焔と渦巻く忍法帖 第十四話

死ぬか、従うか。はっきり言われたこの言葉に全員が意識を逃避させようとする。だが殺気と共に飛んで来た言葉は確認をとるまでもなく中にいたメンツの心を一つに統一させていた。



「従うなら首を縦に振れ。嫌ならすぐさま自害するなり、首を横に振れ。死にたいならいくらでも手は下してやるが、生きたいっていうなら命は保証してやる。それに戦争を起こさせないようにした後、今の地位にいれるようにもな。・・・さぁ、どうする?」
ブン、と一回素振りをして最後の確認を取る。だが皆の心は既に統一されていた・・・答えは全員がゆっくりと首を縦に振る、その瞬間二人による殺気の吹き溜まりのような空間は一気に何もない空間へと変わった。
「よかったなぁ、『命』は助かるぜ?テメェらはな」
「『命』は大事にするってばよ?これから何があっても」
朗らかになった二人の声と雰囲気に安堵の息が零れ落ちる。その息が意味する物、それは二人に逆らえないと感じたから頷いただけだと一瞬でルーク達は理解した。だがそれは二人は大して気にしてはいない。寧ろ命とわざとらしく強調していた二人にとってはそれは歓迎すべきことだった。



「じゃあ知る必要があるな、お前らも」
「・・・?」
「今からアッシュを起こすから、色々知れってば」
安穏とした思いをくれてやる必然性など全く二人からすればない。針の筵に座らせるどころか、炎で肌を焼き続ける地獄に堕とすのが目的。命だけを大切にした意見は二人からすれば逆に歓迎する所だった。






訳が分からずナルトが煙デコに近寄る様子を見る面々。だが既に逃れられる状況ではない、それはすぐに知らされる事になる・・・




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