焔と渦巻く忍法帖 第十九話

「もう一度言わせていただきますが、私達は学を学ぶ事に関してルーク様に手を貸す事はございません・・・ですが陛下が再びあらぬ事をお考えになられたなら私が動かせていただきますので、あしからず」
「・・・っ」
とは言っても途中でインゴベルトに動かれたなら中途半端な結果に成り兼ねないので、ルークはその歯止めをかけておく。インゴベルトはやはりそのルークに押されるがその様子を見て、余程の事がない限りは凶行には及ばないだろうと満足する。
「そう・・・それじゃあ俺らはもうこれ以上何も言う事はないってばね。じゃあ俺は適当に暇つぶしてくるから、後は勝手に頑張ってくれってばよ」
同じく満足をしたナルトはこれ以上自分がここにいる理由はないと、笑顔で手を振ると一瞬でその場から消える。
「さて、陛下。私はまだやることがありますのでルーク様達には退出していただき、色々お話しましょうか?」
「・・・え?」
一人残ったルークは笑顔のままインゴベルトに一対一の話し合いをしようと言い出す。その瞬間何を言っているのかと、インゴベルトの顔は一言え?と言うと徐々に泣きそうな情けない顔へと変わっていった・・・









・・・そのインゴベルトとの話し合いを経たルークが自ら兵士達の復隊を監修するための雑務をこなし、今に致る。



城から出て下へ降りる天空客車へと向かうルーク、すると瞬く間にルークの隣にナルトが何事もなかったように陣取り一緒に歩き出す。
「よっ、ルーク。書類整理終わったってば?」
「おう、事後対応は完璧だ。それに終わってなきゃタルタロスにあいつら集めなんかしねぇよ」
ナルトの楽しそうな質問に、カラカラと機嫌よく答えるルーク。
「さぁて、次の目的地はダアトだ。久々に会うあいつらの顔は喜んでっかなぁ?」
「ちょっと先に覗いて来たけどすっごい表情になってたってばよ、あいつら」
「ナルトォ、ずりぃぞ・・・って言いたいけどやっべ、それ聞いて楽しくなってきた・・・!」
ナルトの抜け駆けを聞き口を尖らせかけたルークだったが予想通りの状況を考え、どんどん楽しみの気持ちを抑え切れずニヤつかざるを得なくなる。
これからは存分に凹んだままのあいつらを見ながら今度は老け髭の野望を木っ端みじんに粉砕することになる、そう考えるとルークは笑みを我慢する気を自然と捨て去っていた。












闇は優しくはないが、冷たくもない



等しくそこにあるだけ



だが等しいからこそ人に降り懸かるその力はただ大きい、闇は死を纏うものだから



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