焔と渦巻く忍法帖 第十四話
「これは・・・!」
一同がブリッジに入り目にした物、それは手足共に拘束された老け髭達。
「・・・教官!」
その中の一人、リグレットの倒れている姿を見て修頭胸がやはり声をあげる。
「ルーク!あなた一体どういうつもりでこんな事をしたの!?」
「は?どういうつもりも何も、リグレット達はタルタロスの兵士達を襲った襲撃指示者だろーが。いくら昔の師弟関係でもこいつらに罪があるってのは知らない訳じゃねーだろ」
「それともなんだってば?自分の師匠だからタルタロスでのことは罪がないって、罪を揉み消そうとするってば?もしそうならたいした仲間意識だってばね、盛大な身内ひいきで」
言外に罪人であると言っているルーク達に、修頭胸は顔を青ざめさせる。タルタロスを襲撃して奪い使っているという事実、それをこの場で忘却していたというのは敬愛している師を優先させたということ。そう突き付けられた事に、修頭胸は沈黙する。
「でもまぁ身内ひいきな仲間意識ってのはダアトの得意技だな。だってキムラスカの兵士を老け髭が殺そうとしたのをリグレット達は助けに来たからな」
「・・・え?ルーク、どういう事ですの?」
「知りたいか?ならちょっと待ってろ。証人が来るから」
ルークがそういった瞬間ブリッジの扉が開く。
「ルーク様、お呼びでしょうか?」
そこには敬礼をしながら、用件を尋ねるキムラスカ兵士の代表者の姿。
「ご苦労様です。貴方を呼んだのは他でもありません。今ここにいる私を除いた親善大使一行、こちらの方々に証言していただきたいことがあるのです」
「はい、なんでしょうか?」
「貴方方がアクゼリュスに到着したときに起きた事を話していただきたいのです」
「・・・わかりました」
ルークの願いに苦々しい雰囲気になりながらも了解を返す代表者に、一同は疑問の目を向ける。
「皆様も知られているとは思いますが、我々先遣隊はヴァン謡将とともにアクゼリュスに先に向かっておりました。そして我々がアクゼリュスにたどり着いた時・・・ヴァン謡将は我々に切り掛かってきました」
「「「「!?」」」」
だがその疑問の目もすぐに驚愕の表情に代表者の言葉で変わる。
「後少し・・・後少しルーク様がヴァン謡将の剣を止めるのが遅ければ私の命、そして共にアクゼリュスに来た兵士達の命はなかったでしょう・・・」
「・・・剣を振るったって・・・そんな・・・兄さん・・・」
修頭胸の声がぼそぼそとではあるが、ルーク達の耳に届く。身内ひいきだと言われたのにたいした変化の無さだなと思いながら、ルークは質問を新たにする。
「その後我々はアクゼリュスに来たタルタロスを制圧してリグレット以下の神託の盾を捕縛したのですが・・・我々の前に同じように捕縛したヴァン謡将をリグレットに見せた時、リグレットはどのような行動を取りましたか?」
「アクゼリュスに来た訳と、ヴァン謡将との関連性をルーク様に問われたリグレットは銃を手に取ろうとホルスターに苦し紛れに手を伸ばしました。幸いにもナルト様がルーク様を守られたので、大事にはいたりませんでしたが」
ナルトが代表者に様付けで呼ばれているのはルークと唯一対等に話が出来て、実力もそれ相応の持ち主でルークの師匠だという事実から兵士達の間でナルトに様をつけるというのが暗黙の了解となった。それが故である。
だが代表者からの言葉に目を開きっぱなしの一同はそんな些細な事に気付く事は出来ない。
「ご苦労様です。これで聞きたい事は聞かせていただきました。持ち場に戻ってください」
「はっ!失礼します!」
ルークの労いの言葉を受けて代表者は再び敬礼を返し、その場を後にしていく。そして残されたメンツは愕然とした表情を変えれずにいた。
そしてそれは同時に事実を知らざるをえない、心理環境の整いの表情にもなっていた。
