心配いらねーよ、こうやって献身的に体見てやってんだからな」
その様子を見てイオンは心配そうな声を出すが、ルークは立ち上がり全く心配してないと老け髭を軽く蹴りながら答える。
「しっかし厄介だよな~、封印解く度にセフィロトに蔓延してる障気を引き取るなんて。これもセフィロトが限界に来てる証じゃあるんだろうけど、これじゃ自分の死を天秤にかけなきゃセフィロトの操作なんて出来ねーな。ま、このオッサンはそれをわかってやっていこうとしてたんだろうけど」
「・・・」
イオンに話しかけながらも、ゲシゲシ老け髭の入った袋を蹴り続けるルーク。どうとも言えずにイオンはただ黙るばかり・・・



老け髭の体内から大量の障気を見つけたのは、グランコクマから一番近いセフィロトのシュレーの丘から出た後に体調のチェックをしたことから発覚したものだ。

今の老け髭の状態は幻術により寝たきりの状態という事以外に、放っておいた足と肋骨の骨のヒビの事がある。それを見るついでにルークは老け髭の検診をしたのだが、そこで障気丸以外の障気が体を蝕んでいることに気付いた。

最初ははっきりとした理由がわからなくて頭を捻ったルークだったが、その理由が判明したのは次のセフィロトのタタル渓谷にたどり着き制御板の前に老け髭を置いてユリア式封呪の解呪をさせた直後だった。

憶測を色々立てながらパッセージリング操作に挑んでいたルークは、すぐに老け髭の異変を調べた。そこでルークはユリア式封呪を解呪することで、セフィロトに蔓延する障気を受け取っているのだと確信した。

故にルークはセフィロトを一つ回る度に障気を老け髭の体から取り出している・・・



「つってもパッセージリング操作の最中に死なれても困るからな、死なせやしねーよ」
だがルークは純粋な善意で老け髭を治療する気など一切ない。ただそんな中途半端な状態で死んでしまっても何も達成出来ないからだ。仕返し、意趣返し、そして全体を通してのフラストレーションの発散が。
「そうですか・・・」
「ま、今日はもうここまででいいだろ。さっさとシェリダンに行くぞ」
イオンのはっきりとしない声が聞こえて来るが、ルークはそんな声に一々反応する気はない。さっさとイオンの体と老け髭を影分身に担がせると、一瞬で制御板の前から消える。












・・・ナルト達はゆっくり時が経つのを待ち、ルーク達はセフィロト巡りに忙しい。

そんな状況でナルト達がバチカルに報告を済ませてから数日程が経っていた。






ブリッジにてナルトとシンクが向かい合いあぐらをかき、アリエッタとサフィールはその会話を見守っていた。
するとナルトは何かに反応したようピクッとする。
「どうしたんですか?」
その反応にサフィールが三人の疑問を代表してナルトに聞く。



「あぁ、今アクゼリュスが崩落したって影分身が知らせてくれたってば」










13/29ページ
スキ