焔と渦巻く忍法帖 第十九話
「はい、これ。謝れたら謝るって言ったってばよね。その言葉に偽りがないならこれを受け取れってば」
「えっ・・・?」
バサッ、ナルトがその手元から取り出した何かに修頭胸は訳も分からずといった感じでそれを受け取る。
「これは・・・履歴書・・・?」
渡された紙の束を一枚一枚めくるように中身を確認し、修頭胸は履歴書という渡される覚えのないものを渡され怪訝な顔をしてナルトの方に視線だけ向ける。
「なんなの、これは?」
「お前らから言えば元ルーク、朱炎から預かってきたもんだってば」
「朱、炎から・・・?」
ルークの暗部名を出され、途端に強気の姿勢が崩れる。そして事実を白日の元に晒そうと、何も考えない修頭胸の心を壊す為にその正体をナルトは明かす。
「その履歴書はな、お前が屋敷に髭兄を襲いに来た時警護の役目を果たせなかった為に解雇された兵士達の履歴書だってばよ」
「・・・えっ・・・?」
いきなりの事で何の事やら理解出来ていないのだろう。だがそんなキョトン顔と自らの起こした事の弊害を理解していない考えがナルト及びルークの嫌悪するところ、ナルトは分からせてやるとゆっくり行く。
「聞こえなかったってば?お前のおかげで屋敷からお役御免になった人達の履歴書だから、ありがたく受け取っておけってばよ」
「・・・ちょっ、ちょっと待って・・・解雇されたってどういう事・・・?」
流石に二回も繰り返せば何やら不穏な響きだと感じたのか、やたら神妙に探るように修頭胸はナルトに聞いてくる。
「まぁ俺の言うルークがマルクトからこの屋敷に戻った時、飛ばされる前とは違う屋敷の雰囲気をルークは感じ取ったらしいんだってば。それで執事のラムダスってオッサンにルークは聞いたんだ、もしかして兵士の人達は辞めさせられたんじゃないのかって」
ルークが屋敷にマルクトから戻って来た時感じていた物、それは兵士の気配の違いだ。
いつもいた兵士の気配がなくなった・・・つまり責任を取らされた。ルークはそう感じ、修頭胸達が屋敷から離れた後ラムダスの所まで行き半ばわがままのような命令の形で履歴書の写しをもぎ取った。
そして修頭胸を処断するとなった時、ナルトはルークからその履歴書を預かってこの場に来たのだ。
「返って来たのははいそうです、の一言。だーかーらー、本当に謝る気があるならこの履歴書の場所に行ってきて。だってお前のせいでこの履歴書の人達、辞めさせられたんだし」
「嘘・・・嘘ですよね、公爵?私は兄を襲っただけです、その人達が何か責任を取らされるような事はしていません・・・だからそんな事、するわけありませんよね?」
「・・・っ!」
ナルトに詰め寄られたまらず修頭胸は公爵に助けを求めるよう、事実確認をしてくる・・・が、その言葉を受け公爵は苦そうに顔を歪め強く手を握りしめる。
「・・・このような者に、屋敷の中に侵入されたのか・・・警備が甘い、と思ったが私にはもはや同情心しか浮かんでこん・・・」
「え?」
いかに貴族が失敗に寛容ではない人種とはいえ、この目の前の人物の有様にそういった見栄もなにもかも超越した感情が生まれたのだろう。だが現実を拒否しようとする修頭胸はそんな苦しそうな公爵を見て、何事かを理解出来ていない。
「・・・ティア・グランツ。今このナルトという少年が言った事は紛れなく本当の事だ。嘘ではない」
「そっ、そんな・・・何故・・・」
公爵はそんな相手を見て、情けを一切かけるでもなく毅然とした声で事実を告げる。
その声に自分で考える事を放棄し、修頭胸は公爵を批難でもするように責める目と青い顔で理由を聞いてくる。
・・・傍目から見ていて不憫で情けをかける余地が見えないやり取り。ナルトはそう思いながら事の成り行きを口角をひそかに上げ、傍観する。
