焔と渦巻く忍法帖 第十九話
「お前が言うその預言も、元を正せばこの王様や死んだ惑星屑から出て来た嘘の和平って甘い響きを力押しで自らの手で実現させようとしたからだろ。それを今更自分に都合が悪くなったら預言のせいにして、自分の馬鹿さから逃げんのか?預言がなかったら、そういったのに今度は預言のせいにする・・・何だってばよ、これ?支離滅裂な上に本末転倒以外の何物でもないってばよ」
「・・・っ・・・!」
容赦の見えないナルトの言葉に猪思考姫は反論の気配も出せず、息を詰まらせる。そこに今度はルークが更に言葉の刃を貫かせていく。
「貴方は自らの意志で私達に付いていくとおっしゃいました。そこで貴女がいなくなった事で出た弊害という物は預言なんて言葉で仕方ないや必要損害などと割り切る事は出来ません。それとも貴方は・・・脱走して王女の義務を放棄する事が預言に詠まれていたからそうしたと、おっしゃるつもりですか?」
「!・・・あっ・・・あっ・・・!」
逃げ道が元々から存在しない上に更に無駄な言い訳すらも潰され、猪思考姫は小さく小刻みに震え力無く首を何度も横に振りながら涙を目に溢れさせそうにしながら言葉にならない音を発する。もちろん預言に詠まれたからそうしたというわけではないのは分かっているから論外だが、違うというならそこではっきりと認める事になるのだ。‘自分は愚か者です’と。
どちらを口にしても烙印はもう不名誉極まりない物しか押されず、どちらを選んでも地獄の責め苦が待ち受ける。だが自らの行動は預言ですということは言わないだろう、もし言ったら言ったでルーク達は庇護から自ら離れたとして惑星屑以上の拷問をもってして殺すだけだ。
「お分かりですか?貴女がどれだけ傲慢で省みる事のない愚人であるかを。預言があったかどうかなど関係ありません、貴女は自己満足のために国を衰えさせ人を殺しあまつさえ自らの影響を善以外の何物もないと考えていた。王女という影響力は過てば世界すら滅ぼします、それを自覚しなかった貴女に救いなどないんですよ・・・本来なら」
言葉の刃をどんどんと放ちながらもルークは猪思考姫との距離を歩いて詰め、その距離が体一つ分まで近付くと歩みを止める。猪思考姫が震えながらルークを怯えながら見ていると、突然ルークは猪思考姫の顎を掴み頬に指を食い込ませる。
「なっ!?テメェ、何を・・・っ!!?」
煙デコが全身をビクッとさせた猪思考姫を助けようと足を出しかけるが、ルークはさっと一つ睨みを入れてその騒々しい行動を黙らせる。邪魔したら殺す、そんな殺気を込めた威嚇を終えると愛想笑いも甚だしいその顔を猪思考姫の怯える顔に突き合わせる。
「言いましたよね、私。全てが終わったらその位置にいられるようにすると。ですが王女という地位こそ守れど、もはや貴女に政治に参加する権利も義務も・・・能力もない」
そこまで言うとルークはぱっと手を離す。
「貴女は民の信頼は未だ健在なれど貴族からの信頼は地に落ちたに等しい。更にマルクトとの和平においては貴女は毛ほどの役にも立っておりません、これよりいかに和平以上の功績を打ち立て国を富ませる政策を打ち出せる心算はおありですか?ないというなら・・・もしアクゼリュスに行く前のように政治に関わったとしても、じきに貴族達の嘆願が届けられる事になりますよ。遠回しな表現なれど共通して」
「ナタリア王女の進退を望む声が」
「!!」
「貴女は福祉などの民に施す政策はともかく、国を富ます政策というのには酷く疎い。というより国の損害を考えていたならそもそも脱走など軽々しく出来ません。そんな貴女がのうのうと福祉のような国の損害を取り戻す事が難しい政策にだけ取り掛かっていては損失は取り戻されない、ですが今更新しい事業や産業など起こす案を出しても余程成功の確信を持たせる物でなければ一度落ちた信頼ではまず賛同を得られない上に、失敗したときの反動がそれこそ大きい。今度は民からですら口々に罵倒を繰り広げるでしょう、ナタリア王女を信頼出来ないと。ですがそれに怯えて今まで通りにやっても貴族の不満は解消されず・・・」
最後は首筋をトントンと首刀の形で叩き、クビを切られると示す。そうされた猪思考姫は・・・滝のように涙を流しいやだいやだと駄々をこねる子供以上に首を振るばかりだ。
「流石にそんな声が届いたなら陛下は無視は出来ませんし、私も弁護しません。だから・・・選んで下さい、ここでもう政治に関わらない事を選んで安息を取るか敢えて政治に参加するといい陛下や貴族に民のやっかみを買ってしまう可能性を引き受けてまで政治に関わるかどっちかを」