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一同がブリッジに入り目にした物、それは手足共に拘束された老け髭達。
「・・・教官!」
その中の一人、リグレットの倒れている姿を見て修頭胸がやはり声をあげる。
「ルーク!あなた一体どういうつもりでこんな事をしたの!?」
「は?どういうつもりも何も、リグレット達はタルタロスの兵士達を襲った襲撃指示者だろーが。いくら昔の師弟関係でもこいつらに罪があるってのは知らない訳じゃねーだろ」
「それともなんだってば?自分の師匠だからタルタロスでのことは罪がないって、罪を揉み消そうとするってば?もしそうならたいした仲間意識だってばね、盛大な身内ひいきで」
言外に罪人であると言っているルーク達に、修頭胸は顔を青ざめさせる。タルタロスを襲撃して奪い使っているという事実、それをこの場で忘却していたというのは敬愛している師を優先させたということ。そう突き付けられた事に、修頭胸は沈黙する。
「でもまぁ身内ひいきな仲間意識ってのはダアトの得意技だな。だってキムラスカの兵士を老け髭が殺そうとしたのをリグレット達は助けに来たからな」
「・・・え?ルーク、どういう事ですの?」
「知りたいか?ならちょっと待ってろ。証人が来るから」
ルークがそういった瞬間ブリッジの扉が開く。
「ルーク様、お呼びでしょうか?」
そこには敬礼をしながら、用件を尋ねるキムラスカ兵士の代表者の姿。
「ご苦労様です。貴方を呼んだのは他でもありません。今ここにいる私を除いた親善大使一行、こちらの方々に証言していただきたいことがあるのです」
「はい、なんでしょうか?」
「貴方方がアクゼリュスに到着したときに起きた事を話していただきたいのです」
「・・・わかりました」
ルークの願いに苦々しい雰囲気になりながらも了解を返す代表者に、一同は疑問の目を向ける。
「皆様も知られているとは思いますが、我々先遣隊はヴァン謡将とともにアクゼリュスに先に向かっておりました。そして我々がアクゼリュスにたどり着いた時・・・ヴァン謡将は我々に切り掛かってきました」
「「「「!?」」」」
だがその疑問の目もすぐに驚愕の表情に代表者の言葉で変わる。
「後少し・・・後少しルーク様がヴァン謡将の剣を止めるのが遅ければ私の命、そして共にアクゼリュスに来た兵士達の命はなかったでしょう・・・」
「・・・剣を振るったって・・・そんな・・・兄さん・・・」
修頭胸の声がぼそぼそとではあるが、ルーク達の耳に届く。身内ひいきだと言われたのにたいした変化の無さだなと思いながら、ルークは質問を新たにする。
「その後我々はアクゼリュスに来たタルタロスを制圧してリグレット以下の神託の盾を捕縛したのですが・・・我々の前に同じように捕縛したヴァン謡将をリグレットに見せた時、リグレットはどのような行動を取りましたか?」
「アクゼリュスに来た訳と、ヴァン謡将との関連性をルーク様に問われたリグレットは銃を手に取ろうとホルスターに苦し紛れに手を伸ばしました。幸いにもナルト様がルーク様を守られたので、大事にはいたりませんでしたが」
ナルトが代表者に様付けで呼ばれているのはルークと唯一対等に話が出来て、実力もそれ相応の持ち主でルークの師匠だという事実から兵士達の間でナルトに様をつけるというのが暗黙の了解となった。それが故である。
だが代表者からの言葉に目を開きっぱなしの一同はそんな些細な事に気付く事は出来ない。
「ご苦労様です。これで聞きたい事は聞かせていただきました。持ち場に戻ってください」
「はっ!失礼します!」
ルークの労いの言葉を受けて代表者は再び敬礼を返し、その場を後にしていく。そして残されたメンツは愕然とした表情を変えれずにいた。
そしてそれは同時に事実を知らざるをえない、心理環境の整いの表情にもなっていた。
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