焔と渦巻く忍法帖 第十八話
「さぁ陛下、そして公爵。これで理解いただけましたか?我々の覚悟を」
‘ズチャリッ・・・’
前に出ながら話すルークの足元に惑星屑の血溜まりがあり、そこを踏み締めた足音は重く生々しい。その効果音は恐怖を煽る、もはや迷いなどないとでも語っているような気にさせられて。
だがここでルークは惑星屑の隣で歩みを止める、二人の命は掌中にあるというのに。
「さて・・・大詠師がいなくなった今、ここでお二方に聞きたい事がございます」
ここで出たのは態度を新たに真剣な声色のルークの声。生殺しにも等しい環境の中、全員がその発言に注目を集める。
「貴方方は兵士の死に関しては乗り気と言えるような発言はしてはいませんでした。そこで本当の気持ちで答えていただきたい。大詠師が死に導師イオンは戦争の預言を否定している今、この場には余計な口を挟む者はいません・・・貴方方は尚預言を達成させようと、お考えですか?」
事前のテープレコーダーで流した兵士派遣の際、悩む声を出していた。そこを逃げ場として使えるよう、意図的に感情に酌量の余地を作り上げる。とは言っても先程まで兵士達は半分怨みを持って惑星屑の死体を刺していたのだ、下手に発言すれば即座に殺されると全身に染み渡らせて理解させられたインゴベルト達はすぐさま答えを出す。
「そ、そのような事は考えてはおらん!繁栄が訪れるからと言われやむなくアクゼリュスへそなた達を派遣してマルクトとの戦争へ踏み切ろうとしたが、そなた達の受けた仕打ちと怒りはよくわかった!それにダアトにいながらも本物のルーク、そなたをヴァンがさらい預言に反旗を翻した事実もある!預言を否定した導師はともかくとしても、もはやダアトに信頼は置けん!」
「わ、私も同様だ!」
必死な声はほぼためらいがない、公爵もいたって同様だ。しかしその声には惑星屑及び老け髭へ向けての不信感が爆発したという、本音も混ざっていた。事実、あの醜い姿とレプリカの事実を見聞きしたことでダアトへの揺るぎない信頼も消え去っていたのだろう。
だがその声は生きたいからこそ、自らの惑星屑達に対して感じた不満も併せて共感してくれという必死な響きの方が強い。結局自分も全てを知らされずあまつさえ謀略を仕掛けられていたのだから認める事で許して欲しい、そんな風に聞こえてしまう。兵士達はわずか込められたダアトへの本心からの不信に、どうするべきか困惑の色を浮かべている。
だがルーク達は理解していた、状況が状況なだけにこの場では預言を否定する振りをして納まったら後でまた裏切る可能性が高いという事を。預言に塗れたこの世界の住民が、そう安々と預言を捨て去るはずがないということを。
「そうですか・・・なら一つ、宣言をさせていただきます。もしその言葉を違えマルクトとの戦争へ踏み切ろうとしたなら、この場に魔獣を解き放たせていただきます」
だからこそ解けない楔を打ち込むのだ、人知を越えた存在という者から受ける恐怖という楔を。
「・・・魔獣?」
流石にそのルークの宣言にピンと来る物はなかったのだろう、必死な顔は成りを潜めインゴベルトは緊張感が多少消える。その声にルークはナルトの前に瞬時に移動する。そしてルークの後ろに数メートル程度の合間を空け、真後ろ・右斜め後ろ・左斜め後ろに綺麗な四角形を描きナルトを囲うように影分身兵士達が陣取った。
「「なっ!?」」
ルークまでもがその凄まじい早さの動きが出来る事に二人は驚くが、ルークは影分身とともに全く気にせず印をバババッと組み始める。
「忍法・四神硬陣」
全て印を組み終わったルークの一声と同時に、ルーク達を囲うよう白い透明な壁がルーク達の周りに現れた。
・・・その光景に何が起こるのか全く予想が出来ない一同、そんななかでナルトは淡々と印を組む。
そして印を組み終わり、ナルトが発した声は名を知っている者であれば恐怖・驚愕・絶望をほとんどの者がいずれかを感じる程強大な物であった。
「口寄せ・九尾」
.