・・・はっきり言えば猪思考姫には意味のない二択だ。ここまで弱り切った状態で後者を選ぶはずがない。だがそれでいい、質問の意図は別にあるのだから。
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「・・・っ・・・!」
容赦の見えないナルトの言葉に猪思考姫は反論の気配も出せず、息を詰まらせる。そこに今度はルークが更に言葉の刃を貫かせていく。
「貴方は自らの意志で私達に付いていくとおっしゃいました。そこで貴女がいなくなった事で出た弊害という物は預言なんて言葉で仕方ないや必要損害などと割り切る事は出来ません。それとも貴方は・・・脱走して王女の義務を放棄する事が預言に詠まれていたからそうしたと、おっしゃるつもりですか?」
「!・・・あっ・・・あっ・・・!」
逃げ道が元々から存在しない上に更に無駄な言い訳すらも潰され、猪思考姫は小さく小刻みに震え力無く首を何度も横に振りながら涙を目に溢れさせそうにしながら言葉にならない音を発する。もちろん預言に詠まれたからそうしたというわけではないのは分かっているから論外だが、違うというならそこではっきりと認める事になるのだ。‘自分は愚か者です’と。
どちらを口にしても烙印はもう不名誉極まりない物しか押されず、どちらを選んでも地獄の責め苦が待ち受ける。だが自らの行動は預言ですということは言わないだろう、もし言ったら言ったでルーク達は庇護から自ら離れたとして惑星屑以上の拷問をもってして殺すだけだ。
「お分かりですか?貴女がどれだけ傲慢で省みる事のない愚人であるかを。預言があったかどうかなど関係ありません、貴女は自己満足のために国を衰えさせ人を殺しあまつさえ自らの影響を善以外の何物もないと考えていた。王女という影響力は過てば世界すら滅ぼします、それを自覚しなかった貴女に救いなどないんですよ・・・本来なら」
言葉の刃をどんどんと放ちながらもルークは猪思考姫との距離を歩いて詰め、その距離が体一つ分まで近付くと歩みを止める。猪思考姫が震えながらルークを怯えながら見ていると、突然ルークは猪思考姫の顎を掴み頬に指を食い込ませる。
「なっ!?テメェ、何を・・・っ!!?」
煙デコが全身をビクッとさせた猪思考姫を助けようと足を出しかけるが、ルークはさっと一つ睨みを入れてその騒々しい行動を黙らせる。邪魔したら殺す、そんな殺気を込めた威嚇を終えると愛想笑いも甚だしいその顔を猪思考姫の怯える顔に突き合わせる。
「言いましたよね、私。全てが終わったらその位置にいられるようにすると。ですが王女という地位こそ守れど、もはや貴女に政治に参加する権利も義務も・・・能力もない」
そこまで言うとルークはぱっと手を離す。
「貴女は民の信頼は未だ健在なれど貴族からの信頼は地に落ちたに等しい。更にマルクトとの和平においては貴女は毛ほどの役にも立っておりません、これよりいかに和平以上の功績を打ち立て国を富ませる政策を打ち出せる心算はおありですか?ないというなら・・・もしアクゼリュスに行く前のように政治に関わったとしても、じきに貴族達の嘆願が届けられる事になりますよ。遠回しな表現なれど共通して」
「ナタリア王女の進退を望む声が」
「!!」
「貴女は福祉などの民に施す政策はともかく、国を富ます政策というのには酷く疎い。というより国の損害を考えていたならそもそも脱走など軽々しく出来ません。そんな貴女がのうのうと福祉のような国の損害を取り戻す事が難しい政策にだけ取り掛かっていては損失は取り戻されない、ですが今更新しい事業や産業など起こす案を出しても余程成功の確信を持たせる物でなければ一度落ちた信頼ではまず賛同を得られない上に、失敗したときの反動がそれこそ大きい。今度は民からですら口々に罵倒を繰り広げるでしょう、ナタリア王女を信頼出来ないと。ですがそれに怯えて今まで通りにやっても貴族の不満は解消されず・・・」
最後は首筋をトントンと首刀の形で叩き、クビを切られると示す。そうされた猪思考姫は・・・滝のように涙を流しいやだいやだと駄々をこねる子供以上に首を振るばかりだ。
「流石にそんな声が届いたなら陛下は無視は出来ませんし、私も弁護しません。だから・・・選んで下さい、ここでもう政治に関わらない事を選んで安息を取るか敢えて政治に参加するといい陛下や貴族に民のやっかみを買ってしまう可能性を引き受けてまで政治に関わるかどっちかを」
・・・はっきり言えば猪思考姫には意味のない二択だ。ここまで弱り切った状態で後者を選ぶはずがない。だがそれでいい、質問の意図は別にあるのだから。
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