焔と渦巻く忍法帖 第十八話
「「「「!?」」」」
アクゼリュスに派遣した兵士達、インゴベルト達はもちろん話を一切聞いていなかった自称正論者達も異様な雰囲気の兵士達を凝視する。異様なのは兜の下に隠された人を殺さんばかりの血走った目と、体から湯気のように沸き立つ殺気がある一人に向けられていると全員が感じ取れたからだ。もちろん、兵士達がそれらを向けているのは・・・
「どうされたのですか?大詠師、不満ならもう一度命じればよろしいではありませんか。預言だから死ぬべきだとはっきり明言した兵士達に、謡将の凶刃からお救いした私を捕えろと」
見ていて面白いくらい土気色の顔で狼狽している惑星屑の顔に、演技すらせずに余裕の笑みを持ってルークは両手を広げる。
「う、嘘だ!ヴァ、ヴァンに兵士達は襲われたと言ったではないか!」
「教われた、とは申しましたが全員死亡した、などとは誰も言っておりませんよ?それに今言ったではありませんか、謡将の凶刃から私がこの方達をお救いしたと」
現実逃避に嘘だと言い張る惑星屑の勢いよく横に首を振る姿に、言葉の落とし穴を突いた喋り方で勝手に思い込んでいただけだろうと責任はないと述べる。その言葉にぐっと言葉を詰まらせる惑星屑、更に追い詰める為ルークは衝撃をもたらす発言を出す。
「先程までの会話・・・彼らも謁見の間のやり取りを扉の向こうで聞いていたのですよ?」
「「「「!?」」」」
「既にこの謁見の間の包囲は完了しています。そうでなければ彼らは扉の前で呼びかけにすぐには反応出来ません・・・現にホラ」
「「「「!?」」」」
ホラの一言と扉を指差すルークの先に、影分身兵士達が一斉に瞬間で姿を表し惑星屑達は見た事のない異様な登場に更に動揺する。
「これだけの数の兵士がバチカルの街中を一斉に歩き回ったら話題に上がり、すぐさま城内に伝わるでしょうからね。彼らには街中に駐在している兵士、城の中にいる兵士達の足止めを頼みました。そしてこの謁見の間の外にも何人か待機させています、その理由がわかりますか?・・・それは導師を差し置き死の預言を実行させようとしていた貴方をここに閉じ込める為です」
「わっ、私はスコ・・・ア・・・」
今度は指を惑星屑に向け場を密室にした事を明らかにする。しかし尚預言こそが正義だとのたまおうとした惑星屑だが、途端に勢いと言葉が消える。それもそうだろう、先程より強い殺気を持った兵士達が一斉に剣に手をかけようとする姿が目に入ったのだから。
「お分かりですか?貴方が今なお口に出す預言、そのために彼らは殺されそうになったのです。わかりますか?彼らの怒りが、その命をあっさりと見捨てる貴方がどれだけ無情な人間であるかを」
怯える姿に道義を問うようにルークも静かに声を猛らせる。流石に殺されそうになるほど険悪な雰囲気の兵士達に、迂闊な発言を出来ない惑星屑は汗をかいて黙るばかりだ。
「陛下、公爵。お二人にも聞かせていただきます。彼らはキムラスカに粉骨砕身の精神で今まで仕えて参りました。その彼らを見捨てたのは何故ですか?忠臣などいらぬと申されるのですか?」
「い、いやそのようなことは・・・」
「う、うむ・・・」
話の矢先に立たされたインゴベルト達も曖昧に返事を濁す。兵士達の雰囲気にもしかしたら自分もと感じているのだろう。
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アクゼリュスに派遣した兵士達、インゴベルト達はもちろん話を一切聞いていなかった自称正論者達も異様な雰囲気の兵士達を凝視する。異様なのは兜の下に隠された人を殺さんばかりの血走った目と、体から湯気のように沸き立つ殺気がある一人に向けられていると全員が感じ取れたからだ。もちろん、兵士達がそれらを向けているのは・・・
「どうされたのですか?大詠師、不満ならもう一度命じればよろしいではありませんか。預言だから死ぬべきだとはっきり明言した兵士達に、謡将の凶刃からお救いした私を捕えろと」
見ていて面白いくらい土気色の顔で狼狽している惑星屑の顔に、演技すらせずに余裕の笑みを持ってルークは両手を広げる。
「う、嘘だ!ヴァ、ヴァンに兵士達は襲われたと言ったではないか!」
「教われた、とは申しましたが全員死亡した、などとは誰も言っておりませんよ?それに今言ったではありませんか、謡将の凶刃から私がこの方達をお救いしたと」
現実逃避に嘘だと言い張る惑星屑の勢いよく横に首を振る姿に、言葉の落とし穴を突いた喋り方で勝手に思い込んでいただけだろうと責任はないと述べる。その言葉にぐっと言葉を詰まらせる惑星屑、更に追い詰める為ルークは衝撃をもたらす発言を出す。
「先程までの会話・・・彼らも謁見の間のやり取りを扉の向こうで聞いていたのですよ?」
「「「「!?」」」」
「既にこの謁見の間の包囲は完了しています。そうでなければ彼らは扉の前で呼びかけにすぐには反応出来ません・・・現にホラ」
「「「「!?」」」」
ホラの一言と扉を指差すルークの先に、影分身兵士達が一斉に瞬間で姿を表し惑星屑達は見た事のない異様な登場に更に動揺する。
「これだけの数の兵士がバチカルの街中を一斉に歩き回ったら話題に上がり、すぐさま城内に伝わるでしょうからね。彼らには街中に駐在している兵士、城の中にいる兵士達の足止めを頼みました。そしてこの謁見の間の外にも何人か待機させています、その理由がわかりますか?・・・それは導師を差し置き死の預言を実行させようとしていた貴方をここに閉じ込める為です」
「わっ、私はスコ・・・ア・・・」
今度は指を惑星屑に向け場を密室にした事を明らかにする。しかし尚預言こそが正義だとのたまおうとした惑星屑だが、途端に勢いと言葉が消える。それもそうだろう、先程より強い殺気を持った兵士達が一斉に剣に手をかけようとする姿が目に入ったのだから。
「お分かりですか?貴方が今なお口に出す預言、そのために彼らは殺されそうになったのです。わかりますか?彼らの怒りが、その命をあっさりと見捨てる貴方がどれだけ無情な人間であるかを」
怯える姿に道義を問うようにルークも静かに声を猛らせる。流石に殺されそうになるほど険悪な雰囲気の兵士達に、迂闊な発言を出来ない惑星屑は汗をかいて黙るばかりだ。
「陛下、公爵。お二人にも聞かせていただきます。彼らはキムラスカに粉骨砕身の精神で今まで仕えて参りました。その彼らを見捨てたのは何故ですか?忠臣などいらぬと申されるのですか?」
「い、いやそのようなことは・・・」
「う、うむ・・・」
話の矢先に立たされたインゴベルト達も曖昧に返事を濁す。兵士達の雰囲気にもしかしたら自分もと感じているのだろう。
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