焔と渦巻く忍法帖 第二十話
「そう。これは一般の教団員クラスではまず受け止めるのに厳しい事実、戦争という事実を自分の中だけに押し止めておくにはあまりにも重過ぎます。このことを確実に黙ってくれる人材を下から見つけて来るのは酷という物です・・・となれば必然、黙ってくれる上に信頼出来る位置にいる人間を頼らなくてはいけなくなります」
「それが・・・私と言いたいのですか?」
「えぇ、ユリアシティの存在は一般に知られてはいませんし監視者の街という名の役割から見るなら貴方方この街の住民以外に適役はいません」
そこまで言い切ると後は答えを聞くばかりだと、ルークは腕を組んで市長を黙って見据える。
・・・監視者の街、ユリアシティの別の呼び名。その名を知っているのはダアトに関係する、ほんの一部の者のみが知る。
その呼び名を聞いて勘弁したのか、どこか落ち着いたようになり口を開く。
「・・・はい、確かに私は預言の事実を知っていて大詠師に譜石を折る事に協力いたしました」
「「「「!?」」」」
その落ち着いた肯定に詠師達の表情が一斉に信じられない物を見る物となって、市長を見る。だが市長は詠師達には一切視線をやらず、ルークに質問する。
「私からもいいですかな、朱炎殿?」
「なんですか?」
「貴方のお話に先程の音機関、聞けば聞く程預言は達成させられている条件が整っていたと思われますが・・・何故和平、などという事になったのですか?」
・・・質問の意図と悪意が一気に跳ね上がった。市長の雰囲気からして声色は平静だがどこか怒りを伴わせている様子、これが本音なのだろう。預言を絶対とする者の。
詠師達がその戦争を望むような変化した市長の発言に呆然とする中、ルークは目の前の木箱に手をかけながら話しかける。
「もちろん、説得したんですよ。ただどうしても頑固に首を振らない方が一人いらっしゃったのでね、その方にはバチカルからこの場に来ていただきました・・・ではご登場してもらいましょう」
その最後の一言を言うと、ルークはその木箱の底の部分以外の外枠を引き抜き中身をあらわにした。
「「「「ヒイィッ!?」」」」
その瞬間怒りを見せていた市長も混乱に陥っていた詠師達も、そしてイオンを含んだ女性陣が情けない悲鳴を上げていた。その木箱から現れた物は・・・
「どうしたんですか?久しぶりの対面なんです、存分に挨拶をしてください、大詠師に」
ナルトがバチカルの謁見の間で殺したままの、苦悶の表情のままの惑星屑の首だった。
・・・惑星屑の首をあらわにしたルークは初めての生の笑みを市長達に見せる。だがその死臭が明らかに漂う苦悶の表情の首に生きた表情のルークの顔・・・一気に恐怖心が芽生えるには十分、市長の纏う雰囲気は怯えへ変わっていた。
「なっ、何故大詠師が・・・!?」
人の殺された姿を全く目撃したことがないのだろう、大きく目を見開いて惑星屑の死を否定するかのようにただ大粒の汗を顔全体に浮かべて流している。
・・・だから人の殺された姿を目撃せず、大義名分で死を軽く見る輩は脆い。
ルークは惑星屑よりも明らかに劣るその相手に、攻撃の手を緩めず笑顔のままのたまう。
「殺したんですよ、アクゼリュスを消滅させて戦争をすることがあくまで正しい、なんて主張したものですから」
「なっ!?なんて事を・・・!」
「ならば貴方は言えますか?大詠師と同じ位置に立たされたなら、誰をも納得させるような答えを」
「・・・何を、言っているのですか・・・?」
あっさり事もなげに事実を言うルークに顔を青くする市長だったが、意味深な言葉に青い顔のまま問いてくる。
「まぁ起きた出来事を知ってもらうのは重要ですからね。それを話した上で貴方にも答えていただきましょう」
もう優劣は決している、だが順を追って直にはいつくばらせる味を教える為にルークは丁寧にバチカルで惑星屑が文字通り墓穴を掘った場面を話し出す・・・
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「それが・・・私と言いたいのですか?」
「えぇ、ユリアシティの存在は一般に知られてはいませんし監視者の街という名の役割から見るなら貴方方この街の住民以外に適役はいません」
そこまで言い切ると後は答えを聞くばかりだと、ルークは腕を組んで市長を黙って見据える。
・・・監視者の街、ユリアシティの別の呼び名。その名を知っているのはダアトに関係する、ほんの一部の者のみが知る。
その呼び名を聞いて勘弁したのか、どこか落ち着いたようになり口を開く。
「・・・はい、確かに私は預言の事実を知っていて大詠師に譜石を折る事に協力いたしました」
「「「「!?」」」」
その落ち着いた肯定に詠師達の表情が一斉に信じられない物を見る物となって、市長を見る。だが市長は詠師達には一切視線をやらず、ルークに質問する。
「私からもいいですかな、朱炎殿?」
「なんですか?」
「貴方のお話に先程の音機関、聞けば聞く程預言は達成させられている条件が整っていたと思われますが・・・何故和平、などという事になったのですか?」
・・・質問の意図と悪意が一気に跳ね上がった。市長の雰囲気からして声色は平静だがどこか怒りを伴わせている様子、これが本音なのだろう。預言を絶対とする者の。
詠師達がその戦争を望むような変化した市長の発言に呆然とする中、ルークは目の前の木箱に手をかけながら話しかける。
「もちろん、説得したんですよ。ただどうしても頑固に首を振らない方が一人いらっしゃったのでね、その方にはバチカルからこの場に来ていただきました・・・ではご登場してもらいましょう」
その最後の一言を言うと、ルークはその木箱の底の部分以外の外枠を引き抜き中身をあらわにした。
「「「「ヒイィッ!?」」」」
その瞬間怒りを見せていた市長も混乱に陥っていた詠師達も、そしてイオンを含んだ女性陣が情けない悲鳴を上げていた。その木箱から現れた物は・・・
「どうしたんですか?久しぶりの対面なんです、存分に挨拶をしてください、大詠師に」
ナルトがバチカルの謁見の間で殺したままの、苦悶の表情のままの惑星屑の首だった。
・・・惑星屑の首をあらわにしたルークは初めての生の笑みを市長達に見せる。だがその死臭が明らかに漂う苦悶の表情の首に生きた表情のルークの顔・・・一気に恐怖心が芽生えるには十分、市長の纏う雰囲気は怯えへ変わっていた。
「なっ、何故大詠師が・・・!?」
人の殺された姿を全く目撃したことがないのだろう、大きく目を見開いて惑星屑の死を否定するかのようにただ大粒の汗を顔全体に浮かべて流している。
・・・だから人の殺された姿を目撃せず、大義名分で死を軽く見る輩は脆い。
ルークは惑星屑よりも明らかに劣るその相手に、攻撃の手を緩めず笑顔のままのたまう。
「殺したんですよ、アクゼリュスを消滅させて戦争をすることがあくまで正しい、なんて主張したものですから」
「なっ!?なんて事を・・・!」
「ならば貴方は言えますか?大詠師と同じ位置に立たされたなら、誰をも納得させるような答えを」
「・・・何を、言っているのですか・・・?」
あっさり事もなげに事実を言うルークに顔を青くする市長だったが、意味深な言葉に青い顔のまま問いてくる。
「まぁ起きた出来事を知ってもらうのは重要ですからね。それを話した上で貴方にも答えていただきましょう」
もう優劣は決している、だが順を追って直にはいつくばらせる味を教える為にルークは丁寧にバチカルで惑星屑が文字通り墓穴を掘った場面を話し出す・・・
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