焔と渦巻く忍法帖 第二十一話

・・・二手に別れたルーク達とナルト達。









そんな中でルークに変化したナルト率いる一行はタルタロスでバチカルへとたどり着き、一気に謁見の間へと入る。
「ご無沙汰しています陛下、只今戻りました」
「う、うむ・・・」
適当な位置まで移動してうやうやしく頭を下げるナルトに、インゴベルトは複雑そうに頷く。
「早速ですが、まずはご報告から致します。マルクトは和平の件を受け入れました」
「そ、そうか・・・」
だがくだらない時間をかける気は毛頭ないナルトは早々と表向きな結果を伝える。インゴベルトはどうとも言えない様子で返すが、納得しているかどうかはナルトには関係ない。
「ただその点につきまして少々問題がありまして・・・とは言っても公の場で言うには少し憚られる物でもあります・・・陛下、人払いをお願いしてよろしいですか?出来ればあの時のように・・・」
「っ!・・・わかった。兵士もそうだがアルバイン、そなたも退出しなさい。まずはわし一人で話を聞き、後に判断を下す」
「はっ・・・かしこまりました」
まずはグランコクマでやったように人払いを命じさせるが、そこに周りに誰もいない状況を作れと含みと殺気を入れる。
・・・その自らだけに向けられた物に避けられない、拒否したら確実な死が待っていると感じたのだろう。インゴベルトは全体を見渡すように視線を送り、アルバインと呼ばれた中年男性を見て真剣に声を搾り出す。その王らしさに感化されたのか、アルバインのあっさりとした返事を受けて兵士達とアルバイン自身は謁見の間を退出していく。



そして場にインゴベルト一人というあまりにも警護の危険性が問われる場で、人払いは終了した。
「・・・さぁ、誰もいなくなった。話してくれ」
だがそれでも目の前のルークに変化したナルトと、ナルトに変化したルーク影分身に逆らう事の方が余程危ないと感じたのか。
開き直りに等しくいきなり目に怯えを宿らせ、態度だけはそのままにインゴベルトは話をしてくれと言ってくる。
「はい、それではお話します・・・」
そしてナルトもしっかりと話し出していく、ユリアシティで起こった事とグランコクマにて話した外殻大地存続の危機も併せて・・・












「・・・という訳です」
そして、全部を話し終えたナルト。
「・・・事態はそこまで深刻な状態に陥っていた、というのか・・・!?」
その話を聞いたインゴベルトの反応はどうかと言えば、目を丸く剥いてパチクリパチクリと瞬きを尋常じゃないくらいしながら脂汗を顔全体でかいている。察するに相当に事態が重く、受け止めるのがやっとと言った所だろう。
「ええ、そういうことです」
しかし熟考して考える暇など与える気はないし、暇を与えても問題を解決する術はないのだ。ルーク達の考えたシナリオ以外、世界がまともに動く術は。
「まず外殻大地の降下は必要だというのは理解出来るでしょう、何しろ世界が滅びるかどうかに関わる問題なんですからね・・・だからこそ、問題は後一つあるんです」
ナルトはインゴベルトに詰め寄るような声で語気を強めて、間を殺す。
「もはや預言に頼らないと言われたのは陛下自身です。そして外殻大地降下と液状化した大地を元に戻すには国と民にその事実と危険性を伝えねば、非常にあやふやになり今度は国が危険な物となる可能性が高くなります。だから陛下が宣言をする必要があるんです、今度は世界に向けて」



「キムラスカ・マルクト・ダアトが預言を詠むのを止めることを導師とピオニー陛下に併せて宣言する必要が」








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