‘ズチャリッ・・・’
前に出ながら話すルークの足元に惑星屑の血溜まりがあり、そこを踏み締めた足音は重く生々しい。その効果音は恐怖を煽る、もはや迷いなどないとでも語っているような気にさせられて。
だがここでルークは惑星屑の隣で歩みを止める、二人の命は掌中にあるというのに。
「さて・・・大詠師がいなくなった今、ここでお二方に聞きたい事がございます」
ここで出たのは態度を新たに真剣な声色のルークの声。生殺しにも等しい環境の中、全員がその発言に注目を集める。
「貴方方は兵士の死に関しては乗り気と言えるような発言はしてはいませんでした。そこで本当の気持ちで答えていただきたい。大詠師が死に導師イオンは戦争の預言を否定している今、この場には余計な口を挟む者はいません・・・貴方方は尚預言を達成させようと、お考えですか?」
事前のテープレコーダーで流した兵士派遣の際、悩む声を出していた。そこを逃げ場として使えるよう、意図的に感情に酌量の余地を作り上げる。とは言っても先程まで兵士達は半分怨みを持って惑星屑の死体を刺していたのだ、下手に発言すれば即座に殺されると全身に染み渡らせて理解させられたインゴベルト達はすぐさま答えを出す。
「そ、そのような事は考えてはおらん!繁栄が訪れるからと言われやむなくアクゼリュスへそなた達を派遣してマルクトとの戦争へ踏み切ろうとしたが、そなた達の受けた仕打ちと怒りはよくわかった!それにダアトにいながらも本物のルーク、そなたをヴァンがさらい預言に反旗を翻した事実もある!預言を否定した導師はともかくとしても、もはやダアトに信頼は置けん!」
「わ、私も同様だ!」
必死な声はほぼためらいがない、公爵もいたって同様だ。しかしその声には惑星屑及び老け髭へ向けての不信感が爆発したという、本音も混ざっていた。事実、あの醜い姿とレプリカの事実を見聞きしたことでダアトへの揺るぎない信頼も消え去っていたのだろう。
だがその声は生きたいからこそ、自らの惑星屑達に対して感じた不満も併せて共感してくれという必死な響きの方が強い。結局自分も全てを知らされずあまつさえ謀略を仕掛けられていたのだから認める事で許して欲しい、そんな風に聞こえてしまう。兵士達はわずか込められたダアトへの本心からの不信に、どうするべきか困惑の色を浮かべている。
だがルーク達は理解していた、状況が状況なだけにこの場では預言を否定する振りをして納まったら後でまた裏切る可能性が高いという事を。預言に塗れたこの世界の住民が、そう安々と預言を捨て去るはずがないということを。
「そうですか・・・なら一つ、宣言をさせていただきます。もしその言葉を違えマルクトとの戦争へ踏み切ろうとしたなら、この場に魔獣を解き放たせていただきます」
だからこそ解けない楔を打ち込むのだ、人知を越えた存在という者から受ける恐怖という楔を。
「・・・魔獣?」
流石にそのルークの宣言にピンと来る物はなかったのだろう、必死な顔は成りを潜めインゴベルトは緊張感が多少消える。その声にルークはナルトの前に瞬時に移動する。そしてルークの後ろに数メートル程度の合間を空け、真後ろ・右斜め後ろ・左斜め後ろに綺麗な四角形を描きナルトを囲うように影分身兵士達が陣取った。
「「なっ!?」」
ルークまでもがその凄まじい早さの動きが出来る事に二人は驚くが、ルークは影分身とともに全く気にせず印をバババッと組み始める。
「忍法・四神硬陣」
全て印を組み終わったルークの一声と同時に、ルーク達を囲うよう白い透明な壁がルーク達の周りに現れた。
・・・その光景に何が起こるのか全く予想が出来ない一同、そんななかでナルトは淡々と印を組む。
そして印を組み終わり、ナルトが発した声は名を知っている者であれば恐怖・驚愕・絶望をほとんどの者がいずれかを感じる程強大な物であった。
「口寄せ・九尾」
.