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「えっ・・・?」
バサッ、ナルトがその手元から取り出した何かに修頭胸は訳も分からずといった感じでそれを受け取る。
「これは・・・履歴書・・・?」
渡された紙の束を一枚一枚めくるように中身を確認し、修頭胸は履歴書という渡される覚えのないものを渡され怪訝な顔をしてナルトの方に視線だけ向ける。
「なんなの、これは?」
「お前らから言えば元ルーク、朱炎から預かってきたもんだってば」
「朱、炎から・・・?」
ルークの暗部名を出され、途端に強気の姿勢が崩れる。そして事実を白日の元に晒そうと、何も考えない修頭胸の心を壊す為にその正体をナルトは明かす。
「その履歴書はな、お前が屋敷に髭兄を襲いに来た時警護の役目を果たせなかった為に解雇された兵士達の履歴書だってばよ」
「・・・えっ・・・?」
いきなりの事で何の事やら理解出来ていないのだろう。だがそんなキョトン顔と自らの起こした事の弊害を理解していない考えがナルト及びルークの嫌悪するところ、ナルトは分からせてやるとゆっくり行く。
「聞こえなかったってば?お前のおかげで屋敷からお役御免になった人達の履歴書だから、ありがたく受け取っておけってばよ」
「・・・ちょっ、ちょっと待って・・・解雇されたってどういう事・・・?」
流石に二回も繰り返せば何やら不穏な響きだと感じたのか、やたら神妙に探るように修頭胸はナルトに聞いてくる。
「まぁ俺の言うルークがマルクトからこの屋敷に戻った時、飛ばされる前とは違う屋敷の雰囲気をルークは感じ取ったらしいんだってば。それで執事のラムダスってオッサンにルークは聞いたんだ、もしかして兵士の人達は辞めさせられたんじゃないのかって」
ルークが屋敷にマルクトから戻って来た時感じていた物、それは兵士の気配の違いだ。
いつもいた兵士の気配がなくなった・・・つまり責任を取らされた。ルークはそう感じ、修頭胸達が屋敷から離れた後ラムダスの所まで行き半ばわがままのような命令の形で履歴書の写しをもぎ取った。
そして修頭胸を処断するとなった時、ナルトはルークからその履歴書を預かってこの場に来たのだ。
「返って来たのははいそうです、の一言。だーかーらー、本当に謝る気があるならこの履歴書の場所に行ってきて。だってお前のせいでこの履歴書の人達、辞めさせられたんだし」
「嘘・・・嘘ですよね、公爵?私は兄を襲っただけです、その人達が何か責任を取らされるような事はしていません・・・だからそんな事、するわけありませんよね?」
「・・・っ!」
ナルトに詰め寄られたまらず修頭胸は公爵に助けを求めるよう、事実確認をしてくる・・・が、その言葉を受け公爵は苦そうに顔を歪め強く手を握りしめる。
「・・・このような者に、屋敷の中に侵入されたのか・・・警備が甘い、と思ったが私にはもはや同情心しか浮かんでこん・・・」
「え?」
いかに貴族が失敗に寛容ではない人種とはいえ、この目の前の人物の有様にそういった見栄もなにもかも超越した感情が生まれたのだろう。だが現実を拒否しようとする修頭胸はそんな苦しそうな公爵を見て、何事かを理解出来ていない。
「・・・ティア・グランツ。今このナルトという少年が言った事は紛れなく本当の事だ。嘘ではない」
「そっ、そんな・・・何故・・・」
公爵はそんな相手を見て、情けを一切かけるでもなく毅然とした声で事実を告げる。
その声に自分で考える事を放棄し、修頭胸は公爵を批難でもするように責める目と青い顔で理由を聞いてくる。
・・・傍目から見ていて不憫で情けをかける余地が見えないやり取り。ナルトはそう思いながら事の成り行きを口角をひそかに上げ、傍観する。
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